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【ショートショート】欲張りな犬 AIが作った物語がおもしろい

こんばんは。今日も一日お疲れ様です。

いつもたくさんの方に見ていただけて嬉しい限りです。

今回は、昔話シリーズを持ってきました。
冷たい飲み物でも飲みながらゆっくり読んでくださいね。




田舎の小さな村に、二匹の犬が住んでいました。一匹は右目の周りが黒く、もう一匹は左目の周りが黒い、よく似た斑模様を持っていました。彼らは親友であり、いつも一緒に冒険をしていました。

片方の犬は負けず嫌いで、川で遊べば大きな魚を獲り自慢し、かけっこをすれば振り返りもせず猛突進。喧嘩も負ける事はありませんでした。

もう片方の犬は負ける事を何とも思いませんでした。友人が大好きで、勝った時の自慢げな顔、嬉しそうな顔を見る事が好きでした。

彼らはいつも一緒に広い草原を駆け回り、木々の間を楽しく飛び跳ねていました。彼らの笑い声が風に乗って広がりました。


しかし、突然の別れが二匹の犬に訪れます。
あんなにも負けず嫌いな犬が病気で倒れてしまったのです。
最後まで笑って強がっていましたが病には勝てませんでした。

友人を看取ったもう一匹の犬は、幾日も側に寄り添いましたが立ち上がり歩き出しました。

ゆっくりとゆっくりと歩きました。
顔をかすめる草木、花の匂い、通り過ぎる風にも気付かず歩きました。

途中、哀れに思った老人が肉を与えました。
お腹の空いた犬は肉を咥えますが食べません。



肉を咥えた犬は橋を渡りました。
ふと下を見ると、そこはよく遊んだ川でした。
その川には肉を咥えた犬が映っています。

大きな肉を咥える犬がゆらゆらと揺れています。
その犬は、どこか欲張りで自慢げにも見えます。

思わず「ワン。」と吠えました。


その途端、咥えていた肉はポチャンと川の中に落ちてしまいました。
波紋で顔は歪み次第に川に溶け込んでいきました。




犬はもう一度「ワン。」と吠えました。



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