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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
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#小説

俺が悪霊を殺(や)る理由

3分間バトル小説「悪霊ハンター@MATUYAMA」   初出 2019年11月8日 ⚠️ショッキングなシ…

ことり
1か月前
9

由布岳の輝き

 四国愛媛から一路湯布院を目指す。1時間のフェリー乗船の後、一般道路から高速道路に乗る。…

stominaga
5か月前
5

北の工作員

 私は、羽田空港から島根出雲空港に向かっていた。取引先の工場に、あいさつがてら営業活動を…

stominaga
9か月前
7

冬の季節

冬が来た 妙に静かな外の空気に ああ、冬だと思う 雪は音を吸収するらしい だから冬の朝は  …

水川ぽとす
10か月前
4

芋煮会

 芋煮会のことを、わが故郷、愛媛では芋炊きという。私が芋煮会という言葉を知ったのは、東京…

stominaga
10か月前
7

線香花火

 二本の線香花火が火花を散らしている。  あっと思った瞬間、ジュッと音をたてて、線香花火…

stominaga
11か月前
6

ゾンビレンズ

ゾンビレンズ   これはリアルなのか、バーチャルなのか。  時は20xx年、地球上ではゾンビウイルスが猛威をふるっていた。ワクチンはまもなく開発されたが、ウイルスの変異も早く、なかなか収束のめどが立たない。そんな中、日本のベンチャー企業、オプティカルテックジャパンが、画期的な商品を開発した。  ゾンビレンズ、コンタクトレンズにバーチャルリアリティを用いた特殊な加工を施し、そのレンズを通すとゾンビウイルス患者は顔が青白く光るのである。同社はすぐに特許を取得。大々的に売り出した

風がザァーッと通り過ぎて 髪が顔に降りかかる 春 この時期の風は 透明な虹色 そこかしこに咲…

1

さらば人類

「ご臨終です。」  医者の乾いた言葉が響いた。私の人生が終わった。長かったような短かった…

stominaga
1年前
5

タイムマシンにお願い

 読経が続いている。ここは愛媛県、今治市。多島美を誇る瀬戸内海の中でも、ひときわ大きい島…

stominaga
1年前
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手錠    #ショートショート

ある日の事、業務を終えた私は、この日の営業活動を日誌にまとめていた。すると上司が目の前に…

鈍亀
1年前
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お題小説企画「あい」究極の愛

白い皿にブルーアイ。スプーンにのせて口に運ぶ。甘く滑らかな君の味が口腔にひろがり思わずト…

ことり
1年前
5

「あい」

私は小学1年生の女の子。 私の席は、教室で一番右側の最前列になります。 そう、私の出席番号…

鈍亀
1年前
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必ず、また会える

年に一度の夏祭りの日。 あ…… え……? 家族連れでごった返すお祭りで、幼馴染の僕と彼女は、丸々一年ぶりに顔を合わせた。偶然のようで、必然のようで……まあ、それはどちらでも良いのだけど。 少しだけ、人混みから離れて、僕たちは近況を話し合った。 どうやら彼女は地元の短大に進学したようで、相変わらず色白で可愛くて、そして……彼氏はいないとの自己申告も得た。 高3の夏以来、一年ぶりに言葉を交わす彼女は幼馴染で同級生。同じブロックに家があった僕たちは、ほんの一週間でも顔を合