ごく普通のサラリーマンが無人のレコード屋(&古本屋)をやってみた その5 〜レコードを仕入れようの巻〜
過去の記事はこちら。
ごく普通のサラリーマンが無人のレコード屋(&古本屋)をやってみた その1 〜開店準備にてんやわんやの巻〜
ごく普通のサラリーマンが無人のレコード屋(&古本屋)をやってみた その2 〜オープン前に課題は山積みの巻〜
ごく普通のサラリーマンが無人のレコード屋(&古本屋)をやってみた その3 〜オープンして一ヶ月経つのに人が来ねえ の巻〜
ごく普通のサラリーマンが無人のレコード屋(&古本屋)をやってみた その4 〜ラジオに出たら人気者 の巻〜
お店のホームページはこちら。 リニューアルしたよ!!
https://www.mujinrecords.com/
【前回までのあらすじ】
ごくごく普通のサラリーマンの僕は、本業の傍ら古本とレコードの無人販売店を経営することに。文京区千石の築60年の物件を借り、本とレコードを友人たちから譲り受け、無人販売のシステムを作った。オープンから一ヶ月お店は大赤字。集客に向けて、ソファや視聴用レコードプレーヤーを設置。また、ラジオへの出演も実現した。ただ、まだまだ赤字!
【はじめに】
まずはお詫び。更新がめちゃくちゃ遅くてオープンしてから一年以上がたっているのにnoteでは4か月目くらいのことまでしか書けていない。最近いろいろな場所でnote読んでるよ!面白いね!などと言ってくれることが増えてニヤニヤしているのだけれど、何せ筆(ならぬタイピング)が遅くて全然更新が進みません。前回の記事を見たら12月25日だった。もう三か月も経っている&クリスマスに何やってんだ僕は。
今回のお話はみんな気になっていると思われる、レコードってどこから仕入れているの?問題について。昨今のブーム&物価高でレコードの値段はぐんぐん上昇。今HMVでしらべたら新品の2枚組LPが6,600円。ちょっと良い目のディナーに行ける。10年前くらいは2枚組でも3,000円くらい。中古のレコードの相場も爆上がり。
ただそんな中でも僕は一応「なんちゃってレコード屋」を名乗っている以上安く仕入れて、その金額よりも高くうらないといけない。正直仕入れについては完全に見切り発車でオープンしてしまったために4か月後には売れるものがほとんどなくなってしまった。
完全ド素人でノウハウが全くなかったので、そこから手探りで仕入れについていろいろと試してきたのだが、今は「おそらくムジンにとってこれが正解で筋がよいであろう」と思われる手段に至っておりそれを磨きこみはじめ中。ちょっと特殊な形態(無人なので高いものは売れない&リソースあまりかけられない&ネットショップはやらない方針)なので、他店の仕入れを半ばパクりつつ、半ばカスタムしつつ。
正直あまりカッコよくないやり方なので書こうか少し迷ったのだけれど、もう十分に恥はさらしているので関係ないやという判断です。間違っていたり、こういうやり方もあるんじゃない?だったり、お前全然わかってないなー、などあればジャンジャンコメントいただけますと泣いて喜び、踊ります。
今回はキューバに行ってレコードを掘った話も書いているのでもり沢山でございます!
【オープンから4ヵ月後の売り上げ】
6月は売上がちょこっとあがったけれどまだまだ不十分。ここの売り上げをグイっとあげるために商品面の投資を実行する必要あり。
7月は古着屋さんの売り上げを加算しているのですが、6末から7月頭にちょっとレコードを追加したのでレコードの売り上げは倍程度、くらいかな。
【そもそもレコードって誰が買うの?】
僕が初めてレコードを買った十数年前、20代・30代でアナログレコードを買う人はほとんどいなかったように思う。周りにはDJが多かったけれど、ごくごく一部がテクニーク(今は亡き)、ライトハウス、ディスクユニオンに通っていて、大半はbeatportなどのウェブサイトから音源を購入して、CDに焼いたりUSBに入れてCDJで曲を流していた。EDMが流行っていた時期だったし。HIPHOPのDJとほんの一握りのハウスとテクノのDJだけがレコードを買っているイメージ。
今はそれがかなり変わってきているようで、レコードで回す若いDJが多くなってきているらしい。またDJはしないけれど音楽好きなちょっとカルチャーよりの20-30代がホームリスニング用でソフトロックのレコードを買う。みたいなところも増えているようだ。
全部伝聞系なのは、もうクラブにほとんど行かなくなってしまったし、20代の友達もほとんどいないから。(間違っていたらおっさんの戯言だと思ってスルーしてください)
一方で40-50代の音楽好きシニア達はずっとレコードを買い続けているイメージ。ジャズやレアグルーヴ、あとすこしダブ。中古でも3,000円以上するものをポンポン買う。(最近僕も個人的にレコード買うときはこの傾向に近づいてきている気がする。お金ないのに!)
