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『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』に感謝しかない

早速ですが、後編を観てきました!

もう感無量すぎたので、全体の感想と個人的なハイライトシーンについて簡単にまとめたいと思います!

(※ネタバレ全開の記事です!)






◯全体の感想


前編はアニメ1〜8話までの内容だったので「どこを削ってどこを残すか、どう構成しなおすのか」という意味での凄みを感じたの対して、後編は尺の余裕があるために「補完」の巧妙さが際立っていた。

新規カットが多いのはもちろん、「そこ足してくれてありがとう!!」となるシーンの連続。

楽曲を含めた新要素の挟み込み方がとにかく美しいという印象だった。

前編はテンポよく物語が展開していくので特にぼざろを観たことない人におすすめだなぁと感じたのに対して、後編はファンが求めるものをギュッと詰め込んだ作品になっている気がした。


◯印象に残ったシーン


・新曲オープニング


後編でも新曲が来ました!
前編のときとは違い事前情報が全くない状態だったので、オープニング曲がとても楽しみだった。
どんな曲がどんなタイミングで流れるのか……。

まさかの、初ライブの3曲目として流れる神演出。

そして、前編同様新規オープニング映像あり。

前編は結束バンドメンバーの過去を描くという激エモ演出で開始早々泣かされたのですが、今回はメンバーそれぞれの夏休みの様子を描いていた。

みんなそれぞれマイペースに夏休みを過ごす姿にほっこりしながら、ぼっちちゃんの悲哀に思わず笑ってしまった。


・ダイジェストシーンの選曲


前編でもあったダイジェストシーンでアニメ版では使われなかった既存曲を流す演出。

今回は江ノ島、文化祭1日目、楽器屋のシーンがダイジェストになっていた。
この3つのシーンはインパクト強めのギャグシーンが多いので、そのバッグで神曲たちが流れてるのがシュールに感じて面白かった。

江ノ島で『小さな海』を流すの良すぎましたね。


・喜多ちゃん目線の構成


前編は虹夏ちゃん目線を意識して物語が再構成されていたのに対して、後編は喜多ちゃん目線が意識されていた。

喜多ちゃんが初めてぼっちちゃんを見かけたところを冒頭に持って来たり、虹夏とリョウに謝罪のメッセージを打っているシーンの新規カットを入れたり、テレビアニメ版以上に喜多ちゃんの心情が印象に残る構成になっていた。

この冒頭のシーンだけでなく、文化祭に向けて練習を重ねる喜多ちゃんの様子が新規カットを交えてしっかり描写されていた。

その新規カットで印象に残ったのは、やはり虹夏の自販機!!

虹夏はぼっちちゃんにだけじゃなく、喜多ちゃんにもちゃんと気を配ってたんだなぁ。天使すぎる

一方その頃ぼっちちゃんは補習の日々。
この補習のシーンはアニメでカットされてしまった原作のテスト勉強のエピソードを回収するような形になっており、ファンにとってはたまらないシーンだった。

話は少し逸れたが、喜多ちゃんの目線に重きを置いた構成によって、喜多ちゃんの人間味が強く感じられて良かった。


・前編でカットしたシーンの使い方


冒頭の喜多ちゃんがぼっちちゃんを見かけるシーンもそうだが、前編でカットされたテレビアニメ版の1〜8話で出て来たシーンの挟み込み方が絶妙だった。

例えば、きくりさんがぼっちちゃんにお金を返すシーン。
前編では金沢八景からの帰りの電車賃をきくりさんに貸したシーンはカットされていた。
これでは話が繋がらなくなってしまうので、お金を返すくだりでぼっちちゃんが思い出すような形でこのお金を借りたシーンを挟み込んでいる。

このようなパターンの構成に関して、一番語るべきはなんといってもラストシーン。

テレビアニメ版のラストのぼっちちゃんのセリフ

「今日もバイトかぁ。」

のあとにさらにシーンが追加されていた。

ぼっちちゃんの瞳の中でこれまでの出来事がどんどんと巻き戻っていき、最後はぼっちちゃんの幼少期のシーンになる。

この幼少期のシーンは1話で流れたものだが、前編では完全にカットされていた。

この巻き戻しの演出のために取っておいたのか〜!!

