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花の孤独

あじさいの花が咲いた
公園の入り口のところ
われこそはと 無数の花が咲き乱れていた
けれでも 花たちは 浮かぬ顔をしている

どうしてだろう
世界はしんとしてなにもない
虫も菌もウィルスも何もいない
ひといきれやぬくもりもない

梅雨に濡れて あじさいの花はひときわ艶めく
でも 花たちが触れるのは ただ空っぽの空気だけ
私たちは 誰に向かって咲いているのだろう
花たちは だんだん空虚な気分になった

ひとつまたひとつ 花の魂は衰弱し消えていった
抜け殻となった花は 枯れることなく咲き続けた

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