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ゴールドマン・サックス、ロボアド参入へー商業銀行No1へ攻めて攻めて攻めまくる!!

GS、ロボアド参入へ

FTによるとゴールドマン・サックスは来年から個人向けに資産管理Webサービス、いわゆるロボットアドバイザー(ロボアド)を2020年にも提供する予定だという。それまで主要な収益源がBtoB向けの投資銀行業務だったゴールドマンは、ここ最近、商業銀行のマーカスの設立に始まり、アップルと「アップルカード」を共同開発するなどBtoC向けの金融ビジネスの開拓に一気に舵を切っていた。この「アップルカード」の成功は同社のCEOが「これまでで最も成功したクレジットカードの立ち上げ」と絶賛するほど。性差別問題などで批判もでて一部逆風にさらされているところもあるが事業的には素晴らしい立ち上がりといってよい。このロボアド参入で新しい最高経営責任者のデイビッド・ソロモンの指揮のもとゴールドマンは個人向けの金融サービスに全力投球する姿勢をさらに加速し、ウォール街のBtoB向けの銀行からの脱皮を図る。


買収した富裕層資産管理のユナイテッド・キャピタルとロボアド開発

ゴールドマンが立ち上げるこの新サービスは5月にゴールドマンが7億5,000万ドルで買収したユナイテッドキャピタルウェルスマネジメント*の力を借りて立ち上げるようだ。ユナイテッドキャピタルは消費者向けの金融ソリューションを展開しているが、主に富裕層向けであることを特徴としていた。しかし今回のGSと立ち上げるソリューションは富裕層むけではなく、ロボアドバイザーをを利用したもっとより低い金額から投資できる一般大衆向けの投資サポートサービスだという。


投資銀行から商業銀行へ、買収攻勢などで「予想より早い脱皮」

ゴールドマンは、3年前に伸び悩む従来の投資銀行ビジネスの一部に対するヘッジ策として設立したデジタル商業銀行であるマーカスを通じて、主に西海岸むけの幅広い世帯に貯蓄口座と個人むけローンを既に提供済みだ。またゴールドマンは、ユナイテッドキャピタルウェルスマネジメント以外にも英国のデジタル資産顧問であるナツメグにも投資している。ナツメグは来年、英国でマーカスブランドで非課税の投資口座を開設する予定だという。

ユナイテッドキャピタルウェルスマネジメントのデュラン氏は、ユナイテッドキャピタルのゴールドマンとの統合は「予想よりもはるかに迅速に」進行しており、3年以内に250億ドルの運用資産を2倍にするという当初の目標よりもはるかに大きな目標をかかげているという。

他の投資銀行大手はどうでるのか?

GSと並んで投資銀行会の巨人としてウォール・ストリートに君臨するモルガン・スタンレーは、昨年のはじめにオンライン投資プラットフォーム「Morgan Stanley Access Investing」をローンチし、急成長するロボアドバイザー産業に新たに参入している。

また、2017年2月には、同じくJPモルガンに次ぐ規模の投資銀行のバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチがロボアドバイザープラットフォーム「Merrill Edge Guided Investing」をローンチしている。

またJPモルガン・チェースも最近になってYou Invest Portfoliosというロボアドサービスを開始した。You Invest Portfoliosは、銀行のETFに顧客のお金を投資するために、毎年0.35%を請求するが、運用手数料はとらないという。

こうしてみると、すでに外資系の投資銀行はほとんど全てロボアドに参入済みで、むしろゴールドマンサックスは一番最後ぐらいのペースだといえよう。日本だとロボアドというとまだスタートアップがやってるだけの印象があるが海外だと証券会社は軒並み参入。この流れ這いずれ日本にも来ると予想されるだろう。


*ユナイテッド・キャピタルの運用資産は約250億ドル。220人の金融アドバイザーがおり、2万2000人の顧客を抱える。今年5月にGSが7.5億ドルで買収した。

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