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コンプレックスを薄める

日本に帰ってきてからはや1ヶ月半。
日本人はコンプレックスを持ちやすい環境にいるような気がする。

なぜかわからないが、僕は昨日ふと思った。
「なぜ人はコンプレックスを感じるのだろうか?」と。

その答えを導き出すまでに多くの時間は必要なかった。
理由は簡単。
他人と比べてしまうからだ。

他人と比べるから自分が劣っているものを見つけてしまうのだ。

「人と比べないことができたらいいのに」

誰もがそう思うかもしれないが、それは不可能だと僕は思う。
なぜなら、人と比べなければ自分という人間がなんなのかもわからないからだ。

人は、自分と他人という関係性の間でアイデンティティを確立していく。
身長が170センチあることも、体重が60キロであることも、高卒であることも、飲食業でのアルバイト経験があることも、全ては他人との関わりがあるからこそ必要な情報であり、自分一人だけの世界であれば必要ないのだ。

つまり、他人と自分を区別するために比べるのであり、その過程の中で見つけたものの中にはいいものもあれば悪いものもある。
そう、その悪いものこそがコンプレックスである。

余談ではあるが、僕のコンプレックスは自分のコミュニケーション能力にある。
今でこそかなりよくはなったが、小さい頃の僕は人見知りが非常に強かった。
初めて会う人がとにかく苦手だったし、人だけでなく初めての土地、初めての景色、初めての経験など…
普段から慣れていないものがとにかく苦手で、いつも自分のコンフォートゾーンに収まりがちな自分の性格があまり好きではなかった。

そんな想いが積み重なり、いつしか僕は「自分はコミュニケーションが苦手だ」と思うようになった。
コンプレックスになったのだ。

しかし、それは年齢を重ねるうちに解消されていった。

それはなぜか。

たくさんの人に会ったからだと思う。

家族の輪を飛び出して地元を離れ、
友達の輪を飛び出していろんなところに住み、
新体操の輪を飛び出して就職し、
日本という輪を飛び出してチャレンジをした。

自分が心地いいと思う輪から飛び出していろんなタイプの人に会ってきたし、いろんな人種の人に会ってきた。

そうやって多くの人に出会ううちに、人と人はそんなに簡単に比べられるものではないと気づいた。

だから僕のコンプレックスは年々薄まってきている。

さて、冒頭の話に戻るが、「日本人はコンプレックスを持ちやすい環境にいる」とはどういう意味なのかを説明したい。

ここ数年、日本へ移住するアジア系の外国人の方がすごく増えているように感じるが、それでも日本は日本人という民族がベースとなって生活をしている国だ。

一方、僕がついこの前まで暮らしていたフロリダ州は人口の半数弱をスパニッシュ系の方が占めている。
アメリカ国内にも関わらず、スペイン語を第一言語として話す民族の方達が純アメリカ人と同じ割合くらいいるのだ。
しかも、韓国人や中国人も多い。
かなりごちゃ混ぜな環境なのである。

この環境の中では「人と比べる」という行為ができない。

なぜなら、みんな条件が違うからだ。

言語、肌の色、体の特徴、生活様式…
全てが違うので比べることができない。

では日本はどうだろう。

同じ言語を話し、同じ肌の色で、体には大差がなく、生活様式も一緒。
身体的・文化的な条件が全て揃ってしまっているため、性格にスポットを当てて比べてしまうのだ。
だから日本人はコンプレックスを持ちやすいのだと僕は考えている。

このことからわかるのは、コンプレックスの解消には海外へ行くことが有効であるということだ。

ただ、必ずしも海外にいかなければいけないというわけではない。
「すごいな〜」「面白いな〜」と、手放しで思える人が見つかる環境があるのであれば国内でもいいと思う。

とにかく重要なのは、「比べる気にならない人と出会う」ということだ。

そもそも体の特徴や成育環境が違えばその時点で自分のアイデンティティが確立するため、他人と性格を比べらながら自分の特徴を見出していく必要がない。
人は人、自分は自分という感覚の中で生きていけるのは非常に楽なことだ。

だから僕は、悩んでいる人がいたら海外に行くことをお勧めしている。
1年でも2年でもブラーっと海外一人旅に出たらいいと思っている。
そうすることで生き方の軸が見つかるからだ。

海外が心地よければそのまま住めばいいし、やっぱり日本がいいなと思うのであれば帰ってくればいい。

どちらを選ぶにせよ、一人旅をする前にあったような悩みとはぶつからなくなっているはずだ。


井藤 亘(いとう わたる)
名古屋アクロバットスクール

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名古屋市立原中学校ー埼玉栄高校ー青森大学ーシルクドソレイユー株式会社bakuten

3歳から男子新体操を始め、中学校3年生時の全日本ジュニア出場をきっかけに、埼玉栄高校へ進学する。
骨折などの大きな怪我を克服しながら3年時にインターハイで団体優勝し、名門・青森大学へ進学。
大学では、全日本選手権・全日本学生選手権ともに4連覇を果たし、4年時には主将も務めた。
卒業後は、幼児・小学生を対象にスポーツ指導をしていたが、パフォーマーとしてイベント出演したことをきっかけにシルクドソレイユのオーディションを受け合格し、渡米。
在米3年半、計650回以上のパフォーマンスをした後、帰国。
現在は自身のアクロバット教室を運営している。

【実績】
・インターハイ団体優勝
・全日本学生新体操選手権大会団体4連覇
・全日本新体操選手権大会団体4連覇
【出演】
・Cirque du Soleil「Drawn to Life」
・Avex主催「STAR ISLAND」サウジアラビア公演
・大阪ガス主催「10歳若がえりセミナー」講師
・Athlete Business United 「人に伝わる文章術講座」講師
・東京テレビ「年忘れにっぽんの歌」鳥羽一郎コラボ
・TBS「音楽の日」三浦大知コラボ
・BS11 ドキュメンタリー「ザ・チーム 勝利への方程式」
【資格】
・中学、高等学校第一種教員免許状
・ビジネスアスリート2級
・日本スポーツ協会公認スポーツリーダー

20年以上続けてきた「男子新体操」というスポーツをより多くの人に知ってもらうため、日々活動をしています!! 頂いたサポートは、今後の活動費、またはその勉強のために使わせていただきます!🙇‍♂️✨ また、サポートとともに記事のリクエストも募集しております。