ムジンレコーズがメインで狙っているのは、
・DJでレコードを使うであろう層
・ホームリスニング用でレコードを買っている比較的若めの層
無人店舗の性質上、防犯の観点から中価格帯以上のレコード(いったんここでは2000円を超えるものとする)を置くことをしていない。
なので、①安価でDJプレイで使えるもの。や、②今まで聞いたことがなくて、高い金をだして買うのはちょっとな、安ければいいけど。みたいなニーズを抑えにいっている。
①については、レコード屋さんの100円コーナー的なイメージ。Strictly RhythmやNervous、たまにダンクラ。やっすいけどフロアで機能するもの。
②については、ジャズやソフトロック、ソウル。1,000円もしないけど全然聞けるものが多くあるのはこの辺が多いイメージがある。(超主観)
アナログレコードの魅力的なことは、ほかの雑誌やWEBメディアにたくさん書かれているのでそちらを参照ください。でも一つ言いたいことは、これからDJをしたいなと思っていて、レコードでするかデータでするか迷っている人は絶対データのほうがよいです。
過去に二回だけ、クラブで女の子から話かけられて、抜け出さない?と誘われるという、(当時)童貞+イケてない男子の僕にはスーパー激アツな展開があったのだけれど、DJブースに置いていたクソ重いレコードバックを取りに行って戻ってみるとまるで幻のようにその女性は消えていた、ということがあり。
レコードでDJなんてするもんじゃないよ!まったくもう!
【私のレコード購入遍歴】
レコードを熱心に買い漁る人のことをディガーと呼ぶ。Digする人。レコードを一枚一枚両手をつかってみていく様がまるで穴を掘るさまに似ていることが由来らしい。僕自身はさほどディガーではなく、平均的なレコード購入者といった感じ。(社会人になってからは月2マンも使っていなかったと思う。学生時代はもう少し多い)
ただ、レコードを買う行為。街中にあるレコード屋やリサイクルショップを見つけて、棚を掘り進め宝物を探し当てる一連の流れはめちゃくちゃ好きだ。大体レコード屋は街の地下や雑居ビルに隠れていて、そこに足を踏み込むときのワクワク感や無数にあるレコードの中から輝く一枚を見つけたときのトキメキは何にも代えがたい。
出張先のわずかな時間でレコード屋にダッシュしたり、デートの合間にリサイクルショップでレコード見ていたら矢のように時間が過ぎ、彼女がぶんむくれ。みたいなことは結構あるあるだと思っている。(あるあるですよね!?)
