見出し画像

言った方は覚えていない

とんでもなくひどい事を言われたとして、言われた側はその後の人生に深い暗雲が立ち込めるわけだけど、驚いたことに「言った方は覚えていない」ということが研究によりわかった。

「あの時、……って言ったでしょ」
「……覚えてない……」
「……」
「そんなこと言ったっけ……」
「覚えてもないんだ!(ひどい!ひどい!ひどい!)」
「……ごめんなさい」
「……ひどい……(覚えてないなんて……)」
「ごめんね……」
「……」

『不覚罪』なんてものは存在しない。覚えていないことを責めても、言った側は覚えていないのだから責めようがない。責めがいもない。

ひどい事を言われた側としては、その時の光景を夜な夜な反芻するたびに傷は深まり、許せなさや憎しみが燃え上がる。いつか土下座して謝らせてやる、泣いて「許してぇ……!」と追いすがっても足蹴にしてやる、絶対に許すものか、と一遍の救いを求めて空想にふけるわけだが、現実はあっけない。

「……そんなこと言ってごめんなさい……」

この一言で、長年の苦しみを訴える権利は半分以上消えてしまう。泣き濡れた夜も、鬱々の日々も、あの憎しみもこの悔しさも帳消しにしなければならないのだ。そんな馬鹿な話があっていいものか。信じられないけど事実である。

そもそも、とんでもなくひどい事を言うような人は、物事を深く考えていない。先の見通しもない。こんなことを言ったらお互いの関係が変わってしまうかもしれない、なんて考える性格ではない。だから軽はずみにとんでもなくひどい事を言えてしまうわけだ。

言われた側としては、自分が悩み深い性格であるため、深く考えずにとんでもなくひどい事を言えてしまう人種がいるなど、想像も付かない。あの時言われた言葉には何か意味があったはずだと、相手も当然覚えている前提で悩んでいる。

真実は滑稽だ。
言った方は覚えていないのだから。
言われた方だけが覚えているのだから。

なんとまあ、ばかばかしい。

一つ言えるとすれば、軽率タイプと熟考タイプはウマが合わない。絶望的に。

それでも合わせていかないといけないのが、さらに滑稽なのだけど。


一生懸命生きてるだけなのにね。


今回の学び

軽率な暴言は慎もう!


※「とんでもなくひどい事」とは、受け取り手の認知の歪みなどに関係なく誰がどう解釈してもシンプルストレートに暴言としか取れない発言を指します。日常会話の失言とか意地悪とかマウンティングの類ではありません。


HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