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Youtubeが子供の個人情報を違法収集で罰金, 日本だと子供の個人情報保護はどうなる?

Yotubeに制裁金、子供のプライバシー守らず

Googleは、連邦取引委員会に児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)違反で1億5000万ドルから2億ドルの罰金を支払うことに同意したとPoliticoが報道している※。同社はYouTubeの利用規約に、13歳未満の子供による利用を意図していないと書いておきながら実際には13歳未満の子どもから位置情報や端末識別記号、電話番号などを親の同意なく収集していたなどとしてFTCにより告発されていた。利用規約の文章もまともによめない年齢の子供から適切な同意を得ることなど不可能であり、米国では子供の個人情報の収集に対して親の同意を介さないと児童オンラインプライバシー保護法違反になり罰金を課せられる可能性がある。実際、 今年の2月、中国のTikTokに対しても課され、米国FTCとの570万ドルの和解に合意している。

※のちの報道で、1億7千万ドル(約180億円)の制裁金を科したとFTCが公式に発表した。下記記事を参照

FTCは今回の結果を以下のように表現した。Musical.lyの賠償金よりも30倍以上の賠償金を勝ち取ったという。しかしYotubeの収益から考えると痛くもかゆくもないといったのが実情だろう。



今回のYoutubeの対応

・1億7千万ドル(約180億円)の支払い

・子供向け動画におけるパーソナライズ広告

・子供向け動画におけるコメント、通知の表示を廃止


日本での児童むけプライバシー規制の現状は? 

ICTリテラシーの向上とフィルタリングの推進を柱とした、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が2008年(平成20年)6月11日に可決・成立し施行されている。立法経緯としては内閣府のページによると

「インターネットにおいて青少年に有害な情報が多く流通している状況にかんがみ、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにし、青少年の権利の擁護に資するため」 https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/law/public_kekka.html

とあり、プライバシー保護というよりは有害コンテンツのフィルタリングという側面が強い。よって日本は、個人情報保護関連法以上に特別に子供に対してプライバシーを守る法律はないのが現状だ。しかし個人情報保護法には以下のような条文が存在する。

法第17条
個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。

そして経産省のガイドラインには以下のような事例が記されている。

【不正の手段により個人情報を取得している事例】
事例1) 親の同意がなく、十分な判断能力を有していない子供から、取得状況から考えて関係のない親の収入事情などの家族の個人情報を取得する場合
事例2) 法第23条に規定する第三者提供制限違反をするよう強要して個人情報を取得した場合
事例3) 他の事業者に指示して上記事例1)又は事例2)などの不正の手段で個人情報を取得させ、その事業者から個人情報を取得する場合
http://privacy-policy.jp/guideline/kojin/kojin2_2_2.pdf

判断能力のない子供や障害者を介して個人情報を所得するすることを明確に禁止しているため、基本的には日本の法律であっても子供から個人情報を取得する際は配慮が必要であると考えられる。

また海外の子供むけサービスを提供する企業だとホームページに、単に個人情報のポリシーのページ以外に児童向け専用のプライバシーページやCOPPAに関連する記述を設けているところが多い。子供向けのサービスを国際展開する会社は気をつけた方がいいだろう。

当社が図らずもお子様に関するデータを収集した場合はどうするか
当社が故意ではなく児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)の要求事項を遵守しない方法でお子様から情報を収集したことが発覚した場合、当社は、直ちに情報を消去します。
父母に同意を求める場合
電子メールで低レベルの同意を求める場合
当社は、お子様の個人情報を収集する必要がある場合、COPPAの法的要求事項に従い父母の同意を求めます。当社は、当社が収集している情報の内容、そうした情報の使用計画を説明する電子メールをお子様の父母または保護者に送信し、父母に同意するか同意しないかの選択をお願いします。当社は、合理的な期間内に父母の同意を得られなかった場合、当社が同意を求めるために提供を依頼した成人の連絡先情報など、お子様から収集したすべての情報を消去します。






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