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ふたりの距離感|ことばだね002

何を読んでも、あなたが出てくる。
愛の一冊フェア
発見。
角川文庫|細川美和子 倉成英俊|2008

「月がきれいですね。」
というと、今では夏目漱石ですっかりおなじみだ。“I Love You.” をこう翻訳したといううわさだ。

そこで、この帯にちょこんと書かれているキャッチコピー。愛の一冊フェア。おそらく角川文庫の恋愛小説キャンペーンで使われたのだろう。

まさに、現代版の夏目漱石。
こんなことを言われたら絶対にドキッとしてしまう。一緒に本屋に行ったときだろうか。それとも近所の図書館に行ったときだろうか。なんてことも考えてしまった。

①二人称
②感情比喩

直接相手に話しかけるような、
感情が溢れ出しそうな、
そんなイメージが素直に浮かんでくる。

そしてその前提には、小説の「想像性」の発見がある。演じる役者のイメージが強くなる映画と比べると、小説と音楽は最も「恋する人」が出てくるメディアかもしれない。

恋愛小説というものがもっとも輝く瞬間は、
恋するふたりの間にあるときなのではと思えてならない、恋愛小説と恋するふたりの絶妙な距離感がたまらない。

角川文庫|細川美和子 倉成英俊|2008

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