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【アニメ感想】名探偵コナン 第1064話「夢見る貴婦人、最後の恋」

―視界を遮る謎の雲、推理で晴らしてSPARKLE!
 最後の恋に心焦がれる、
 貴婦人を巡る嘘と愛!
 たった1つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人。
 その名は名探偵コナン!―

脚本は稲本達郎さん! やっと扇澤スパイラルから抜けた感あるね!笑

登場キャラはコナン・蘭・園子! コナンくん正装だ~♡ そして園子の脳内イメージで京極真さんも登場!
ゲスト声優は風間丈治役:咲野俊介さん、風間ユキ役:真堂圭さん、中年女性役:須川晶紀さん、銀行員役:渡井奏斗さん、鴨川ハル役:杉山佳寿子さん。



▼今週のゲスト声優について

相変わらず、アニオリのゲストキャラクターの逮捕率の高さたるや!
今回も名前付きのゲストが3人いて、3人とも逮捕!

風間ユキ(偽名?)役の真堂圭さんは意外なことにコナン初出演!
とっくのとうに出演されてそうなのに……。

風間丈治役、咲野俊介さんは、最初はハルを騙すイケボのおじさんで登場。しかし大金が手に入ることを確信してからは、小五郎的なギャグおじさんになって、咲野さんの演技の幅が楽しめた!

そして、鴨川ハル役は杉山佳寿子さん! 出演は『探偵たちの鎮魂歌』以来2回目。まさかの大御所声優登場でビックリ!!!
杉山さんのお芝居、めちゃくちゃ良いな~~~。上品な老婦人の声はピッタリだし、恋してる時のハルの声や、コナンに正体がバレた後の食えないお芝居。最近のアニコナは若手声優さんが多かったから、大御所の方が出られると重厚感が増して良いな~!


▼鴨川ハルの「初恋」と「最後の恋」

鴨川ハルの動機は、風間丈治に騙されてすべてを失ったまま亡くなった親友の弔い合戦だった。
途中まで、ハルの動機は「夫の弔い合戦」かと思って観てたけど、丈治に騙されたということは恐らく親友は女性。
それに、詐欺のスリルに対して「少し遅すぎる初恋」と表現していることから、ハルは貞淑な女性だったんだろうね。
(ハルのリムジンのナンバー、「1122」で「いい夫婦」だ。放送日がいい夫婦の日と近いからかな)

一方、タイトルには「最後の恋」とある。
これは丈治に対するものと思いきや、これもまた「詐欺=犯罪」のことなのかな。
ハルの逮捕後、彼女に対する解釈は蘭と園子・コナンで分かれた。
蘭は「ハルの目的は、丈治が騙し取った金が被害者の元に戻ること」
園子とコナンは「ハルはずっと詐欺がやりたくてうずうずしていた」
と解釈している。
「最後の恋」が「詐欺」なら、ハルはもう二度と詐欺を行わない。目的は達成された、という意味なので蘭の解釈に一票!


▼探偵に恋するコナンくん

いや~~~、今回のセリフで一番良かったの、やっぱりコナンくんの「オレだって恋してるのさ! この、探偵ってやつにな……」だよね!? みんなそうだよね!????

個人的に、新一の中での「探偵のポリシー」が変化したのが、「宮野明美」と「浅井成実」の死だと思っている。
1巻では新一は「探偵のスリル」を行動原理としていた。

『名探偵コナン』1巻・FILE.1「平成のホームズ」

これは、ミステリ小説における「名探偵モノ」に多くあるキャラクター設定だ。探偵は事件を解決するが、その行動原理は必ずしも「正義」だとは言えない。例えば『オリエント急行の殺人』のポアロは犯人を見逃すし、『僧正殺人事件』のファイロ・ヴァンスは犯人を毒殺する。

