正午の茶事
先日、人生初めての茶事に行かせていただきました。
とっても素敵な経験だったので、記録しておきます。
茶事とは?
茶事は、懐石・濃茶・薄茶をもてなす、正式なお茶会のことです。
茶事には、朝茶や夜咄(よばなし)などの種類があります。
いくつかある茶事の中でも、正午の茶事は昼間に行うもので、一番規格に則ったものです。
茶道のお稽古のゴールは、この茶事を主人として行えるようになることとされています。
日頃のお稽古が一体何に繋がっているのかを知ってほしいという想いで、先生が茶事を開催してくださいました。
茶事のはじまり
いつものお稽古とは違い、当日を迎えるまでの日々もそわそわ、ドキドキでしたが、笑顔の先生が迎えてくださって、緊張がほぐれました。
白湯を頂いたり、蹲踞で清めたりするところから、先生に一つ一つ客としての振る舞いを教えていただきました。
とても暑い日だったので、白湯に入っていた塩気が体に滲みました。
懐石
さて、さっそくお茶をと言いたいところですが、先に懐石料理をいただきます。
鱧や鰻など、季節の食材が使われていてどれもとても美味しかったです。
お酒も頂いたので、さらに緊張がほぐれ、ちょっといい気分。
器やお箸ひとつにも意味や決まりがあるそうで、この時間のためにいくつもの準備をしてくださったことを改めて感じました。
炭点前
炭点前ははじめて拝見しました。
道具を入れていた蛍籠がとても素敵で、お軸からイメージされる緑豊かな景色とあいまって、とても豊かな気持ちになりました。
主菓子は、鶴屋八幡さんの山百合をいただきました。
白い花びらのようなものの中から赤いあんが透けていて、とても可愛かったです。
濃茶
一度下座して、濃茶をいただきました。
お茶室に座って目を閉じると、瞑想状態のようになって、心が整う感覚がありました。
お酒のチカラでうつらうつらしていたのかもしれませんが、とても心地良くて、心地良くて。
ヨガでもそうですが、この整う感覚が私は好きです。
インストラクターになってヨガが仕事になってから、ヨガ中もついあれやこれやと考えてしまうことが多く、良くも悪くもぼーっとできる感覚があまりありません。
新しく心が整う場所として、茶道にたどり着いたのかもしれません。
薄茶
最後に薄茶をいただきました。
干菓子も鶴屋八幡さんの澤瀉で、こちらも美味しかったです。
薄茶は飲み慣れていること、茶事が終わりに近づいていることもあり、ほっとする時間でした。
家に帰って、着物を脱ぎ、先生に御礼状を書き、人生はじめての茶事はおしまいとなりました。
感想
はじめての茶事は、緊張しまくりでしたが、とてもとても心に残る時間になりました。
流れや決まり事すべてがおもてなしに繋がっていて、器やおはし一つとっても考え尽くされていました。
先生のおもてなしにふれることで、普段の生活の中でもモノを丁寧に扱うようになったり、周りの人に喜んでもらいたいという気持ちが増えました。
自分にも人にもなにかをする時の質が、少しずつ上がっているような気がしています。
知ること・経験することってすごく大切ですね。
心が整う感覚を味わえたり、おもてなしに触れたり、社中とドキドキを共有したり・・・はじめての茶事はとてもとても良い経験になりました。
後日のお稽古で、先生がマンションで行う茶事の記事を見せてくださいました。
道具や場所が揃っていなくても、工夫次第で素敵な茶事が開けるということが書かれていました。
まずは夫に、自分なりの茶事を開いてみようと思います♡
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