裸形の排中律、論理の解剖学。入不二基義哲学。それか、それの否定か。
存在が思考から逸脱する。
何かしらのものごとを考える。青く透明な水の中で、緑の風に騒めく葉と葉が擦れ合う間で、鉄が燃えプラスチックとガラスが柔らかく形を変えてゆく空の無い空間の中で、光と影の間で、沈黙と音の間で、静止と動きの間で。
あれこれの中から、これとあれが取り出され、これかあれか、二つにひとつが選ばれ、ひとつが残り、ひとつが捨てられる。残ったひとつがひとつのまま、そこにある。ひとつがひとつのまま。じっとしている。動くことなく割れることなくひとつが、ひとつのまま、二つになることなく、そこにある。