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大人の読書感想文:GE帝国盛衰史

今回、ほっっっっんとに、感情移入できませんでした。苦笑
確かに、この本では普段見ること、知ることができない超巨大コングロマリット企業の中身を知ることができるし、その栄枯盛衰の物語を知ることができました。

でもね。どうしても「自分事」として咀嚼できない内容だったんですよ。なので、今回の感想文は、この書籍自体ではなく、「巨大企業」に対しての感想文になるかもしれません。

てなことで、概要はコチラで、、、(笑)


まず、この本、ジャック・ウェルチ、ジェフ・イメルト、ジョン・フラナリー、ローレンス・カルプという歴代のCEOがメインの登場人物です。

そう、超巨大コングロマリット・ゼネラルエレクトリックという会社の経営トップが何を考え、どう行動し、そして、以下に次世代に経営を託していったか?という物語です。

でも、個人としては1mmも感情移入できませんでした。(ちょっと盛ったかもしれないけどwww)なぜならば、ここに出てくる歴代のCEOのストーリーには、ほとんど顧客も従業員も出てこず、出てくるのは株主や国家だけ!

そう、このGEという巨大企業の見ている先は、すべて株価だけ、ということがわかりやすいくらい、明確なストーリーなんです。

ちょっとだけ、従業員に関しては出てきますが、どちらかというと、「従業員は守るもの」みたいな文脈だけで、「従業員は一緒に企業運営をする仲間」という感じじゃないんです。

まぁ、ジャックウェルチが「No.1かNo.2以外の事業はやらない」などと言っても、それでも信じられないくらいの事業数があったのだから、しょうがない、といえば、しょうがないでしょうね。

逆に言うと、そこまで事業数があったにも関わらず、事業同士でシナジー効果もないのに「巨大企業GE」という旗印の元に集まっているだけで、そこに「顧客」の顔が見えていない気がしました。


振り返って、会社という組織を考えると、本当に「でっかいことは良い事だ」と言えるのでしょうか?

資金繰り、間接部門の共有化、世間からの信頼度、等々、、、そりゃ企業規模が大きい方が有利な面が多いでしょう。でも、大きくなればなるほど、組織は肥大化し、経営と現場の距離が開いてしまい、経営判断に本当に必要な「現場の肌感」から遠のいてしまう感じがしました。

自分自身が超巨大企業に勤めているわけでもなく、経営者をしたことは無いのですが、いろいろな企業ストーリー本(主に日本企業ですが)だと、経営者の苦悩とか、保守的な従業員との軋轢とか、顧客価値の再定義とか、、、なんか、私のような人間でも感情移入できる「胸熱ストーリー」があるんですが、この本にソコは期待しちゃいけません。

どちらかというと、社内の出世競争とか、株価への一喜一憂など、「会社の中で生きることを決めた人」には、すごく役に立つ本だと思います。

で、私個人はどうか?と問われると、「組織の中で生きる」を第一優先に残りの人生を過ごしたくないかな~。どちらかというと、「世のため人のために生きたい」と思いますね。

確かに大企業は多くの雇用も生み出しているし、世の中に出しているサービスの量も多いでしょう。でも、その運営で「現場が見えていない」というのは、個人的には、なんだか「ケツのすわりが悪い」って感じですね。

と、いうことで、かなりネガティブな感想になりましたが、大企業の経営者が何を考え、何に優先度をもって経営しているのか?を知りたい人、そして、同じように大企業の中で生きることを決めた人には参考になる本だと思います。

対極にいるフリーランスの人は、近所の図書館で入荷したら読んだら面白いかも、、、(買うまでじゃない)


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