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小説◆猫がみた夢は…

▪まえがき▪
この作品は私がたぶん中学2年生の時に書いた作品になります。

今日は猫の日なので、タイトル的にもちょうど良いかとは思いましたが、まあ、子供の作品なので拙い箇所満載なのですが、原文まんまで載せますので広い心で読んでやって下さいませ(^_^ゞ

◆◆◆◆◆◆◆

◈夢の中で…


「にゃーお、にゃーお、にゃ―………」
"ご主人さま、何処、何処にいるの?ご主人さまぁ"



私は必死に叫んでいた、風の中で必死に叫んでいた。

「夢…だったのか」

窓が開けっぱなしになっていた。

レースのカーテンが、風に舞う。

私の目には涙がたまっていた。

"愛しい"そんな思いが心の中にずんずん積もっていく、訳が分からない。

「そっか、星をみているうちに眠ってしまったんだ」

"星空"それはとても怖い、吸い込まれてしまいそうで怖い、何処か遠くへ飛ばされてしまいそうで怖い。

"風"それはとても悲しい、悲しすぎる。

理由わけが分からない、胸が痛い、たまらなく痛い、何かが私の心を動かしてる。

『何かっ…て一体何、なんなの?』
いつもその事で頭がいっぱいになる。

『どうしてこんな想いが胸の中に走るの?どうして、どうしてなの!?"ご主人さま"って一体誰なの、どうして逢えないの、どうして探さなきゃいけないの!?』



不思議があり過ぎて分からない。

でも、この事は私にとって、とてもとても大事なことのようだった。

絶対に忘れてはいけない想いのようだった。


◈猫の気持ち


私、上原梢うえはらしょうは、友達のなっちゃんと一緒に今日あったつまらない出来事をいかにも退屈そうにしゃべり、学校から家に帰る所だった。

公園を通って近道をしようとなっちゃんが言ったので、公園を歩く事にした。

…と、その時、木の影から真っ白なものが飛び出して来た。

よく見ると、それは真っ白な毛の猫だった。

「わー、かわい~♡」

なっちゃんはすぐにその猫の頭を撫で始めた。

本当にかわいい。目の色は淡い青でとても澄んでいる。

「にゃー、にゃぁ……」

「声までかわい~」

「ねえ、なっちゃん、この猫おなか空いてるみたいだよ?」

「え?どうしてわかるの?」

「どうして……って、ただなんとなく」

何故か分からないけど不思議と分かるんだ、猫の気持ちが。

動物の言葉が分かるっていうのとは違って猫だけなの、何故か。

……猫っていえば私、夢の中で猫になってる、猫になってご主人様を探してる……もしかして、これと関係あるのかな?なんて考えすぎか。

「梢、どうしたの?」

「えっ、なんでもないよ」

慌てて返事する。

「あ、私お昼の弁当の残りあるんだ」

「あたしも……」

私となっちゃんが猫に弁当の残りをあげると、猫はすぐに食べだした。

「わ♡すごい食べっぷり」

「ほんと……」

私が猫の食べている姿を見ていたら、なっちゃんは私の顔をじーっと見ている。

「……な、なによ?」

「梢の言ったこと当たってたからすごいなーと思って」

「なんも、ただの偶然よ偶然」

「そーお?」

「うん…」

「でも前にもこういうことなかった?」

「あった」

「でしょう?」

本当に偶然と言い切れないくらいあたっている、不思議なほど当たってる。

「どうして、猫の気持ちが分かっちゃうんだろう……」

最近は不思議だらけで分からないけど、猫、星、風、雨に関係があるみたい……。


◈雨のささやき


私は星を見ていた。

今までは怖くて見てもすぐに見るのを止めていたけど……。

けど、不思議なことが沢山あるので"知りたい"って思ったから星を見た。

ちょうど風が吹いてきた。

とてもあたたかくて気持ちのいい風だった。

ずっと星を見ていたけど、今日は何も思わない。

曇りがかっていてあまり星がみえないせいだろうか……。

しばらくするとゆっくり雨が降って来た。

だんだんいつも感じる訳の分からない想いが胸の中ではじけてきた。

"さびしいの、さびしい人がいるの、私は慰めたいの"

こんなことをふと感じてしまった。

"雨の日はいつもいつもさびしいの……"

雨音がそう言ってるように聞こえてくる、まるでささやきかけるように…。

"そばにいてあげたい、そばに…"

涙、あふれてくる……。

この想いは誰かに向けられている。

誰かってだれ?

そんな時、前に見た夢の世界が頭をよぎる。

「ご主人……さ……ま……」

不意に私の口から出た言葉。

そう、私はご主人様この人を探してるの、夢の中で。

とても、とても大切な人なの。

ふとその時、強い風が吹いてきた。

それと同時に心の中に熱いものが流れてきた。

"やさしい"……気持ち良くなってきた。

そして悲しい想いは消え、涙は止まり、雨は止んでいた。

いつもとは違う想いに少しとまどっていた。

しばらく、私は動けなかった。


◈遠い昔の記憶1


私はまた星を見ていた。

今日の星はいつにも増して一段と輝いていた。

満天の星が恐ろしいほどにうつくしかった。

"怖い、悲しい、懐かしい……"

胸が締め付けられるようだった。

そんな時だった。

一瞬、強い風が吹いてきた。

その瞬間、私の身体はまるで風船のように軽くなった。

目の前にある風景がぼやけてきた。

空を飛んでいるかのように、ふわふわ、ふわふわ…気持ちがよくなっていく。

その時、私の目に映ったのは洋風の白い建物だった。

「にゃーお、にゃおーん、にゃーん」

私は誰かとても優しい人のそばにいるようだった。

"あたたかい、安心……"

そんなことを思っていると、ふと突然そのぬくもりが消えていった。

"待って、消えないで、いかないでご主人さまぁ"

―消えないで▪▪▪

……気がついたら朝だった。

「また、またなの?」

"どうして、どうしてこんな想い!?"

