多分わかったこと
このnoteには、私がノンバイナリーらしいことに気付いた後の感じ方や考え方の移り変わりが綴られている。一つ一つはそれほど深くは練られていない雑な記事ばかりだが、読み返してみると、思いのほか変化し続けていることがわかる。
一度気付いてしまうと、自分は本当にノンバイナリーあるいはトランスジェンダー?、それともやっぱり違う?で悩んだ。そうだと思う気持ちと、否定する気持ち。その比率は、常に変わり続けた。
パーツたちの存在に気付いて解離性障害らしいことがわかってからは、ノンバイナリー/トランスジェンダーが先か、解離性障害が先かについても考えていた。そして、おそらく解離性障害が先なのだろうという結論になった。断定するつもりはなくて、あくまでも自分のなかでの暫定。ちなみに、今この文章を書いているときの心の声は男性である。
結論を出すために、ChatGPT-4oが役に立った。もっともChatGPTの回答を盲目的に信用したわけではなくて、これまで蓄積してきた情報をベースに異なる観点から複数の質問をし、得られた回答群から最も高い可能性を導き出した。どうやら私はいろいろな点で「普通の」範囲から外れているようだが、外れている人たちの平均からはさほど離れていないだろうという期待も込められている。
その後で、最終的な結論を出す前に、仮に今、この瞬間に自分が異性になったとしたら、どういう人(架空の人物を含む)になりたいかということを真剣に考えた。
出てきた答えは、以前、推しの人として記事に書いたキャサリン・スタンディッシュ(ドラマ「窓際のスパイ」の登場人物)だった。リンク先の真ん中あたりにスタンディッシュの画像があります(※リンク先を変更しました)。
別に白人になりたいわけではなくて、スタンディッシュのように賢く、強く、優しい(ついでに言うとチェスの強い)人になりたいように思えた(リンク先の記事には"she has an emotional intelligence"とあるが、まさにそういう人になりたい)。彼女の年齢は自分の実年齢の一回り上だが、異性になるからといって別に若い人になりたいわけではないので、何も問題ない。年齢を気にする人が多そうなので、一応書いておく。
そして、私がなりたい人は、実は、私の中にいるパーツたちと同じであることがわかった。特に、まりとみかんに。
それが何を意味しているかは、自分の中ですぐに腑に落ちた。
ーーおそらくは解離が先ーー
自分の身体に対して変わり続ける感覚、例えば外性器を切り落としたい感覚を覚えるときや、思春期から持ち続けている少し膨らんだ胸(女性化乳房と言われる症状で、おそらくは遺伝子の変異が原因)を大切に思う気持ちが、ひなたさんやまりたちに由来するものであるらしいこととも一致している。
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結論を出した後、noteのプロフィールからは、言葉「ノンバイナリー」を削除した。
ノンバイナリーでないとは思っていない。そもそもバイナリーだとは思っていないし、バイナリーの島にはいたくない。たくさんの人がひしめくバイナリーの小さな2つの島の間にある広く透明で暖かで心地よい水の領域、私はそこで泳ぎ、浮かび、潜り続けたい。
でも、私の記事を読んだ第三者によって、ノンバイナリー/トランスジェンダーと解離性障害が深く関連していると誤解されるのは本意ではない。生得的にノンバイナリー/トランスジェンダーの人にとっては迷惑だろう。
なのでもう私は、ノンバイナリーを名乗らないことにする。名乗るかどうかは、私が私であることと本質的には何も関係しない。それでも、隠れていたり不可視化されている彼らが困っているときは、彼らの側に立つだろう。