大人の読書感想文:社員ファースト経営
いつもの通りの読書感想文です。
内容にはあまり触れませんが、その概要は著者の白川さんのブログを見ればわかりますので下記リンクをご参考ください。
ここでは、私が本を読んで感じたことを本の内容とは全く関係なく書き散らして行きますので、ご了承ください。(特に今回は書き散らし感が半端ない!)
ちなみに珍しく自宅ではなくカフェで書いてます。(9月中旬だと言うのに西日が暑すぎ問題、、、)
まず、この本以外でもそうですが、本、特に良書と言われる本には「正解」が書いてありません。書いてあるのは「問い」だけです。
だけども、書店に行って目立つ場所においてあるのは「◯◯をすればうまいく」とか「できるビジネスパーソンが行っている◯◯の秘訣」などと、さもこれだけやれば大丈夫!みたいな書籍ばかりです。
でも、実際の生活の場、ビジネスの場において、バックグラウンドが同じなんと事はまずあり得ません。それでも、色んなビジネスパーソンは「答え」を求めて彷徨い、色んな出版社は「答え」があるかのように吹聴し、悪いコンサルタントは「答え」らしきものをパッケージ化して売りつけて、責任を取りません。(おっと、最後の方は毒を吐きすぎましたw)
そしてこの本には「答え」は一切書いてありません。書いてあるのは「ケンブリッジではどうやった」という実例と、そこから導き出した「良質な問い」です。
前者の方は「ケンブリッジさんだからできるんでしょ」ではなく、それを実現せざる得なかった背景や、その思想に行き着いたプロセスが丁寧に書かれています。
そして、後者は、上記のプロセスの結果の社員ファースト経営について、「御社の場合はどうですか?」という問いを何回も読者に問いかけてきているのです。(直接的ではなく、間接的な表現も含めて)
この「問い」が本当に「良質」なんです。
「良質な問い」って抽象度が高いですが、「通常の問い」とは異なると、私は定義しています。(人によって定義は異なるでしょうけど)
そして、「良質な問い」というのは、自分一人では成立しない、と私は思っています。おそらく、これはどんな「識者」と言われる人でも「プロ経営者」と言われる人でもできない。と断言してしまってもいいでしょう。(自分自身はそんなレベルに無いけれども、上から目線でゴメンナサイ、、、苦笑)
なぜならば、「問い」は自分自身の中で浮かび上がったものを「客観的」に見ることができないと、「問い」が「良質な問い」に昇華できないだろう、考えているからです。
「問い」は誰でも立てることはできます。(普通のビジネスパーソンであれば。。。)ただ、その問いは「自分」というかなり偏った一方向からの見え方でしかありません。
それを「良質な問い」に昇華させるためには、私は自分軸だけでなく、他人軸が必要ではないか?と思うんです。
つまり、どんな聡明な人であっても、自分というフィルターを無視して考えることはできない。だからこそ、他人といフィルターは必要なんじゃないかと思うのです。
この多面的に「問い」を見直す、という行為は対話の中でしか発生しないのだと思っていましたが、この本では、ケンブリッジという会社が社員ファースト経営に向かっている様を現在進行形で余す事なく伝え、そのプロセスを開示した上で、「で、あなたはどう思うの?どう行動するの?」を繰り返し対話しているように感じるんです。
この一方通行ではあるもの、対話に似た記述方法は、白川さん自身がファシリテーションがやり慣れているから、という経験もあるのでしょうけど、コロナ禍で対面ではなく、Web会議で行うことも増えているし、ウェビナーなどで、一方通行なコミュニケーションであっても聴衆側に考えさせるコンテンツを発信し続けてきた結果なのではないか?と白川さんのファンの一人として勝手に思い込んでます。
おそらく、多くの会社員にとって、この「社員ファースト経営」は魅力的に映りますが、書籍の中に書いてある通り、実際に中に入ってみると、辛い部分もあるでしょう。(特に自律&自立ができない人には地獄かと思う)
思った以上に「人のせいにして逃げる」って居心地がいいし、自尊心を傷つけずに済むんですよね〜。それでいて、居酒屋で愚痴をこぼしている程度じゃクビになることもない。
それでもなお、やはり生きているからには、生活の大半を過ごす「仕事」という面で妥協したくないし、出来ることなら、自分の働きが世間様に還元できるほうが良い。
そう考えていくと、今いる自分の居場所(私の場合は大企業の中の一従業員だけど)で何をするか?を考えちゃうし、もうちょっと考えると、自分のスキルとセンスと経験で、世間様に還元できる最大価値ってなんだろう?と考え始めてる。
これはおそらく「社員ファースト経営をやってるケンブリッジかっこいい〜!転職して〜!」なんて単純なものではなく、この本をちゃんと読んで、自分自身で納得し、今いる場所で最大限のトライをしてみて、それでもなお、ダメだった場合に「自分の居場所を再確認してみれば?」という「問い」を読者に与えているような気がしました。
さて、あなたはこの本を読んで、どんな「問い」を自分の中に見つけますでしょうか?
全てのビジネスパーソンに「自分の仕事とは?」に対して「良質な問い」を与えてくれる本だと思います。
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