アントのドル箱、ローン事業Huabei(花唄)を解説
圧倒的なドル箱:クレジット事業Huabei(花唄)
アントフィナンシャル(アントグループ)の店頭販売型ローンサービスの花唄(huabei/ファーベイ)は、グループの主要な収益の牽引役である。改訂目論見書の新たな開示によると、2020年上半期の収益の39%、純利益の52%に貢献した。アント社が設定したローンに対して実際に貸し出すのは提携する金融機関。アントはそこから手数料をとるビジネスモデルだ。バーンスタインのアナリスト、ケビン・ケクク氏は、アント社が設定したローンごとに約2.5%の手数料を受け取っていると推定している。
アリペイのクレジットビジネスは非常に巨大で、現在では中国のノンモーゲージ消費者ローンの約10分の1を発行している(FT)。アントフィナンシャル(アントグループ)にとって、香港と上海で300億ドルのIPOが直近とされており、クレジット事業の急成長は投資家にとって重要なセールスポイントとなっている。一方このような高収益が続くのか?以下のような規制の流れもよく見ておく必要がある。
消費者ローン金利、15.4%上限規制が導入
中国最高人民法院(最高裁)は、8月に消費者ローン金利を15.4%のAPR(年率)で上限を設定した。これにより、借り手の負担は軽減されるかもしれないが、貸し手が融資を提供することが難しくなり、フィンテック系の貸し手の一部の事業を圧迫する可能性がある。今回の最高裁の決定はアントフィナンシャル(アントグループ)を具体的に名指ししたわけではないものの、同社はオンラインの消費者向け融資で最大手。現在では中国のノンモーゲージ消費者ローンの約10分の1を発行している(FT)。
無理やり貸付させられる?デザインのダークパターンに不満も
Alipayアプリ上が知らず知らずのうちに融資を受けるように設計されていると感じていると多くのAlipayユーザーがフィナンシャル・タイムズ紙に語っている。
ユーザーは割引やオファーでこの2つの商品に誘導され、クレジットを使うつもりがなくてもAlipayがHuabeiを使ってデフォルトで支払いをするよう誘導されているという。また、一度誤ってHuabeiで支払ってしまうと、それがデフォルトとして設定されるという。
また、信用限度額の上限設定を勝手に変更するなどの挙動もあるという。信用限度額を一時的に自動的に引き上げてくれるので、信用残高が支払いに対して低い値であっても、注意を払わなければHuabeiで支払われてしまうという。
source : アントの巨大融資事業が300億ドルのIPOを後押し
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