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歌舞伎初心者アナウンサーのひとりごと。~36年の時を経て、奇跡の舞台がいまここに! 2021年4月歌舞伎座・桜姫東文章上の巻~

こんにちは!
歌舞伎が大好きなフリーアナウンサーの渡邉唯です☆
今回は21年4月に歌舞伎座で行われた四月大歌舞伎から第三部「桜姫東文章 上の巻」について綴ります。

道ならぬ恋に落ちた僧・清玄&悪党・釣鐘権助を片岡仁左衛門さんが、
清玄の禁断の恋の相手・白菊丸&白菊丸の転生・桜姫を坂東玉三郎さんが
それぞれ一人二役で演じられました。
「四谷怪談」などで知られる四世鶴屋南北の作品。実際にあった殺人事件や当時巷で噂されていた怪談話や伝説を盛り込む作風を得意としていた南北。
「桜姫」も、僧侶と稚児の禁断の恋、無理心中に手籠め、殺しや、転落劇とタイトルの華やかさとはかけ離れた退廃的なお話です。


奇跡の舞台が、いまここに復活。

とにかく奇跡の今回の桜姫。
何が奇跡かといいますと、同じく人間国宝の片岡仁左衛さんと坂東玉三郎さんが今作では36年ぶりに、36年前と同じ配役で公演されたのです。
現在”ニザ玉”コンビとして、多くのファンを魅了させているお二人。
最初にこのコンビで桜姫が上演されたのは昭和50年(’75年)。仁左衛門さんはお名前が襲名前の片岡孝夫で”孝玉コンビ”として親しまれていました。お二人はその頃20代半ば。長身で年齢以上の艶やかさを放つお二人の舞台は、大盛況で瞬く間にゴールデンコンビとして愛されるきっかけになった作品だそうです。
今回36年の時を経てこの令和の時代にゴールデンコンビによる桜姫がよみがえったのです。

息をのむ”上品な”官能シーン。

「桜姫東文章」と切っても切り離せないのが濡れ場。歌舞伎においての濡れ場は、様式化され舞踊的に演じられることが多く、リアルな表現は少ないのが特徴です。しかしこの桜姫は、もちろん肌は見せないものの、かなりリアルな演出で艶めかしいシーンを表現します。

初心者なので、観劇するときは事前に必ず作品について勉強してから劇場へ伺うようにしています。今回、私にとって初の桜姫。また、歌舞伎のラブシーンを見ることも初めてだったので「歌舞伎のラブシーンって・・・?え?どんな感じなの!?」とかなりドキドキしていました・・・(笑)

さあ、その濡れ場ですが・・・、一言で表現させていただくと、
たまりませんんんんんんんんんんんんnnn!!!!!!!」(笑)
いや、これはあの場にいた皆様がそう思われたはずっ!!!!!
かなり際どい表現をされているはずなのに、野蛮ないやらしさはなく、むしろ甘美で幻想的な時間が流れていました。あの瞬間、観客がゴクリと息を飲む音、そして会場の空気がパタッと止まったような気がします・・・。

ポスターからも、妖艶さは伝わります。。。


奇跡はまだ終わらない。

今回の桜姫は4月に「上の巻」を6月に「下の巻」と月を分けての上演です。
4月の上の巻は、起承転結の”承”部分。まだまだ凄惨なことが沢山起きます。話の続きとなる6月公演予定の「下の巻」。配役はもちろん上の巻と同じ。
そうです。ゴールデンコンビによる奇跡の舞台がまた見られるんです!

四月大歌舞伎は、緊急事態宣言の発令により、あと4日間を残して公演中止となってしまいました。
本来なら5月3日に幕を開けたはずの五月大歌舞伎も当面中止されています。五月大歌舞伎も観劇予定だったので今後どうなるのかとても心配ですが、
六月大歌舞伎は無事に幕を開けることができるのかとても不安な方が多いと思います。

歌舞伎座は徹底した感染症対策が施されていて、安心して観劇することができていたので、ファンとしてはもどかしい思いがあります。ですが、今は、早期の公演再開を願うとともに、また歌舞伎座で奇跡の舞台が見られることを心から願いたいと思います。


最後までご覧くださりありがとうございました。
渡邉唯でした!

Instagram:https://www.instagram.com/watanabeyui.0108/


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