マレーシア、「ファンド・オブ・ファンズ」でまずはVCエコシステムを育成へ

マレーシア政府はスタートアップを育てるために、まずはVCのエコシステムを支援する戦略にでている。マレーシアは、同国で創業されたデカコーンGrabがのちにシンガポールに拠点をうつしたという苦い経験をもつ。本来ならばマレーシアのデカコーンとしてもてはやされるはずだったこの会社は今やシンガポールの会社として認識されている。マレーシア政府はスタートアップがそのままマレーシアでユニコーンに成長するだけのエコシステムを早急に作る必要があると感じている。そこでマレーシア政府は「ファンド・オブ・ファンズ」モデルで、地元および海外のVC企業に対して資金を注入し、あらゆる分野のテクノロジーに対して地域の新興企業の資金調達を促進する計画を打ち出した。政府は国から4億7,600万米ドルのお金を拠出する予定だという。

お金を注入するだけではない。税制面でもVCに資金が集まりやすい制度を導入するという。民間VC企業に最大2000万リンギットを投資する個人や法人に対して税制上の優遇措置を実施する計画だ。 

また、政府が運営する5つのVCのうち2つを民営化するという。民営化するのはKumpulan Modal PerdanaおよびMalaysian Technology Development Corporationだ。民営化によりVCエコシステムの発展を促進するのが狙いだという。残りの三社は引き続き高リスクのealry stageのスタートアップ企業を支援するという。民間/グローバルVCと共同投資することで、政府は民間セクターの資金をマレーシアに集め、同時に合理的に投資できると目論む。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?