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大人の読書感想文:組織は「言葉」から変わる。

これ、会社組織のインナーブランディングの本ではありますが、仕事をしている全ての人(フリーランスだろうが、公務員だろうが、パラレルワーカーだろうが)に読んで欲しい!!と思う本でした。

本の中身としてはストーリー調になったビジネス書です。なんとなく三枝匡さんの「V字回復の経営」とか、稲田将人さんの「経営参謀」「戦略参謀」みたいな感じです。(池井戸潤さんのような小説に全振りしたようなものではありません。)

こういうストーリー調のビジネス書の良いところは、自分が知ったかぶりをして読む必要がなく、主人公になったつもりで読む進められるのが利点ですね。読み終わって、言葉の定義をわかった上でもう一度読む。そうすると、今まで見えてこなかった世界が見えてくる。そして三度目読み返すと、自分の中で著者とは違う意見が湧いて出てくる。。。

そんな何度でも楽しめる作風になっていますので、間違っても読み終わってスグにブックオフに売りに出しちゃダメですよ~。

さて、本の中身に入ります。

我々ビジネスパーソンにとって「仕事とは?」って普遍的な問いだと思うんです。こういう話のときって、よく聞く三人のレンガ職人のお話がありますよね?

あれはあくまで個人ベースでのお話。じゃ、企業としては三人目のレンガ職人になるように従業員をどうやって意識付けさせていくか?という問題になるんですよね~。

そもそも、一人目と二人目のレンガ職人なら作るものが教会だろうが、城壁だろうが、橋だって、なんでも構わない。だって構造物は目的ではないから。

でも三人目はちがう、目的が教会をたてる事なのか、橋を作る事なのかによって、心持が変わってきちゃうのだから。。。

こちらの書籍でも、そのあたりはキチンとストーリーが作られていて、インナーブランディングが確立されていく事で、曖昧模糊な社是から、明確化されたミッション・ビジョン・バリューに変革する中で、会社を去る人間もいることをキチンと描き出しています。(ストーリー的には若干異なるけど、ま、いいか。。。)

今までの仕事は「従属的」であった方が会社も個人も幸せだったのかも知れませんが、今後のビジネス環境は、それでは企業も個人も「能動的」に動く必要が出てくるでしょう。

だって、従属的な仕事はペーパーレス化やロボット化で片付くところが多いですから、、、よく巷で言われる「AIに奪われない職種」って、すべて人間自身が自分の感性で判断する必要がある職種ばかりなんですよね。そうなると、働く人間はすべからく、「能動的」を求められるようになると思います。

この本では未来をそこまで悲観的には描写してはいませんが、できる限り多くのビジネスパーソンにこの本を読んでいただき、自ら能動的に動いてほしいと望むばかりです。


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