そんな感じなので相場よりも爆発的に安くなっているレコードをみつけることはままあるし、この店を始動させたときも「せどりとか織り交ぜればなんとかなるでしょ」と考えていた。
【他のレコード屋の状況】
レコード屋の店員の友人から経営状況などをヒアリングした。似たような内容はWEBを探せば出てくるのだけれど、一次情報として貴重だし納得感があった。
実店舗は販売チャネルではない
都内のいいところにお店を出していてもその店自体の採算は取れていないことが多い。レコードを買うお客さんがどれだけいても、人件費・土地代が利益を圧迫するため。それでもなぜ出し続けるのか、というと「買取の窓口」と「大口顧客の窓口」の二つの意味がある。
アクセスのよい場所に位置することによって、レコードを売りたい人を取りに行く。今は個人でdiscogsやヤフオクなどのネットで販売することが可能だしそちらのほうが高く売れるが、出品から販売までのリードタイムが長く、また種類が多くなるとその分手間がかかるため、不要なレコードは買取に出すのが一般的。また、遺品整理などを受け付けることなども多いという。
また、現状店舗での販売の大口顧客は海外のレコードショップのバイヤーとなっている。山下達郎、吉田美奈子などのシティポップのブームがその背景にあるのだが、彼らをつかみに行くための場所として実店舗が存在している。
最近、商品がほぼないBOOKOFFの出店が増えているがこれも上記と同じような意図かと思われる。
ネット販売が売り上げの大きな柱である
実店舗で捌ける量はたかが知れているのでネットでの販売が大きな柱になっている。discogs、ebay、ヤフオク など。日本国内への発送は全体の半分にも満たず、海外への輸出がメインになっている。これもエンドユーザーではなく、主に海外のレコードショップのバイヤーがネットで仕入れている形になる。
日本のレコードは状態がよく、安い。というブランド認知もあるため、ロシア、EU、アメリカまで販売先は幅広い。
ネット販売は超大変
税関に通らなかったり、配送が滞っていたり、レコードの状態にクレームがついてしまったり。とネット販売は超大変。発送業務や品目の管理にもリソースを割かねばならないので、人件費も膨れていく。リミックス版を購入したのに「なんで原曲がはいっていないんだ!」という謎のクレームも発生するらしいので心がヤラれるらしい
仕入れルートは様々
ディーラー通したり、海外へ買い付け行くなどもろもろの手段があるらしいが、その友人はバイヤーではないのでバイネームではわからない。ただ、いくつか手段をもっていて都度使い分ける、などしているとのこと。
仕入れについては、渋谷のNext Recordsさんの記事がおそらくWEB上では最も詳しそう
またちょっと変わったところでいうとSPレコード収集を趣味で続けていた方の著書も参考になる。(ちょっとお高いけどそれだけの価値がある面白さです!)
また、先日ムジンにも北海道からいらしていただいた、
「こじましょうだいリサイクルチャンネル」
も仕入れの情報とかまとめているのでめっちゃ面白い
https://www.youtube.com/@monoatsume
【中古レコードの仕入れルート】
諸々しらべたところ中古レコードの仕入れルートはおおよそ以下に絞られてくる。まずはざざっと書き出してみる。テスト的に実施してみたものは次項で詳細を書いていく。
①顧客からの買取
文字通りエンドユーザーからの買取、なのだがさらに細かくわけていくと以下に分類される。
実店舗のお客様からの買取を受け付ける → テスト中
常連さんが家にある聞かないレコードを持ち込むパターン。これはリスクとしてクラシックのレコードがめちゃくちゃ来る、というのがある。レコ屋へのヒアリングでもどうにもならないレコードが積み重なっていてどうにもならない。という事象があった。
ネット・チラシなどで買取要望を集める → 今後テスト予定
これは普段はレコードを買わない人をメインターゲットにしている。実家の引っ越しや遺品整理をする方を広告で狙い撃ちしていく。界隈では膨大なコレクションを持っている人が死ぬのを今か今かと待っている方々もいるらしい。手口は、事前にコレクターの家、できれば親類を抑えておき、死亡が発覚した直後に「生前○○さんと話していて、このレコードは譲り受けることになっている」と伝え、ちゃっかり持っていく。というもの。こうやって手に入れたレコードで楽しく音楽が聴けるかは謎だけど。
空き家にレコードを発掘しにいく
高価、希少なレコードのために、眠っていそうな場所に行って探させてもらう。というパターンもある。少し前のドキュメンタリー映画で『さすらいのレコード・コレクター~10セントの宝物』というのがある。アメリカンミュージック(ブルース・カントリーなど)のSP盤をあつめているおじさんの密着なのだが、車を駆って古い空き家に訪ねていき廃墟の中から状態の良いレコードを掘り出していき、空き家のオーナーに買取の交渉をしていく。最高の生き方!
