よそへの慕情。
「パッタイ」のパッはタイ語で炒めるという意味であり、パッタイとはタイを炒めたものらしい。つまり、日本にいながらタイを丸ごと満喫できてしまう一品なのである。海外へ行ったことはほとんどないけど私は異国の料理が大好きなので、うちの台所でも再現しようと奮闘する。現地の味も知らぬのに邪道かもしれないが、満足すれば問題ない。異国の味を作る時、重要になってくるのが現地にしかない食材や調味料。そんなのを揃えていると、醤油や味噌みたいに毎日使わないからとにかく残る。珍しい調味料はそこの文化に馴染んでいないと使いこなすのが厄介なのだ。代替できるものがあればいいのだけどやっぱり本場には敵わない。
ところで皆さん「タマリンド」という食材を知っていますか?もはやKALDIでも手に入る気配のない名前だと思いませんか?こんなのがレシピに出てきた日にはもう。マメ科ジャケツイバラ亜科タマリンド属の常緑高木に実るフルーツらしいです。とにかくこれが、タイ料理やカレーのレシピにしれっと出てくるわけです。こんなの絶対使い切るわけがない。だけど、こいつがなんと梅干しで代用できるという。半信半疑でありながら、スパイス教室で作ったタマリンド入りカレーと家で作った梅干し入りカレーを食べ比べてみたら何の遜色もないから驚く。さすが我が国のスーパースターだ…。帰ってきた旅行者のノスタルジィを刺激するだけじゃなく、旅の思い出も彷彿させる術を持っているなんて。酸っぱいだけじゃないのね貴方ったら。ああ、今年の夏は梅干しをたくさん消費してしまったから、私の梅壺はかなり心細い。早く梅の季節が来ないかなあ。このブリコラージュ感、たまらなく楽しい。
「サウダーヂな夜」という変わったカフェバーで創刊された「週刊私自身」がいつの間にか私の代名詞。岡山でひっそりといつも自分のことばかり書いてます。