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マイノリティを経験すること

こんにちは!

いきなりですが…
シルクドソレイユの人って、みんな優しいんです。
アーティストはもちろん、テクニカルチームの人やマネージャーみんなが優しい。
優しいという一言で片付けてしまうと何だか幼稚ですが、この「優しい」の中には、気遣いができる、言葉遣い・話し方が丁寧、ありがとうがしっかりと言えるなど、たくさんの意味が込められています。

でも、なぜシルクの人はこんなにも優しいのか?
この問いに対しての僕なりの考えを今日は書いていきたいと思います。

優しさは何から作られるのか

皆さんは優しさって何から作られると思いますか?
もしくは、優しさってどうやったら育まれると思いますか?

僕は経験だと思います。
経験の種類・量が多ければ多いほど、人は優しくなれるはず。

では、特にどんな経験が人を優しくさせるのか?

試合で優勝した経験?
テストで良い点を取った経験?
昇給した経験?

いいえ、人を優しくさせるのはそのような嬉しい経験ではありません。
その真逆のものではないでしょうか?

苦しみ・悲しみ・怒り…
このような負の感情を経験することが人を優しくさせるはずです。

そして、その負の感情の中で1番人を優しくさせる要素だと僕が思っているもの、それが「マイノリティーの経験」です。

マイノリティーとは「少ないもの/少数派」を意味する言葉です。
つまり、「少数派を経験すること」が人を優しくさせる1番の要素だということです。

シルクで働く人の共通点

・知名度が高く、その会社で働いていることを誇りに思っているから
・世間的に見れば平均よりも収入が高いから
・好きを仕事にできているから
・どの部門にもその道のプロが集まり、お互いがリスペクトし合っているから

これらは、シルクで働く人を穏やかで優しい性格にしている理由です。
しかし、僕の中ではもっと確かな理由が1つあります。

それは、「言語を通してマイノリティーを経験している」ということです。

シルクで働く人は、毎日毎日いろんな国の人と触れ合い、いろんな言語と触れ合います。
英語、フランス語、スペイン語、中国語、日本語、ロシア語…
実際に自分がその会話に入っていないとしても、常にこれらの言語が飛び交う中で生活をしているのです。

人間にとってコミュニケーションはすごくすごく大事なもの。
しかし、そういった中で生活をしていると、「言語の違いでうまくコミュニケーションを取れない瞬間」に誰しもがぶつかります。

そこにぶつかると、本人はそう思わなくても、心は非常に苦痛を感じます。
その苦痛を心が知っているからこそ、ゆっくり丁寧に、相手の理解度を確かめながら話す癖が自然とつくのです。
是非皆さんに聞いてもらいたいくらいなのですが、シルクの人の英語は本当に本当に聞き取りやすいです。
一つ一つはっきりと丁寧に発音するし、表情も身振り手振りも上手。
「あれ、英語できるようになってきたんじゃない?」と錯覚するほど、優しい英語を喋ってくれます。(会社の外に出るとびっくりするくらい聞き取れなくなります。)

言語を通してマイノリティーを経験することにより人への接し方が非常に柔らかくなり、言語で気持ちを伝えにくい環境だからこそ、仕草や日々の振る舞いで伝えようとする。
話すときはしっかりと目を見るし、ふとした挨拶を欠かさないし、良いものを見ればすぐに褒めるし、好きなことは好きとしっかり口に出すし、困っている人がいればすぐに手を差し伸べる。
広く国際的に手を広げている会社だからこそのカルチャーが、シルクドソレイユには根付いているのです。

マイノリティーを経験すること

マイノリティーを経験すると、人は優しく・強くなると僕は確信しています。

日本を離れてはや2年が経ちましたが、この2年の間、僕はマイノリティーの立場としてアメリカという地で生活をしてきました。
アジア人である僕は、スーパーを歩くだけでも子どもにジロリと見られることが多くあります。
話がうまく聞き取れなかったので聞き返すと、めんどくさい顔をされることもしょっちゅうあります。(現地人の人もよく聞き返すのに。)

僕は今住んでいるこの環境が好きですし、自分がマイノリティーであることをマイナスに感じたことはありません。
ただ、コミュニケーションがうまく取れないことが理由で「辛いなぁ」と思ったことはいくらでもあります。
話の輪に入れなかったり、全く相手にされなかったり、たかられそうになったり…。
「もっと優しく対応してよ」って思ってしまうんです。

これだけ聞けば「やっぱり海外で生活することは大変なことなんだ…。」と思うかもしれません。
しかし、僕が今日伝えたいのは「大変なんだよ」ではないのです。
「大変 “だからこそ” 優しく・強くなれるんだよ」ということなんです。

よく「海外に行くと視野が広がる」なんて言いますが、これはつまり、マイノリティーの経験が視野を広くしているのだと僕は思っています。

日本にいるとなかなか感じることはないけれど、一瞬でも海外にきて自分がマイノリティーの立場に立つと、どれほど自分という一人の人間がちっぽけな存在なのかがよくわかります。
人に話しかけることが怖くなったり、買い方がわからなくてご飯が食べられなかったり。
一人では何もできないことがよくわかるのです。

海外に来ると「世界が広いこと」を知れるのではなく、「自分が小さいこと」を知れるのです。

「自分の小ささ」を知っているかどうかは、その人の優しさに直結します。

自分の小ささを知っていれば、他人を認められるようになる。
自分の小ささを知っていれば、違いを楽しめるようになる。
自分の小ささを知っていれば、他人に協力したくなる。

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今日は言語を切り口にしてマイノリティーについて話しましたが、世の中には障がいを持った方やLGBTQの方など、マイノリティーとして生きている人がたくさんいます。
もちろん、僕たち男子新体操選手もその一人ですね。

それぞれの違いを理解し、楽しんで生きるためにも、僕は海外に足を運ぶことをおすすめします。
なぜなら、海外に行くことは一番簡単にマイノリティーを経験する方法であり、そうして自分の身をもって経験をしなければ「自分の小ささ」には気づけないからです。

僕は、これからもこのアメリカという土地でどんどん自分の小ささを認め、楽しんでいきていきたいと思います。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!
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ショーのオープンまで残り19日!!

ではまた次回!

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井藤 亘(いとう わたる)

🇺🇸フロリダ ディズニーワールド常設ショー
Cirque du Soleil 「Drawn to Life」
男子新体操アーティスト🤸‍♀️

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・インターハイ団体優勝
・全日本新体操選手権大会団体4連覇
・テレビ東京「年忘れにっぽんの歌」鳥羽一郎コラボ 出演
・BS11「ザ・チーム〜勝利への方程式〜」出演
・TBS「音楽の日」三浦大知コラボ 出演
・Avex主催 「STAR ISLAND」サウジアラビア公演 出演
・中学、高等学校第1種教員免許状
・日本スポーツ協会公認 スポーツリーダー

20年以上続けてきた「男子新体操」というスポーツをより多くの人に知ってもらうため、日々活動をしています!! 頂いたサポートは、今後の活動費、またはその勉強のために使わせていただきます!🙇‍♂️✨ また、サポートとともに記事のリクエストも募集しております。