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大人の読書感想文:TTPSマネジメント

この本、題名からして読む人を選ぶ本ですが、企業に属するビジネスパーソンであるなら、一度は読んでおいたほうが良いと感じました。

あ、でも私のnoteは書籍概要のまとめではないので、概要がみたい方はいつものようにコチラを参照してくださいね。(決してflierの回し者ではないのですが、ココが一番充実しているので、、、www)

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さて、肝心の本の感想ですが、最初っから苦言を呈してしまいますが、『内容が簡潔すぎてクドい!』です。

「内容が簡潔だからわかりやすくてイイじゃん」という意見もあるかと思いますが、書籍にすると、その簡潔さが仇となり、どうしても読みにくい書籍になっちゃうんですよね。。。

内容的にはパワポのプレゼンにしたり、イベント等で話されると「おぉ!」ってなる感じなんですけど、書籍にしちゃうと「言いたいこと」がシンプル過ぎて、何度も繰り返しの文章構成になっちゃうんですよね。なんと言うか、書籍の中に「余白的な無駄」がない、完璧なビジネス書って感じなのです。

まさに、良い意味でも悪い意味でも「リクルートっぽい」って感じですね。限られた時間でもっとも効率的に人を動かすためのエッセンスを更に濃縮させて、これだけ読めば大丈夫!みたいな本、例えるならドラゴンボールに出てくる仙豆みたいなもんですかね。(分かる人だけ分かってください。)

せっかくお金をだして購入した本なので、「余白的な無駄」も上手く演出して書いていただけると、読み手側も読みやすくなるかな?と感じました。そうまさに仙豆でお腹いっぱいになるのではなく、きちんとしたコース料理で感動を得たいという感覚です。

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なんで、初っ端から「読み手側視線」のコメントをしたかというと、この本を本当に読んでほしい人は、いわゆる「できる組織」ではなく「できない組織」に属している人だからです。(あくまで筆者ではなく、私が読んでもらいたい人、ですが)

この本の主軸が武道でいうところの「守破離」なんです。で、「できない組織」って、この【守】が出来てもいないのに、独自色を出したり、自分たちのやり方に拘ったりするので、「できない組織」になってしまうんだと思うんです。

企業の中には「現業部門」として他社との差別化を図らなければならない部署の他に、「間接部門」として現業部門を支える部署があります。

現業部門は「守破離」の【離】まで行って、その事業を顧客価値創造まで上げていけばいい。ただ、間接部門にまで【離】までが必要なのか?私は間接部門は、まずは【守】をきちんとこなすこと。それこそが、現業部門へのリソース配分を適切に行うことになり、ひいては企業の強みになると感じてます。

こちらの書籍はリクルートでの事例を多く記載していますが、そもそもリクルートは他社に比べて「間接部門比率」が低い、筋肉質な会社です。(リクルートマフィアと呼ばれるくらい優良な人材を出しまくってますからね。)

そんなリクルートだからこそ、【離】まで達成できるのですが、多くの会社は【守】すら十分に出来ているとは言えないと思います。なので、全体として、もっと【守】の重要性を説いて、その次の段階の【破】があって、全く別次元に飛び立つための【離】があると、ストーリーで語ってほしかったな。。。と一読者としては思いました。

人は事実だけで心が動かされず、ストーリーによって「なるほどそうか!」と腹落ちし、行動に移しますが、要点だけだと「中途半端にパクる」が横行しそうな感じを受けます。

まさにTTPは「徹底的にパクる」であって、「中途半端にパクる」ではないですからね。「徹底的」にやることが肝要だと思ってます。

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もちろん、間接部門であっても、【離】まで達成し、そのノウハウを外販することは可能ですし、本来企業ってそういうもんだと思います。

でも、いちばん重要なのは【守】の部分、ここをまずは徹底的に行い、自組織の「基礎体力」を上げていくことで、日本企業の底力が向上すると信じています。

なので、多くのビジネスパーソンに、この本を読んでほしいな〜、そして、他社の良いところを学び合ってほしい、と願うばかりです。







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