ビンテージデニムのディーラーがアメリカの鉱山回って、ジーパンを坑道から掘り出しているのとおんなじですね。(今やもうデニム全然なくてディーラーはかつかつらしい・・・)
②同業者からの買取
特定のジャンルのレコードをまとまった数をしいれるためには、ユーザーからの買取は難しいので同業者からの買取が必要。
古物市場での買取
警察の公安から古物商の許可をもらっている人の集まりがあり、そこでは古物商間でのセリが行われるらしい。入会金2-3万ほど、一回の参加費2-3千円。これ行ってみたいのだけど、大体平日だし、車も免許も持っていないので、シティサラリーマンには少し参加が難しかったりする。2-3千円と交通費考えると、200-300枚くらい買わないと割に合わないので(ムジンで売れるレコードの単価が低いため)参加メリットは薄い。
東京だけでかなり沢山の古物市場がある↓
https://oikura.jp/shopsupport/guidebook/promotion/promotion2041/
レコード屋の在庫を買い取る → ムジンでテスト済・採用せず
古物市場ではレコードが出品されるかわからない&足を運んで市場にいってもお目当てのものがみつからない可能性が高いので、名指しでレコ屋に交渉して、在庫を買い取らせてもらう。こちらについては試してみたので詳細は後述。
レコードディーラーから仕入れる
世界中にレコードディーラーがいて、ほしいレコードを集めてくれる。下のリンクはブラジルのレコードの著名なディーラーのインタビュー。https://dustandgrooves.com/digger-1-joel-oliveira-nyc/
グーグルでしらべるだけで世界中のディーラーとつながることができるし、discogs(レコードの情報がまとまっているサイト・売買もできる)のプロフィールからコンタクトすることもできる。(出品しているレコードからそれぞれの強いジャンルなどがわかる)
せどり → ムジンでテスト済・採用せず
リサイクルショップやレコード屋で相場より安いレコードを買ってきて、WEBなどで売る。せどりについてはいくつかテストをしてみたので、それについても後で記載する。
③匿名の方からの仕入れ(WEB)
分類の仕方がイケていなくて恐縮だが、3つめはWEB。レコードの売買を行うことができるプラットフォームは複数ある。
タイトルを狙いうちして仕入れる(discogs) →やらない
高額なタイトルのレコードはdiscogs、e-bayで仕入れて店頭or転売することでも利益を出すことができる。しかし、日本国内で回し続けるのは非常に難しいので、国外から輸入→国内で販売もしくは国内で仕入れ→輸出して販売。のどちらかが必要。しかし、前述のとおり海外への輸出は関税の問題やロストラゲージがあるのでリスクとコストがアホみたいにかかる。
まとめて仕入れる(ヤフオク・メルカリ・ジモティ)→ムジンでテスト済・採用!
国内で仕入れて国内で売る。を実現するためには数を多く仕入れて、一点あたりの仕入れ値を抑えるしかない。数十枚程度でまとめて安く出品されている段ボール単位で競り落としていく。現状ムジンレコーズではこの手段が最も適切だと思っている。
【せどり1:海外買い付け】
ここからはムジンでテスト的に行ってきた手法をそれぞれについて書いていく。まずは名前の響きがカッコいい海外買い付け。レコード屋の友人によるとなかなか効率が良くないのであまり今はやっていないとのことだが、手法として可能性があるので検討する。まず一般論として、海外買い付けに旨味があるのかを検証したうえで、実体験に基づいてやるべきか否かを検討する。
世の中の海外買い付け
まず、世の中のレコード海外買い付けについて、参考リンクを以下に挙げておく
IT media ビジネス online "中古レコードの「バイヤー」って何をしているの? 買い付け・値付けの奥深さ" 2015-02-25
Saboten Records News "100円で買って1000円で売るレコードは儲からない" 2015-02-27
Saboten Records さんのブログで、海外で100円のレコードを買い付けた場合の金額のシミュレーションがでていたので引用。
営利 156円/枚 これを一回につき700枚ほど仕入れるらしいので、一回の買い付けで109,200円の利益。まあ儲からないですよね。
ちなみに『グレーディング費用』は、値付けと値札をつける作業の人件費。ただ、これはプロがやったときのイメージ。では、私がキューバに行ってレコードを買いに行ったときの様子を見てみる。
素人がキューバでレコードを買いに行く
