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大人の読書感想文:イノベーションの競争戦略

まだ出版されたばかりなので、flierでも概要がまとまっていませんが、内田先生の本ですから、近いうちにキチンと概要をまとめてくれる人は出てくるでしょう。

でも、私の場合は読書感想文、思ったことを書いちゃいます。そして、内田先生は「組織」という視点で色々な物事を分析するのでしょうけど、そこに対して私は「働く一個人」という目線で、本書を読んだ感想を書いていこうと思います。

(修正)すでに読まれている方も多いようですね。


今回、私が本書を見たときの気づきは、大きく2点です。
一つ目は、本書にあるイノベーションの理論を応用すると「企業の中の行動変容を変えるのは、案外簡単なんじゃね?」という事。
二つ目は、インベンション(発明)とイノベーション(行動変容)は書籍にあるように同一企業である必要もないけど、「重要なのは個の繋がりなんじゃね?」というう事です。

順を追って、自分の考えをつらつら書きたいと思います。


一つ目、本書の中では、イノベーションとは「顧客の行動変容」である。としてます。まぁ、ここまでイノベーションが紙上に溢れる時代に、イノベーションを技術革新と読み違えるようなビジネスパーソンはいないでしょうけど、その先の曖昧模糊としてた「イノベーション」を日本語として「顧客の行動変容」と表したのは非常にわかりやすく、しっくりきました。

細かい部分は省きますが、iPhoneは最新技術の粋を集めたタッチ式の携帯電話だったわけではなく、最初は既存技術の寄せ集めでした。(しかも初期のiOSはよくダウンしていたし、、、iPhone3Gから所持していた私からすると今のiPhoneは感涙物の安定度です。)

ただ、それが起点となり、今では生活スタイル自体が変わってしまっています。つまり、技術が重要なのではなく、行動変容が重要だ、という事です。しかも、スマホは正に、生活の中心に位置してしまい、昔だったら日曜日の夕方は家族そろってサザエさんでも見ている時間帯でしたが、このデバイスのおかげで、各自で各々の時間を過ごしているし、下手したら書籍を買わずにブログばかり見る、、、なんて生活そのものの変化を起こしています。

このように、イノベーションの最終ゴールが「顧客の行動変容」だとしたら、このロジックを「企業の中での従業員の行動変容」に応用した場合、イノベーションのトライアングル(技術革新・社会構造・心理変化)をうまくコントロールすることで、行動変容に結び付けられるかな?と思ったんです。
(このあたりの詳細は本書を読まないと分からないと思いますので、まだ読んでいない方は無視してください。)

どの企業も「従業員にもっと自己啓発してほしい」とか「組織の壁を壊してコミュニケーションをとってほしい」などの期待があるのですが、実際にやれることととしては、セミナー費の上限を上げたり、人事制度を改革したりする程度でしょう。でも、それでは「外的要因」であり「避けることができる施策」になります。

そこで、私はこの「イノベーションのトライアングル」をうまく使い、「〇〇せざる得ない状況」を作り出すことができれば、最初の一歩の行動変容を起こすことができ、その最初の一歩が動くからこそ、次に動きやすくなる。そして、計画だった行動変容に向かわせることができるんじゃないのかな?と思ってます。

ぶっちゃけ、社員の行動を変えるために社内研修を行うような企業が多いと思うのですが、正直、「研修」という外的要因では変わりません。その後にレポート提出を要求したって、テキトーに書くだけです。(あ、みんなは真面目に書いているのかな?私は書いてないです。www)

それだったら、自己啓発を進めるなら、社内でNewsPicksの法人版を契約してみる、とか、社内の壁を壊すなら、社内SNSを導入してみるとか、、、
妙な研修でマインドを変えることなんかよりも、「まずは世間でやっているツールを導入してみる」これでも、かなりの行動変容のきっかけになると思います。

つまり、行動変容のきっかけは「とりあえず動く/動かす」ここに尽きるんじゃないかな?と私は感じました。


もう一つの見方が、「企業同士の繋がりよりも個々の繋がりがイノベーションを生むのでは?」という見方です。

イノベーションの文脈だと、「Appleが」とか「Amazonが」という主語は出てくるんですが、その企業はあくまで人の集合体の仮想人格、Appleという企業が何らかの仕組みを作ったわけじゃない。そこにいる人が紡いだ結果がイノベーションだと思うんです。

そこで行くと、googleなんかが自社で一から起こしたイノベーションは検索と広告ビジネスくらいだ、なんて言われているそうです。

つまり、イノベーションは1社で完結するものではなく、昨今では買収で進むものも多いそうです。

で、私は思うんです。「企業買収したって、その中の人が逃げたら、その次につながらないじゃないか?」って、、、

ほかの記事で読んだのですが、YoutubeでもAndroidでも、googleに買収されてから、仕事がつまらなく成なって辞めなかったのか?と元社員に聞いたらしいのですが、「そんな事は全くない。むしろ楽しく仕事ができている」と、、、

もちろん、企業として資金がたくさんあるので、企業を買収できますが、その中で働いているのは人、やはり人が一番重要なのでは?と私は思います。

イノベーションの色んなフェーズがあり、そのフェーズごとに多種多様な人材が必要なはず。一人でインベンションから、イノベーションまで連続でできるような人は稀有だし、色んな人がいるからこそ、仕事はできるし、人類は新たなイノベーションが生み出せると思うんです。

そして、今の時代は「会社の中だけで多様性を持つ必要はない」とも思います。なぜなら、以前だったら知り合うまでに必要だったコストがSNSというイノベーションのおかげで限りなくゼロになっている。これを使えば、企業の枠を超えた繋がりなんて簡単に構築できてしまう。

この項の最初に戻りますが、イノベーションの主語として「Appleが」とか「Amazonが」というわけではなく、「ジョブズが」とか「ジョフベゾスが」なんて一人の人間で語られることもない。そこには無数の名もなき人が連なって「イノベーション」が日々、紡ぎだされているのであろう、と私は考えてます。


先ほど読み終えたばかりで、頭の中はまだ整理がついてはいませんが、とりあえず、読みながら感じた私の想いは吐き出してみました。

MBA Essentialsの方々とは読書会を行う予定ですが、この書籍は色んな人と「読んだ後、自分は何を思ったか?」の意見交換会を開いてみたいな~と思いました。

それぐらい、ビジネスを多方面から考えるきっかけをくれる本です。全ビジネスパーソン必読です!


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