PMのおかげは3割
なにがいいたいの
成果に対するPMの貢献割合は大きくても3割位だなあという肌感がある
あとはエンジニアやデザイナーやCSやバックオフィスや決裁者が称えられる分
でもそれぞれ得意領域があってどこが欠けても10割にはならないからPMもみんなも誇りを持って自分の領域でがんばろう
本編
PMってなんなの
PMって謎だなあと思うことがあります。
自分を振り返ると、コードを書くわけでもなく、デザインするわけでもなく、自分はあれしろこれしろと言うだけに思えたりして。
PMはプロダクトのリリースや成長にどれくらい寄与していると言えるんだろう?
実はそんなに大した割合を占めていないのでは?
と思うことがあるんですね。
(まあコード書くPMもデザインするPMも世の中にはいますが、そういう場合はPM兼デザイナーみたいにわけてPMサイドの仕事の話をしてるんだと読んでください)
でも事実としてPMは職種として確立して一定の割合で存在していて、かくいう自分もPMなわけで、PMってなんなんだろう、なににどれくらい貢献するひとなんだろうというのを納得したくなったわけです。
そりゃ言葉通りに言えば「プロダクトをマネジメントする役割」だし、
たとえばAtlassianの定義ではプロダクトマネージャーは
なんですが、どうもわかるようなわからないような感じで、個人的に腹落ちしたいという思いが募ったので、自分なりのPM論なるものを書いてみようかと思ったのでした。
PMのおかげは3割
そして、ぱっと思いついた結論が、成果に対するPMの貢献割合は全体の最大3割というものです。
3割が多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思うんですが、「たいして多くもない割合」の表現だと受け取ってください。
じゃあなんで3割かと言うと、PMの貢献は3つの行動からなっていて、それぞれに1割ずつあるという非常に雑な計算による理論です。
キリが良いので1割ずつということにしました。
(まだ石を投げないでください!)
じゃあ3つの行動とは何かというと、
やるべきこととやるべきでないことを選ぶ
やることにさせる
チームを明るく健康に保つ
かなと思っています。
やるべきこととやるべきでないことを選ぶ
いついかなる状況でも、やるべきことしかすべきでなくて、やるべきでないことはすべきでないし、後でいいことは後でいいはずで、そんなことみんなわかってるはずです。
なのに、不思議なもので、あとから振り返ると「別に今じゃなくてよかったなあ」とか「やらなくてよかったなあ」とか「あれをやるべきだったなあ」とか出てきたりするものです。
「優先順位をつけることが大事だ」とか「やらないことを決めることが大切だ」と言っている人でも、行動を見てみると「それ別にやるべきではないのでは?」ということをしているなんてことは往々にしてあります。
かようにやるべきこととやるべきでないことを選ぶのは難しいのですが、特にPMにおいてはこのスキルが重視されます。
それは役割的に「チームがなにをするか」を決める際の比重が大きいからです。
やるべきことをやるべきときに選べるようにするにはどうしたらいいか、ということについては決定的な方法論はまだ人類は獲得していないと思うのですが、少なくとも 「これはやるべきことなのか?」ということを常に自問する 姿勢を持つことはすべきことだと思っています。
ユーザーや社内の「やってよ」という声に安易に流されず、また自分の好みにも流されず、プロダクトにとってやるべきことをやる道を見つめ続ける姿勢がPMにとって重要なのだと思います。
やることにさせる
やるべきことが見つかったとして、それはやることにならないと実行に移されません。
当たり前のようですが、「誰かがやることにさせないと実行されないのだなあ」というのが自分の社会人経験の中での学びの一つです。
やることにさせるとは、以下のようなことを指しています。
これやりません?と言い出す
なにか困ってることとかやりたいことありません?と聞き出す
チームやエンジニアなどの担当者を説得したりやる気にさせたりする
決裁者が判断できるように情報を整理したりメリットを具体的に提示したりする
ステークホルダーを集める場を設定してやっていいよねということにする
「なにをすべきか」だったり、それ以前の違和感のようなものは案外みんな心のなかに持っているものなのですが、それを公にして周囲を動かす、となるとかなり人によって得意不得意があるように思います。
細かく見ればそれぞれに方法論はありますが、総体的に見ると「やることにさせる」のは人柄やマインドや役割なども入り混じった適性があると感じています。
はじめに言ったように物事はやることにならないと実行されないので、それをなんとかやることにさせて、チームのパフォーマンスを発揮させるトリガー、ドミノ倒しの1枚目になることがPMの価値だと思います。
チームを明るく健康に保つ
PMは自分ひとりではモノを作れないので、チームで作る必要があります。
なので、チームのパフォーマンスを最大化するために働くのがPMの役割です。
チームのパフォーマンスが最大化されるためには、明るく健康に保つよう取り計らうことが大事なのではないかと思います。
つまり、
率先して明るく振る舞ったり
押し黙る雰囲気を取っ払ったり
チームメンバーが仲良くなるきっかけをつくったり
チームの課題を引き出したり
行き当たる障害をあらかじめ潰しておいたり
なにをすべきかを見えるようにしたり
成果がどうだったのかを実感できるようにしたり
みたいなことです。
モノを作っているわけではないのだから、一見いなくなっても問題なさそうでも、いてくれるとスムーズにまわると思われる、そういう存在が自分の理想とするPM像です。
なにがいいたいんだっけ
そんなわけで成果に対するPMの貢献割合は上記の3要素を1割ずつおさえても最大3割くらいだろうなあと思っているんですが、だから大した価値がないという事が言いたいわけじゃなくて。
ぼくはこの3割部分の仕事が好きで、価値のある3割だと思っていて、誇りを持っているということです。
一方で、この3割部分が苦手だとか、7割部分のほうが向いている人もいるはずで、自然とそういう人は7割側の仕事をしてるだろうと思います。
3割が欠けても7割が欠けても当然10割にはならないので、みんなそれぞれ誇りを持って自分の仕事をして、10割をやっていきましょうというのがこのesaの主旨です。
僕は3割部分には誇りを持っていますが、7割部分をできないなあという実感もあるので、その分「7割をやっている人はすごいぜ……!」という尊敬の念を持てています。
自分にできることと、できないことを正しく見つめ、自身への誇りと他者への尊敬をあわせもちながらPMをやっていきたいと思っています。
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