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「隠す」って何?(2)

こんにちは!
こちらは1月25日16時です!

本日の話題

今日は、先日の「隠す」の解説の続きを行っていきます。
前回、「隠す」には2つの意味があると言いました。

1、汚い・見栄えが悪いから隠す
隊形移動の都合上、隠す
2、構成の見せたい部分を強調するために隠す

今日は、2の「構成の見せたい部分を強調するために隠す」についての話になります。

見れば見るほど見つかる「隠す」

前回同様、軽いクイズ形式の動画を見ながらいきましょう。

最初に跳んだ3人の中の一人が、一番後ろから回り込んで一番最後に跳んでいます。
その回り込む姿を、前に一人ずつジャンプで出ることによって隠しています。
このフレーズは、一人ずつ等間隔のリズムで順番に動きをするので、目立たせたい人に自然と目がいきやすくなっています。

また、等間隔のリズムで動いているが故に、3人目も真ん中で同じジャンプの動きをするかなと思ったら、予想に反して一番右端から飛び出すという意外性も持ち合わせています。

ここで見せたいものは、意外性になります。

一番最初に目立った人が、中に引っ張られて…。
そこまでは見ているけど、手を振り回す人がいっぱい来て、その人へ焦点は合わなくなりますね。
最終的には、一番最後に手を振り回す人として、ひょっこり現れて、しっかりと隊形に収まっています。

見せたいものは、一瞬の隊形移動と共に行うカノン(同じ動きをバラバラのタイミングでやること)です。

みんなで動き出す瞬間に、するっと一番後ろに抜け出して、低い姿勢で…

待機!!笑

でも、なかなか気づきませんよね。
なぜかと言うと、その前で隠す動きと隊形移動が行われているからです。
そして最後は、かっこよく飛び出して来てポーズ。

こちらも、見せたいものは意外性です。

これは、割と隠し度が低いものですね…。
ちなみに、赤い枠の人は僕ですが…笑

半円の形を順番に手を上げてつなげていき、最後は、その方向に人が飛び出すといった構成になっています。
僕はいつも、自分のことを中心にこの映像を見てしまうくせがあるので、隠れられているのかわからないのですが、ちゃんとこちらの意図通りに目線を動かしてくれていれば、きっと大丈夫でしょう!笑

見せたいものは、カノンと共に出来上がる曲線の美しさです。
こういった曲線は、演技の流れの良さを感じやすいです。

イレギュラーな「隠す」

こちらは、イレギュラーな「隠す」です。
この構成は、3人ずつの動きを3つ組み合わせたものなのですが、前後で3人グループを2つ作って動いています。

最初の人は、後ろのグループから前のグループへ。
2人目の人は、前のグループから後ろのグループへ。
それ以外の人は、後ろの動きだけの人と前の動きだけの人で別れています。

実はこの構成、前と後ろの人を入れ替えないでもできてしまう構成なんです。
では、なぜ入れ替えると言うと…。

人がいっぱいいるように見えるから

です。
人が消えては増えて、増えては消える。
でもどんどん隊形は進んでいくし、変わっていく。

つまり、ここでの見せたいものは、回転しながら行う隊形移動です。
こうやって構成を作ると、人がいっぱいいるように見えて、より多くの運動量を感じます。(実際に運動量も多くなります)
運動量についてはこちらから

これについては、一番最初に紹介した動画の構成も同じことが言えます。
本当は構成を作っていく段階が見れると、その違いがわかりやすいのですが、なかなか見つからなくて…。

こういった構成を作るのは、すごく時間がかかるし、なかなか上手くいかないので諦めたくもなります。
実際に、そこが上手くいかなくてボツになるものも沢山あります。

まとめ

2回にわたって解説を行いましたが、いかがだったでしょうか?
何か質問があればいつでも気軽にメッセージをください!

また、Twitterでいつでも”こんなことが知りたい”といった要望をくだされば、ほぼ100%の確率でお応えしますので、こちらもいつでも気軽にお願いします!

ではまた次回!

井藤 亘(いとう わたる)

・シルクドゥソレイユアーティスト(Cirque du Soleil)

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20年以上続けてきた「男子新体操」というスポーツをより多くの人に知ってもらうため、日々活動をしています!! 頂いたサポートは、今後の活動費、またはその勉強のために使わせていただきます!🙇‍♂️✨ また、サポートとともに記事のリクエストも募集しております。