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熟すのを待つ時には

一昨年の秋頃に植えたブルーベリーが、今年になって少しだけ収穫できた。
2日に1回ほど色づきを見に行っていたことがすでに懐かしいほど、気にかけていたものだ。

他の野菜も同じく、菜園で育てている野菜が続々と実をつけ、色づき始めた。
毎朝、今か今かと様子を見に行くのが日課になっている。

ふと、熟すのを、どこまで待ったものか考えた。
早すぎても味は薄くて固さが残るし、かと言って待ちすぎると、実を落としたり時には虫や鳥に食べられてしまうこともある。
とはいえ、色味の感じ方も濃淡の見え方も、人によって違うだろうから、明確にこの時期、なんてものは存在しないんじゃないかと。

そんな中、普段宅配野菜をお願いしている農園さんのライブ配信があり、たまたま時間があったので覗いてみることにした。
すると、タイムリーなことに、家庭菜園者へ向けた内容となっていた。

それによると、果実は熟す前に採ってしまうのが良いらしい。
勿論完熟するのを待ってもいいけれど、そうすると木が疲れてしまって長く収穫しづらいのだとか。
家庭菜園では長く少しずつ楽しめることが大事なので、色づいたら収穫する方法がおすすめだとのことだった。
元気に成るのは良いことだけれど、農園さん的にはそれが熟れていく分、木が疲れてしまうのでかわいそうな気持ちにもなるのだという。

それを聞いてまた菜園に行ってみると、収穫しても良さそうなものが意外と多いことに気が付いた。
熟すのを待つ時には、美味しさを気にかけるだけでなく、実をつけている側に寄り添う気持ちも忘れちゃいけないもんだと知った。

暑さにも負けず生い茂る葉をかき分けて摘み取り、枝葉が弱っていないか気にかける時間は、植物と対話をしているような気持ちにさせ、一層心躍る時間になったのだった。

夏野菜たち。

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