見出し画像

高次脳で絶望した話⑤

高次脳で絶望した話⑤

みんなの議論についていけない

いつかは来ると思ってた。

でも
わたしには同級生と10個差があるので、
蓄えがあった。

10年分の知識や経験。

(高次脳機能障害で
脳の一部が欠損していたとしても)

だが、大学3年の時
ついに周りの学生の議論についていけなくなった。

自分の脳みそでは
完全にキャパオーバーだった。

障害は治らない

その時、急に実感した気がする。
わたしの脳みそはどんなに努力しようが
カバーできない部分があって
越えられない壁が存在するんだな、って。

健常者(周りの学生)と
同じだけの時間を過ごしてても
ここまで積み上げると
差が歴然なんだな、って。

絶望だった。

正直、
もうなんのために大学まで来たのか
わからなかった。

わたしは、
一人で生きていくための知識を付けるために
ここまで来たのに、
もうそれが叶うことはないと
気づいてしまった。

頑張れば、努力すれば、
周りよりも時間をかけてこなせば、
わたしだってできるんだって思ってた。

実際、努力すればどうにかなっていた、
大学3年のこの瞬間までは。

だけど、
「越えられない壁が存在する」

わたしの死亡宣告のようなもので
この現実に耐えられなかった。

なぜ生きているのかわからない。

障害をおって、
病前のような価値がなくなって
新たに価値をつけるために大学まできたのに。

こんなわたしに、
あとどんな価値が残ってるって言うの?
って本気で考えた。

もう許されない、わたしの生は。
って本気で考えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?