しかし、幾多の事件を経て、新一(コナン)にとっての探偵は、「被害者を出さないため」「大切な人を守るため」といった、「正義」を含んだ理由に膨らんでいった。
それが、今回のセリフのように「探偵のスリル」を楽しんでいる部分が垣間見えると、新一の根本が変わっていない安心感が得られると同時に、今の彼がちゃんと「コナン」であり、「新一」でもあるということが分かる。

『名探偵コナン』46巻・FILE.10「不滅」


今回は「江戸川コナン、探偵さ!」もあるし、正装であることに意味があった回だった~!
(あと、違うリムジンを覗いちゃったコナンくんの「ごめんなさい、間違えちゃったみたい」が可愛すぎる笑)


▼アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』

★★★ここから先、『スタイルズ層の怪事件』のネタバレが含まれているので未読の方はご注意!!!★★★
老婦人と年の離れた男の結婚、財産目当てで起こる事件……! 今回は、アガサ・クリスティーの処女作『スタイルズ荘の怪事件』を併せてご紹介しよう!

物語の語り手・ヘイスティングズは、旧友ジョン・カヴェンディッシュに招かれ、ジョンの妻メリイやジョンの弟ローレンス、ジョンの養母エミリイ・イングルソープらと対面する。エミリイは老女ながら、20歳も年の離れたアルフレッドという男と再婚していた。
ヘイスティングズが邸に泊った夜、エミリイは発作を起こし、死亡する。居合わせた毒物学者のバウエルスタイン博士の見立てでは、毒殺のようだ。
そこで翌日、ヘイスティングズの知り合いで名探偵のエルキュール・ポアロが捜査にやってくる!

これが処女作とは思えない程の巧妙なプロット! 登場人物が多いのに、全員いったん疑いの目が向けられるのが面白い。コイツが犯人か? と思ったらコイツか? と思わせておいてコイツなのか……?と。
事件の複雑さは、犯人のトリックだけでなく、他の登場人物たちがとにかくウロチョロかき乱したことが原因。

さて、真犯人はなんとポアロが冒頭から「犯人ではない」と否定していた、アルフレッドその人。また、彼のいとこイヴリンも共犯者で、2人は共謀し、エミリイの遺産を手に入れようとしたのだ。
しかし大切な人を庇おうとしてウロチョロする登場人物たちによって、計画はどんどん狂い、事件も複雑化していった……。

本作はクリスティー処女作であり、エルキュール・ポアロ初登場作。
「灰色の脳細胞」の単語も、ちゃんと出ています。

「それはいけませんでしたねえ。わたくしはずっと手紙を頼みにしていたのですよ。でも、もうそれはいけませんな。この事件はすべて内側からほごしていかなくてはね」彼は額をかるく叩いた。「この小さな灰色の脳細胞です。"これに責任あり"です――あなたがここでおっしゃったように」

『スタイルズ荘の怪事件』アガサ・クリスティー著/田村隆一訳、ハヤカワ文庫


▼まとめ

真さんガラケーなんだね! 解釈一致だ……笑
とにかく正装コナンくんがカッコイイ回だった……! こういう回は、正装に限るね!

そして次回もアニオリ! タイトルはまたしても探偵小説からの引用。『ホワイトアウト』、『わるいやつら』、『探偵は眠らない』……何か意図あるのかな?


そしてアンドレ・キャメル役の梁田清之さんが逝去されたとのことで……。ビックリしました。次回登場でキャメル大活躍だから、楽しみにしてたのに……。梁田さんといえば、『SLAM DUNK』のゴリ、『デジモンテイマーズ』のガードロモン、『BLEACH』のテッサイさん、『忍風戦隊ハリケンジャー』のタウ・ザント……、子供の頃に見ていた作品で馴染み深かった方。本当に残念です。


蘭・園子「Next Conan's HINT!」
コナン「木曜日!」
園子「できた!」
蘭「何が?」
園子「100歳になったらやりたいことリスト~!」
コナン「前向き!」


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