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和石の電燈電話架設記念碑

宮崎県宮崎市高岡町内山の和石集落の「電燈電話架設記念碑」の裏には、和石の開拓について記されている。その文字を書き起こしておく。

電燈電話架設記念碑

和石部落ノ創肇ハ明治三年平家ノ派族去川郷ヨリノ分家入植者ニテ開発セラレ歴代祖先ノ努力ニヨリ

大正三年五月部分林ノ設定昭和六年二月トラック道路開発昭和七年五月公民館ノ建築トアラユル部門ニモ隣接部落ニオトラヌ進歩ヲトゲテイマシタガ

文明ノ進ムニシタガイ国デハ昭和十二年八月世界第二次戦争ニ突入シ十数年間ヲ戦争ノミニ重点ガオカレ若人ハ出征シ老若男女ノミニテ農業ニ従事シタルモ

昭和二十年終戦トナルヤ若人故郷ニ復員スルニ電気ノ必要サニ重大関心ヲモチ

将来部落ノ発展ヲ図ルハ電燈架設工事ナリト部落民一同相集リ区常会ヲ開キ一同会議ノ上電気架設交渉委員ヲ選ビ関係当局トノ交渉ニ入リタルモ

終戦当時ノ物資不足ノ時局ニ資材ノ蒐集資金ノ調達ニ少ナカラヌ困難ニ想遇セルモ委員部落民ハヨク努力ニ努力ノ合言葉ヲモッテ

昭和二十二年四月煌々タル電燈ノ光明ニ接スルコトガ出来得タノデアリマス

電燈架設工事完了後十三年間ヲ過シタル今日文明ノ進歩世界デワ月ニロケットデ行ケルノモ夢デハナイヨウニ発達シタル時

和石部落デモ公衆電ノ必要サニ迫ラレソノ架設ニトリカヽリ区長乃委員ハ部落内ノ団結慰撫ニモヨク克服シ関係当局トノ接渉ニモ努力シタノデアリマス

部落ノ誠意ハ関係当局ニモヨク認識ヲ得テ本工事ニ対シ全巾ノ援助ヲ与エラレ全額補助ニテ昭和三十五年三月公衆電話ノ架設ニ成功シタノデアリマス

吾等ノ宿望ハ電燈電話ノ達成ヲ見文明ノ恩恵ニ欲セル生活ヲ営ニイタレリ部落民一同ノ歓喜ハ筆舌ニ尽シガタク画期的一大事業ニハ記念碑ヲ建立シテ事業関係委員ノ功績ニ報ヒ又本工事ノ様相ヲ後世ニ伝エ後輩ノ資料タラシメントス

昭和三十六年四月二十日建立 二見武則 記識


『日向地誌』

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