ただ尺都合でカットされたのではなく、演出としての効果を持たせたカットというのが本当に素晴らしい。

ちなみに、個人的にはこの巻き戻しの演出は「次はテレビアニメ版も観てね」的な意図があるのかなぁと感じた。
劇場総集編で初めてこの作品に触れた人には特に、テレビアニメ版にも触れて欲しいというメッセージがあるように思えた。


・きくりさん最高


後編で特に泣いたシーンは、きくりさんがぼっちちゃんに過去の自分について話すシーン。
どうしようもない人のイメージがあるけど、肝心なところではぼっちちゃんに寄り添い導いてくれるきくりさん。
きくりさんはぼっちちゃんにとって「自分を認めてくれる大人」という貴重な存在なのである。
そんなきくりさんの優しさに改めて今回涙してしまった。

そんなきくりさんの人柄はもちろん、ライブパフォーマンスにも感激した。

『ワタシダケユウレイ』が映画館の音響で聴けるとは……
ぼっちちゃんも絶賛するきくりさんのカリスマ性を全身で体感することができた。


・何度見ても泣ける『星座になれたら』


後編最大の見どころはやはり文化祭ライブ。

そこで披露された2曲はどちらも本当に素晴らしい曲たちである。

『忘れてやらない』のときの体育館の盛り上がりが、劇場で観ることによってまるで自分もその場にいるように伝わってくる。

『星座になれたら』のときのぼっちちゃんのピンチは思わず固唾を飲んで見守ってしまう。
そして、喜多ちゃんのアドリブに感動して涙する。
これまで喜多ちゃん目線を軸に物語が構成されていたことにより、このアドリブのシーンの重みがまた違って感じられた。

文化祭ライブのシーンは、没入感を持ってライブを楽しむことが出来る最高の時間だった。


・望んでいたあの曲のカバー


エンディング曲は一体どんな曲になるのか。
期待している曲が一曲あった。

それはもちろん、今回の劇場総集編のサブタイトルの元にもなっているASIAN KUNG-FU GENERATIONの『Re:Re:』
この曲を後藤ひとりがカバーしてくれるのではないかと誰もが思ったはずである。

スタッフロールが始まり、長いイントロが流れる。

その答え合わせをするかのようにイントロを聴き入っていたが、まだ答えはわからない。

ぼっちちゃんが歌い始めてやっと期待通りの展開になったことに気付いた。

今回のカバーはかなりアレンジが加えられていたように感じた。
そのため、イントロでは確信を持てなかった。

早くもう一度結束バンドの『Re:Re:』が聴きたい……。

ぼっちちゃんのか細いながらも、ストレートで綺麗な歌声が胸打つエンディングだった。

そしてこのエンディングを聴いたとき、やはり先日のロッキンを思い出した。

夕暮れの中で聴いた本家の『Re:Re:』
晴れ渡った空の下で聴いた後藤ひとりの『転がる岩、君に朝が降る』

美しい音と光景が一気に甦り、エンドロールが終わる頃には「アジカン、ありがとう」の気持ちでいっぱいだった。

「スペシャルサンクス
ASIAN KUNG-FU GENERATION」

の文字が輝いて見えた。


◯まとめ


観終わったときの最初の感想は「ありがとう」だった。

テレビアニメのときに夢中になったあの作品を、またこのような形で生まれ変わらせて新たな素晴らしい作品として劇場で観せてくれて、感謝しかない。

この作品に関わった全ての方々に、本当にありがとう。


エピグラフが本編に負けず劣らずの良い
「補完」が満載で最高でした。

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