全日本選手権を終えて
こんにちは!
大会自体は今日が1番盛り上がる決勝の日なのですが、僕自身は昨日の予選を勝ち上がることができなかったので…
少し早いですが振り返りをしていこうかなと思っています。
5年ぶりの復帰
今年、5年ぶりに現役復帰をしました。
最初の頃はめちゃめちゃ練習がしんどくて、毎日筋肉痛に襲われてました。
「いやいや、あなたシルクドソレイユで第一線で体動かしてたんでしょ?」と思うかもしれませんが、新体操の団体演技は全く違うお話です…。
正直言っちゃうと、パフォーマンスってそんなにキツくないんです。
パフォーマンスは見てる人が喜べばいいので。
(そうは言ってもキツイですけどね。)
でも、新体操競技は違います。
「運動量」という言葉が採点規則に含まれているように、どれだけキツイことするかが大事なのです。
だからまずはキツイことを追い求めるという姿勢に慣れる必要性があったんです。
かっこいい技、見栄えがする動きじゃなくて、キツイ技、キツイ動きを追い求めるという「攻めの姿勢」を思い出して体に入れていく作業がとっても大変でした。
社会人特有の不安
新体操についてめちゃめちゃ端的に説明すると、練習したもん勝ちなスポーツです。
たくさん練習して、たくさん同じ動きを繰り返して、100発100中を作った人が勝ちます。
だって対人で行うこともなければ環境要因も変わらないので。
でも、社会人って練習が満足にできないんです。
時間が合わなかったり、場所がなかったり、家族や仕事の兼ね合いで100%の力をそこに注げなかったり。
僕たちのチームはみんなが同じ会社に所属しているので比較的練習はしやすいです。
ただ、そうだとしても週2回の練習が限界でしたし、フロアの上で練習できたのは片手で数えられるほどです。
練習ができない。
100回やったら100回成功させる自信がない。
この状態で試合に行くのはすごく不安なんです。
大学の時の経験で「ここまで詰め切ればひとまずは大丈夫」というラインを知っているからこそ、そこに全く達してないのに試合会場にいるというのが不安で仕方なくて。
8月のジムドリームフェスティバルの時はとってもドキドキしてました。
「体力持つかな」って。
クラブ選手権の時も実はドキドキしてました。
「意味わかんないミスしちゃわないかな」って。
もちろん、全日本選手権も不安でした。
「全然練習できなかったけど大丈夫かな」って。
このレベルの不安を抱えている時って、自分に言い聞かせる言葉はこれ一択なんです。
「怪我だけは絶対にしないように」
本気でがむしゃらに頑張ると怪我をする可能性があるから、ある程度パワーを落として落ち着きながら確実に動くしかない。
なんだかスッキリしないんですよね、これ。
プロになりたい
そのスポーツをしていて収入を得られるようになったら「プロ」と呼ぶのだと僕は思っています。
プロは練習をして結果を残すことが仕事なので、そこに全力を注ぎます。
全力を注ぐことができるから、それなりに結果を残します。
そして、そこに憧れる人がでてきます。
僕らもそうなりたいんですよね。
でもやっぱり難しい。
勤務中に練習をしちゃうと会社の収益が減るし、会社の収益をそこに注ぎ込めないから衣装も曲もお借りする形になってしまうし。
かと言ってお休みの日に練習をすると疲れと不満が溜まる。
でも時間をかけないといい演技ができない。
人々を驚かせられない。
うん、難しい。
だから今年はみんなでアイデアを出しながらアプリを活用した支援集めをしましたが、それも仕事と両立しながらやってるからファンの方に喜んでいただける返礼品を考えきれなかったし、返礼品の送付も時間がかかってしまっているし。
うちのクラブチームの子供達にはいい経験をさせてあげたいし、何よりカッコいい先生でありたい。
憧れでなければならない。
そして、自分がこれまで頑張ってきた時間に価値をつけたい。
新体操を頑張りたい理由はたくさんあるんだけど、やっぱり壁がいっぱいで難しいんです。
まだまだ体は動きます。
「もう体がもたないから無理だー」っていう感じは一切ないです。
でも来年は未定です。
会社にとってプラスになっていないのは事実だし、でも会社の向かいたい(向かうべき)方向ではあると思うし。
どうせやるなら勝負できる社会人でありたい。
どうせやるなら目指したくなる選手でありたい。
またオフシーズンにゆっくり考えれたらなと思います。
おまけ
今回、第2タンプリングで僕が大きなミスをしてしまいました。
これによりおそらく大減点を食らっているのですが、それについて詳しくTwitterなどで解説したいと思います。
お楽しみに。
井藤 亘(いとう わたる) 名古屋アクロバットスクール
20年以上続けてきた「男子新体操」というスポーツをより多くの人に知ってもらうため、日々活動をしています!! 頂いたサポートは、今後の活動費、またはその勉強のために使わせていただきます!🙇♂️✨ また、サポートとともに記事のリクエストも募集しております。