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アラサーでギターをはじめた話


好きな音楽ができたのは中学生頃から。

小学生まで別に好きなアーティストがいたわけではないが、クラスで行う合唱は好きだったし、合奏部でクラリネットをやっていた。中学では合唱部を選んだ。

だから漠然と音楽は好きだなあ、と思っていた。


わたしが中学1年生あたりで、母がBUMP OF CHICKENにハマり、その母が持っていたDVDをこっそり見たわたしもまんまとハマり、彼ら見たさに深夜の音楽番組を見るようになった。


そしてたくさんのアーティストを知った。
Mステには出ない、マイナーな音楽にズブズブハマっていった。

それからバンドに憧れた。ありがち。笑

中学の友達とバンドを組もう!と言ってわたしはベース担当になった。
父が楽器屋に付き添ってくれて紺色の初心者用ベースを買った。

よっしゃー!バンドやるぜーーー!と、学校から帰ると部屋で『ベンベンベンベン』と練習する。
そのうち水脹れができて、何を触るにも激痛だったのを覚えている。
そして水脹れが消えて、タコになって、うおぉ、わたしの指チョーカッケェーと思う。笑
楽器はじめた人あるあるである。


だが結局、その時バンドやろうねっ!と言った女の子たちとは1度も練習することなく自然消滅し、中学2年でギターの弾ける男の子と組んだバンドはわたしがポンコツすぎていられず、さらにドラムの男の子にLoveしてしまい(人生初告白そして優しくフラれる)バンドの夢は叶わなかった。


そして高校生になり、なんとそこにはギター部が!!

ギター部という名の軽音部だったので迷わず入部したが、なんと学校内では音がうるさいという理由で活動できず、部室もなく、それぞれ勝手にバンド組んで勝手にスタジオ借りてね〜〜という感じで、つまりわたしは何もしなかった。

ベースで挫折を味わったわたしは、ボーカルしかやりたくない、もう楽器なんてできない、ベースも弾けないのにもっと弦の多いギターなんて無理無理、とバンドから遠ざかっていった。


高校で初めてできた彼氏はドラムをやっていたし、わたしたちの学年にはバンドブームもあって急にたくさんバンドができたのに、その頃には自分からなにかやる気になれなかった。わたしに楽器は無理。根っこがそうなってしまった。


高校の選択授業では美術、書道、音楽の中からやはり音楽をとった。
なかなかスパルタでユーモアに溢れる先生で、歌のテストはみんなの前で当たり前のように一人で歌わさせられた。
わたしは楽しかった。


そんなある日の授業でギターを習った。

曲は四季の歌で、2人組で演奏するテストがあった。
練習しているとき、ギターめっちゃ楽しい!という気持ちになった。
この時にギターをはじめていたら今なにか違ったかもしれない。
だがわたしの根っこは楽器なんて無理無理、である。
今ギターをわざわざ買って、また部屋にあるベースのようにオブジェになるのがオチだ、とそれ以上考えることはなかった。


その後は楽器に触れることなく、ライブにも行くわけでもなく、CDだけは買い漁るという人生であった。


そしてアラサーになったある日、妹が持っているギターのことが気になった。ずっとケースに仕舞われたままで、弾いているところは一度も見たことがない。

気になるなー、あれ、使えるのかなー。

と1週間くらい考え、ついに「このギターって使えるの?」と聞いた。
「使えるよ」と言われ「練習するから貸して」と言った。


初めて練習したのは『ぞうさん』だった。
そして驚いたことに、妹はちゃんとギターが弾けた。今までそんな素振り全くなかったのに。羨ましかった。


その日からほぼ毎日ギターを練習している。
1日2時間程度は弾いている。

すごく、すごく、人生で1番楽しく打ち込んでいる。

まだ2ヶ月程だが、手が動く、コードがわかる、難しいコードにも挑戦している、曲になっている、つまり楽しい!

朝起きて、ギター弾きてぇー!と思う。
夜寝る時も早く明日ギター弾きてぇー!と思う。


アラサーにして趣味ができた。

もっと早くやればよかった。
そうしたら、バンドが組めたかもしれない、人前で演奏する機会があったかもしれない。

今はだれかに見せたい気持ちはないけれど、バンドを組みたかった高校生のわたしに言いたい。

あの授業で感じた楽しさを信じろよ!と。


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