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母親と関係を持ったことを彼女に伝えられず。別れられない日々。

母が岩手に帰ってから私は寛子さんに向き合って別れを伝えなければならなかった。

寛子さんとはバイト先の同僚でもある。
関係を断ってからバイト先で常に顔を合わせ、平静を装うことは私にはできない。

なので最初にバイトを辞める連絡をした。


「母の体調が悪いままで暫くかかりそうなのでバイトを辞めます。」


母がこちらに来る時についてしまった嘘をそのまま延長する形で説明した。
バイト先からはとりあえず休んでていいから、落ち着いたら復帰して欲しいと遺留されたが私の意思は固かった。

バイト先に残ることと寛子さんとの関係は別だけれど、
寛子さんと顔を合わせること自体が自分の気持ちに答えてくれた母に対して失礼だと思った。


職場には連絡を入れたものの寛子さんには中々連絡が出来ずにいると、
寛子さんからメッセージが届いた。

バイト先で聞いたのだろう。
母の体調を心配する内容が記されていた。
それと近いうちに家に行くね、と。


寛子さんには嘘を突き通せないと思い、本当のことを書いて返信した。


「好きな人が出来たのでもう会えません。」


返信は返ってこなかった。
返っては来なかったが暫くして家のインターホンが鳴った。

寛子さんだった。


それから三時間ほど私と寛子さんの話し合いは続いた。

私はメッセージで返信したとおり、他に好きな人が出来たことを説明し別れたいと告げた。
寛子さんは別れたくないと言い納得してはくれなかった。

納得してくれなかったのは私の落ち度もある。

寛子さんは私が好きになった”他の人”のことを詳しく聞いてきた。
どこで知り合って何歳でどういう人なのか。

私は上手く説明することをしなかった。
出来なかった。


「私が嫌になったから適当な嘘をついているんでしょ!?」


そう言って責められても本当のことを言う訳にはいかなかった。
好きになった相手が母親で既にその母親と結ばれているなんてことを、
例え寛子さんであっても口に出す勇気はなかった。


平行線の言い合いが続いて寛子さんは、


「絶対別れない!また来るから!」


と言って部屋を出ていった。


それから週末まで。
電話やメッセージで同じような話を何度もしたけれど、
やはり平行線のまま納得してはくれなかった。


そうして土曜日。
母がまたやってくる日を迎えても、私は寛子さんと別れられないでいた。

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