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輝かしい人生を歩むために必要なもの~マルクス・アウレリウス『自省録』~

『ランプの明かりは、その燃料が尽きるまで輝き続けるのか?
ならば、おまえの うちにある真理や正義、自制も、
その命が尽きるまで輝きを保てるはずではないか?』
~マルクス・アウレリウス『自省録』~

アヴァロンは彼のその身長にふさわしいある種の威厳を示して言った。
「職業の目的を他者貢献や社会貢献とするならば・・・
自分ひとりの炎で周りを明るくするには限界があるさ。
如何に周りも含めて燃え上がらせるか。
周りを巻き込む力も大切だ。
そしてただ燃え上がるエネルギーがあればいいってわけじゃないだろう。
最初に日をつける役割、
酸素を供給する役割、
安全に燃え上がらせる役割、
自分にあった役割を探すのも大切だ。」

「誤解を恐れずに言うのなら、真理の中には
その人自身の楽しみも含まれていると考えるよ。
自分自身に対する徳として、自分の人生を充実させるための
楽しみを探すことも自分の責任なのさ。」
トランブルそういうと、自分の楽しみはこれさと言うように
スコッチのソーダ割を口に運んだ。

ドレイクは穏やかなしゃがれ声で言った。
「燃料と言うのはオイルだけじゃないだろう。
酸素がなければ炎は燃え続けることはできない。
オイルが自分の命や意思だとしたら、酸素は一体何か?
答えは環境だよ。どんなに意思が強くても自分の環境が良くなければ
大きく燃え盛ることはできない。
逆に言えば、どんなに環境が悪くても、小さくても輝き続けることもできる。」

ルーピンは薄笑いを浮かべて言った。
「炎の色に着目したいね。完全燃焼しているのか、不完全燃焼なのか。
大きく燃えている炎はその実、湯を沸かすには不適切だ。
青く、形が整った炎の方が効率的に熱を伝えることができる。
Dr.ドレイク、君が言う通り環境は大切だよ。
酸素だけではない、炎色反応によって炎は様々な色になる。
自分がどんな炎になりたいのか見定めて、
そのための環境に身を投じる、準備することが肝要だね。」

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