2018年に、お仕事を辞めた僕は有休消化でキューバに。旅行の目的は、疲れた体と頭のリフレッシュとブエナビスタソシアルクラブ。あとはレコード掘り堀り。
疲れた体と頭のリフレッシュは、飯マズ過ぎてできず。パスタゆでたやつにとろけるチーズとケチャップつけただけのご飯では生きていけない。キューバではロブスターが有名で、外貨獲得のため国民は食べられず、観光客しか食べられないとか。でも僕はエビアレルギーなのでそもそも食えない。2週間ずっとバナナ食べてた。英語も通じないし、wifiもお金払わないと使えないので全然美味しいごはん屋さんがみつからなかった。
ブエナビスタソシアルクラブは、最高だった。みんなおじいちゃんとおばあちゃんだったけど。ディナーショー形式だったけど金がなくて、ジントニックだけで1時間半。一人だけ座らされた席が、テーブルとテーブルの間で演者の出入りの超邪魔になって、Omara Portuondoおばあちゃんに肩ぱしぱしされたけど。あとは、ローカルなレゲエのクラブ。ジャマイカからの移民も多くめちゃくちゃ楽しかった。
で、レコード堀り。Havanaの旧市街にある、(おそらく唯一)のキューバのレコ屋 Seriosha Records。2017年にイギリス人DJのGilles Petersonが紹介してから世界的に有名になった、ボロいショッピングモールの一角にあるお店。モール内の蛍光灯が切れかかっていてすごい暗い中に欧米から来たと思わしき人々がうごめいている。僕も仲間に入って、掘っていったのだけれど結構内容は酷かった。スリーブに砂がはいっていたり、盤が割れていたり。キューバのレコードもほぼなくて、カーペンターズとかニールヤングとか。
隣で掘っていたアメリカ人の女性はずっとスマホでdiscogsの相場見ながら座り込んでいる。おそらく一年前から抜かれまくってるんだろうなあ。結局一枚も買わず。
そのあと、街を歩いている人に「レコードほしいから売っている場所紹介して」を尋ねまくり、普通の民家のガレージに。埃っぽい雑貨が山積みのなかに800枚くらいある中から状態のいいものだけを抜く。家のおばちゃんのレコードプレイヤーを持ってきて、サルサをかけて一緒におどるカリビアンな買い物。一枚500円で20枚。多分買えるだけ買っても50枚前後しかいかない。道端で売っているレコードを数枚。この分なら結構買えるんじゃね、と思ったけれど暑い中歩き回って、埃っぽいなかで過ごして、バナナだけ食べていたので風邪ひいてダウン。
というわけで、体鍛えて超がんばっても1日MAXで60枚程度買えるのが限度。その後試しに1枚ディスクユニオンに売ったら1,500円。エンドユーザーへの価格を低く見積もって2,000円とすると一枚粗利1500円。滞在費30万くらいなので1週間いて、毎日レコード探せて、状態いいものが見つけられてのラッキーそろいまくってギリギリ黒字でるかどうか。これバイトしたほうが儲かるのでは・・・。ド素人の限界である。
なので、海外買い付けはしない!!
【せどり2:国内リサイクルショップ巡り】
海外買い付けはド素人には難しいことがわかったので、国内のリサイクルショップ・レコード屋を巡って、せどりの実施をテストしてみることに。
2015年あたりだと、レコファンやハードオフでレコード買ってそのままレコ屋に売りに行けば半日で5-6,000円くらいできた覚えがある。その時よりオトナの男になっているので2倍くらいは軽くいけるんじゃないか、が最初の想定。
まずは都内のリサイクルショップを一日かけて巡ってみたのだが、中原めいこの2時までのシンデレラが400円で買えたくらいだった。discogsでの価格だと4,000円くらい。
みんな適正価格をめっちゃ把握しはじめている気がする。下町のボロッボロッのリサイクルショップでプリンスバスターの7インチを見つけたのだけれど、しっかり4,000円の値札がついていてビックリ。これだからインターネットってやつは!!ただ、発見としては東京から離れていけばいくほど同じレコードでも価格が下がっていく。おそらく人件費&置くための場所代が低くなるためと思われる。
というわけで大学時代の友達と、レコ屋の友人とせどりツアーを企画。僕は車も免許も持っていないので友達に運転を依頼。recoyaという全国のレコード屋を探せるサービスやレコードディガーのブログを掘りまくり、7店舗ほどピックアップして最短ルートを用意。目指すは千葉の東。チーバ君の耳の後ろ。チェーンのリサイクルショップ、個人でやっている道具屋。レコ屋をピックアップ。
おっさん4人でパフィーの渚にまつわるエトセトラ歌いながら出発。で、一日かけて回ってみた結果、相場の50%ほどで購入したのは、20枚。交通費4人で15000円。一人頭3750円。そのあとみんなで酒飲みに行ったので+3,000円。超赤字!!
