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もしかして、私が私を抑えてる?

アーティストの友だちに、ハッとさせられる事多くておもしろいよと
「高橋源一郎の飛ぶ教室」というラジオ番組を勧められた。
偶然にも、数日前に何かで目にしたドイツの作家エーリッヒ・ケストナーの児童文学「飛ぶ教室」に無性に惹かれ読んでみようかと考えていたところだったので、
これに繋がる為だったのか?と興味を持ち早速聴いてみる。

冒頭3分
高橋源一郎のエッセイの朗読からはじまる。

毎回「こんばんは。作家の高橋源一郎です。」ではじまり、
「それでは、夜開く学校、飛ぶ教室、始めましょう」で終わる。

彼の落ち着いた声はもちろん、
言葉も内容も美しかった。
すべてが調和し
とても静かな空間にいざなわれた

なんだろう、この感覚は??

気になって、
次の回も、その次の回も聞いてみた。

やはり、同様の空間に誘われる。

回を重ねる毎に、私は特に、この冒頭3分のエッセイにやられてるんだと確信した。

そして、このはじまりの言葉ばかりを集めた本が出版されてと知り、居ても立っても居られなくなり購入。
こんなに到着を待ちわびた本は久しぶりだ。
雪の都合で、到着予定日から3日遅れて、ようやく手元にやってきた。


やっぱりだ。
どの回も好きだ。
3分間の朗読なので、一回2〜3ページで終わる。脳内では、ラジオで流れるあの彼の落ち着いた声で読まれている。

あぁ私これ、今まで読んだ何よりも好きかもしれない。。

自然にそんな考えが浮上してきた

え?ホンマ!?ちょっと読んだだけで、そこまで言うか?? 今までの何よりもって!他にも色々好きなんあったんちゃうの??

すかさず、もう一人の私が突っ込む

確かに。。
でも今何も他の好きな作品思いつかへん。
それになんで「今までの何よりも好き」と言ってしまうのを躊躇うんや??
私が突っ込む。

自分なんてコロコロ変わるねんから、少なくとも、今は一番コレが好きでいいんちゃうの??

確かに。今の好き!に正直でいいやん?


そうだ!それは間違いない。
私も、ツッコミ担当の私も、今一番好きで合意、納得した。

しかし、一体私は彼のエッセイの何にこんなに惹かれているんだろう??
布団に入って考えこんだ。

あぁ私もこんな文章が書きたいんだ
という言葉が浮上してきた。

え!?
できる訳ないやん!
沢山文学読んでて、色んな経験してる彼だから書ける文章やん!
私、文学なんか読まんし、無理に決まってるやん!
ツッコミ担当の私がすかさず突っ込む。  

そうだよな。。
私は意気消沈し、静かになった。

しばらくしたら、
文学読んでな文章って書けへんの?
そんなん誰が決めたん??

という考えが浮上してきた。

少なくとも私はそう思い込んでる。

ん?それってもしかして、私が決めてるだけなん?

無謀な夢を持って、下手くそな文章で落ち込むことないように、私が決めてる予防線なのかもしれない。

でも私、別に賞を受賞したり、文学界に入りたい訳ではない。ただ、短いのに物語に引きこみ、
違う空間に誘い、この世界ってなんかいいなという余韻が広がる
そんな文章を書きたいだけだよね。

じゃあ練習あるのみ。
書いてみるしかないんじゃないの?

文学読んでないから無理な世界だからと決めるか
下手でもやってみるか、ただそれだけなのかもしれない。
どちらの世界を自分が選ぶかなだけで。

そう思いながら眠りについた翌朝


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