マガジンのカバー画像

小説について、あるいは、物語の言葉たちについて

18
小説について。小説という言葉たちが放つその美しさと残酷さ。物語をなぜ人間が求めてやまないのか? その理由。小説でしか辿り着くことのできない場所の光と音についての文章。
運営しているクリエイター

#書評note

燃焼する垂直の言葉/音楽。螺旋形の階梯を、生成する白い光の言葉、あるいは、四方田…

/2023/8/24/19:17/ /書かれてはいけないこと、書いてはいけないこと/燃焼する螺旋形の階梯と…

千葉雅也「エレクトリック/〈電子感覚〉の氾濫する電気仕掛けの宇宙/ 非存在と存在が…

/革命前夜、その光景について/ /あるいは、現在の時間の中で哲学を行うこと、哲学者であること…

目をあけてごらん、離陸するから/Open Your Eyes, We're About to Take Off//大崎清夏…

2022が終わろうとしている。最後の月、12番目の月が始まり、それもまた終わろうとしている。誰…

「われら闇より天を見る(We Begin at the End)」/13歳/聖なる無法者にして守護者の…

涙よ、邪魔をするな、涙よ、止まれ、涙よ、わたしが小説を前に進めることをさまたげないでおく…

完璧な文章/「風の歌を聴け」村上春樹/あるいは、手作りの散文図鑑://引用の餛飩(ワ…

No.1:真ん中に一本の線が引かれたノートの右側と左側/ノートの上に昼と夜の時間が流れ、音楽/…

古川日出男「曼陀羅華X」自家製の雑草図鑑を盾として、あるいは、歌え!長編小説の形…

自家製の雑草図鑑を盾としてレインコート派の父子と犬が静かなる東京で、戦う/父と母と子の…

「クララとお日さま」カズオ・イシグロ わたしたちは〈クララ〉を見つけ出し、救出しなければならない

No1:それは悲しみではない。それは痛みだ。 それは悲しみではない。それは痛みだ。 カズオ・イシグロのその小説がそれを読み終えた者へもたらすもの。それを仮に、美しさと呼ぶならば、その美しさを、言い表し形容し物語る言葉は、どのような言葉が最も相応しいのだろうか。そのことに思いを巡らせる度に、私は深い沈黙の中に溶けるように揺蕩うことになる。そして、私が辿り着く場所には、いつも、この言葉が残されている。 〈それは悲しみではない。それは痛みだ。〉 透明な悲しみに彩られた繊細な

「テスカトリポカ」、善人が眠り暴力が美しさを放つ時

前置きも能書きも断わりもサジェスチョンも予告編も全部いらない。下らない理屈と理由と言い訳…