自分が欲しいレコードはそれはそれで買っちゃったし。
discogsの浸透によって、神の見えざる手がゴリゴリに働いている。令和でせどりはもう無理!!
【レコード屋の在庫を買い取る】
とあるレコ屋の不良在庫を買い取らせてください。のオファーを出して、アソートを組んでいただいたものの、内容と金額が見合わなかったのでいったん見送り。よくよく考えたらムジンよりも集客力も販売力も上回っている店の不良在庫。売り切れるわけがなかった。
【Webでまとめて仕入れ】
メルカリ、ヤフオク、ジモティなどで、数十枚-数百枚でまとめて出品されているものがある。大手のレコ屋の在庫がジャンルごとに不良在庫として入っているものもあるが、狙っていくのは人から譲り受けたが要らなくなったので処分したい。という内容。想定されるシチュエーションとしては、お兄さんがDJしてて実家にたくさんレコードあるけれど、結婚して実家を出て処分にこまった妹とか姉が全部うっちゃうパターン。あとは、先輩が引っ越ししたときにレコードをごっそりもらったけど、自分はいらないとか。いわゆる「素人」の出品。僕も素人ですけれど!!
サイトで網を張っておいてアドバイスしてもらっている友達の情報をもとに、サイトのプロフィールや出品の写真から、プロっぽい出品を弾いていく。(のをやってもらった)そして、まずはジモティーで250枚を2万で購入。車で取りに行き棚ごとごっそり引き取り。(をやってもらった)
会話したところ、先輩からもらったけどもういらないから。という狙った通りのパターン。内容としては40代後半のヒップホップDJのレコード。全体的に状態悪くなく、ちょこちょこ高価(4,000円以上くらい)なものがありという内容。
高価なものは試しに、discogsで出品(10点くらい)。売り上げは一部友達に流す座組で運営(出品・価格調整・発送)を代行依頼。最初は価格設定を高めにつけて、徐々に低くして現金化していく方針。それ以外のものについては7月に仕入れ→10月にはほぼほぼ売り上げベースで元が取れている状態になり、12月には微妙に粗利が出た状態に持っていけていることを確認。(僕の算数とカウントが正しければ)
【今後の方針】
まずは、レコードの仕入れ部分についてはまとめて購入作戦を実行。これは他の店舗ではあり得ない。在庫管理の手間や値付けの手間を考えると1,000円未満のレコードを売ると人件費でほぼ利益が残らないため。ただ、ムジンの場合は無人で人件費がかからない&家賃安い、ため1,000円でも全然大丈夫。
12月で利益を確認した後、いろいろとバタついていたため仕入れの二弾目をおこなっていなかったが3月末にちょこっと土日動けたので再度仕入れを実行。月一回にざざっとまとめて仕入れて、掃けなかった分はまとめて売りさばいて現金化。その過程の中で高価な盤がはいってきたらdiscogsへ回し、販売委託する。が23年4月以降の方針。
ただ、これで家賃稼げるのかは結構疑問なところがあり、4-5万の粗利が結構限界な気がしている。2,000円未満のレコードをいくら売りさばいても利益はなかなかでない。これは以前から抱えていた課題感で、本・レコードを売る以外の方法での収益化を模索していた。こちらについては次回書いていく。
【最後に】
ずっとド素人がレコードと金の話ばかりしてしまったのだが、音楽の価値はそれぞれで決めれば良いので好きなものを好きなように聞いていくのが良いですね!
最後は僕の個人的なウォントリストに10年以上はいっているこの曲でおしまいです。 Marcus Marr のThe Music。
音楽最高!
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古本と音楽 ムジンレコーズ
営業日:毎日 10:00~22:00(年末年始も休まず営業!)
場所 :東京都文京区千石4-46-2
ご連絡はこちら⇨ mujinrecords.sengoku@gmail.com
https://www.mujinrecords.com/
Instagram:@mujinrecords
twitter :@mujinrecords
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