瞳にたまってる涙が止まらなかった。

「ご主人様って、誰、誰なのよ」

―胸がとても痛かった。

◈遠い昔の記憶2


"夢で見た白い建物"確か前に写真で見たことがあるような気がする。

(確か、世界史の資料だったような……)

そう思って世界史の資料をめくった。

「あ!」

私は古代ギリシャの写真の所で手が止まった。

"懐かしい"なんかとてもよく知っている風景。

こういうのって既視感デジャヴって言うんだっけ……ううん、違う、本当に見たことがある、夢の中と同じ景色……。

そう、真っ白な家に私は住んでいるの。

そして私はその白に負けないくらい真っ白な猫だった。

私の隣にはいつもご主人様がいたわ。

雨の日も、晴れの日も、風の日も。

ご主人様ってわたしの飼い主のこと。

雨の日はいつもさびしそうな目をしていた。

だから私は慰めたかった。

風の日はいつも丘の上に立ち、街を見つめてた。

とても優しい瞳で。

その瞳が愛しくて、愛しくてたまらなかった。

ご主人様の事が好きになってた。

だから私は人間になりたかった。

人間になって彼の役に立ちたかった、大好きだったから……。

でも、ご主人様は悲しい程星のきれいな夜に、大切な女性ひとをかばって死んでしまった。

……最後に『最後まで面倒見てやれなくてごめんな』って私の頭を撫でて言ったきり二度と目を開けてはくれなかった。

"空に吸い込まれて、星になって、砕け散ってしまった"

ご主人様が死んでしまってから何日も雨が降り続いた……まるでご主人様のことを流し去ってしまうみたいに。

―この記憶は全て夢の記憶?

……ううん、それにしたらリアル過ぎる。

胸が締め付けられるように痛くて、涙があふれるほど悲しくて、とてもとても愛しい想い……ただの夢でこんなになるの?

この記憶はもしかして……

――遠い昔の前世の記憶――

……だったりして!?

◈猫からの贈り物


「ねえ梢、この前みた猫どうしてるかなあ?見に行ってみようよ」

「うん!」

私となっちゃんはそう話してこの前の公園に行った。

「あ、いた!」

猫のほうも私たちに気づいたみたいで、こっちへ寄ってきた。

「一度やさしくしてあげると覚えてるんだね」

「うん……」

足元にいてしばらくすると猫は鳴き出した。

「にゃーお、にゃーお」

そう鳴いた後、木の方へと歩きだした。

「ついてきて……って言ってるみたい」

「本当?じゃあ、行ってみよう?」

すると猫は木の根元の小さな穴から何かものを出してきた。

「あ、オモチャのペンダントだよ、これ」

「にゃん、にゃ~ぉん」

「梢、何言ってるか分かる?」

「うん。これはこの前のお礼ですだって」

「ふーん、よく分かるねー」

私はちょっぴり微笑みなっちゃんにこう言った。

「だって私、前世むかし猫だったんだもん」



『ご主人様何処?何処にいるの?』
『ここにいるよ?』

きっときっと何処かにいるはず……なによりもとてもとても大切な愛しい愛しいご主人様………。

『にゃお、にゃ~お、にゃ………………』


◈end◈

▪あとがき▪

原文まんまで載せたのちょっと……いんや、思いっきり失敗(;><)

へったくそ過ぎじゃん、たぶん中2の私f(^_^;

酷い、酷過ぎる(; ̄ー ̄A

まあ、小説書いたの前に載せた『夢先案内人』に続いて2作目ではあり、まだ不慣れなのですが、いやでも『夢先案内人』よりも下手な気がする
( ̄▽ ̄;)

こんなお粗末なもの載せてすみません😣💦⤵️

こんなに酷いと思わなかった(; ̄ー ̄A

でも、懐かしかったです。

そう、子供の頃、なんでか自分は猫の生まれ変わりじゃないかって思ってて、それでこんな小説書きました。

星を見るのは大好きだったのですが、吸い込まれそうで怖いと感じていたのも事実です。

後、パルテノン神殿の写真に妙な懐かしさを覚えてたのも事実なのですが、これは多分母がパルテノン神殿の写真が大好きでよく見ていたそうなので、ひょっとしたらその影響なのかも知れませんねf(^_^;

それと小学校低学年くらいの頃、風が吹くと不思議な感情が沸き上がり何かを思っていたのだけど、風が止むと何を思っていたのか何も思い出せないという謎の現象に襲われておりました。

そんな色々な事を混ぜ合わせて生み出した小説なんですよね、これ。

この作品を書いていたお陰でそういう事を思い出せましたので、下手過ぎだけどまあよしとします。

ただひとつ、酷い中学生だなと思ったのが、『今日あったつまらない出来事をいかにも退屈そうにしゃべり……』という文(笑)

中2の私は日々退屈してたのだろうかね?( ̄▽ ̄;)

ひねくれ者の中学生だったんだろうな、私(; ̄ー ̄A