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大人=成長?|ことばだね006

いろいろ奪うと、大人ができる。
東芝EMI|前田知巳|1995

歳を取るにつれて、増えていくことは多い。年齢、身長と体重(二十歳くらいまでだけど)、それに知識と経験、などなど。

それじゃあ、減っていくことはなんなんだろう。上に挙げたものは、健康に生きていればあまり減るものではないと思う。

失うものはあるかもしれない。純粋さ、好奇心がそれにあたるだろう。知識や経験が増えていくにつれて、たしかな根拠や合理性に基づいて判断していくことが増えていく。

①擬人法
②客体(客観)

「いろいろ失って、大人になる。」

結果として見ると似ている。しかし、「失う」という言葉と「奪う」という言葉を比べてみると、視点が異なるように思える。

「失う」という言葉には意志を感じない。体力を失うや筋力を失うというのは、時間や環境の影響を感じる。

一方、「奪う」という言葉には意志を感じる。反対に言うと、子どものような純粋さを持ち続けるには、奪われないという意志が必要だ、という力強さが見える。

大人が「できる」というと、ものをつくるようなイメージが浮かんでくる。ここでも意志の介在がポイントになるように見える。不要な純粋さを奪うことで大人が完成していくような。

なんとなく、忌野清志郎の姿と言葉のイメージが重なるような気がした。

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