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水処理から学んだビジネス基礎

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水処理業界にいながら異業種転職した経験から、この業界を舞台に、どんな業界でも通じそうなビジネス基礎として感じたことを書き記しておきました。
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2021年7月の記事一覧

水処理と私

Swimmerです。 はじめに20年間勤めていた水処理業界から異業種転職することになりました。水処理業界からは本当に多くのことを学ぶことができました。今後の活動のためにも、20年間学んだことを記事にして保存しておこうと思い立ちました。 こういった業界モノの、実務に則した技術紹介はWebに情報があふれているので、ここではもう少し俯瞰的に業務を見た観点からこの業界について書き記しておこうと思ってます。異業種に転職できた知識と経験の、源泉たちです。水処理と~と題名を打ってますが

水処理と技術営業/概要

水処理産業はよくニッチな産業と言われます。でも、このニッチな産業に身を置いていると、その中でもいろいろな種類があることに気づかされます。それぞれに特徴があって、最適な仕事のやり方も違うんです。 「仕事のやり方が違うんだろうな」という観点で、水処理産業を分類してみました。 1.官公庁向け巨大水処理プラント納入 公正公平、技術とコストの信頼安全にさらに公共性をもった仕様が特徴。この特殊とも言える仕様を如何に理解しているかが、仕事をこなしていく中で非常に重要。 2.民間向け

水処理と技術営業/巨大プロジェクト編

水処理の分野の営業さんは、いわゆる技術営業というものに該当することになります。こちらの記事でご紹介した分野毎に、営業の仕方や仕事の仕方がどう違うのか?を経験と知見を基に解説してみました。 1.官公庁向け巨大水処理プラント納入この分野は自らの経験でないのですが、見知った限りで記述します。官公庁向けというと、浄水場や下水処理場などが該当していきます。発電所も水処理が必要でよく該当し、発電タービンを回すための水や排水処理などがあります。仕事の規模も非常に大きい傾向があります。

水処理と設計

営業は取ってきた仕事の質と量で評価されます。営業をサポートしてシステム設計をしたエンジニアも同じように評価されるでしょう。努力がお金に変わる時です。では、営業が取ってきた仕事を図面により具現化していく設計は、どのように評価されるのしょうか? 設計の評価は、できて当たり前の減点方式です。不具合を起こさず、予算の範囲内で制作できる図面を仕上げていく。予算内にできなければ営業から文句を言われ、不具合やミスを起こせば工事試運転から怒涛の突き上げ。それを当たり前のように数多くこなして

水処理と購買

購買の実務的スタンスについては、「水処理と協力会社」の中で紹介しました。ここでは、購買業務について、それ以外の部分を私の経験を元に記述しています。 1.安いって何ですか?「これは高い」「これは安い」と言っているとき、間違いなくある基準で判断しています。その基準って何でしょうか?結構な割合で「経験による」なんていう答えが返ってきそうです。ではその経験によると、いくらが標準なのでしょう? モノの価値を判断する時は基準を明確にする必要があります。その基準が「合っているか間違えて

水処理と協力会社

今回は、この記事で示したいろいろな水処理の種類の中でも、プラント建設などのプロジェクトもので多く使われる「協力会社」についてのお話しです。水処理、というよりは、プロジェクトと協力会社、という内容です。協力会社と上手に付き合う私の経験を紹介します。 水処理プラントを建設するためには、一社だけで完結することはほぼ不可能です。そこで、いわゆる下請け=協力会社が登場してきます。Googleで「下請け 協力会社」で検索すると情報がでています。この二つの言葉の意味は同じで、単純に「下請

水処理と新技術

どんな技術も同じですが、今現在、ほとんどの技術の基礎要素はすでに確立されています。水処理でいえば、分離して精製する、という部分です。古代ローマや古代エジプトの時代にはすでにこの部分を生かした基礎技術により、水処理設備が作られてきました。そのような中で求めていく今の時代の新技術とは、基礎要素を十分に理解した上での発展のさせ方により生み出されていくものと理解しています。 水処理の新技術誕生までのポイントを整理しましょう。 1.基礎研究と応用研究基礎研究という意味が未知の技術要