ケニアの西成 任地ソリの話
今回は、私の任地ソリを紹介する。
・ソリの紹介
ソリはケニア南西部、ヴィクトリア湖のほとりにあるルオ人が住む街だ。
人口は約1万人で、農業と漁業を主力産業としている。
協力隊員は私と先輩隊員でセカンダリースクール(中学高校レベル)に勤めるH先輩が住んでいる。
ヴィクトリア湖沿いの街は、ケニア国内でもHIVの感染率が高いことで有名だ。ケニア全体での感染率が8%前後なのに対して、このエリアでは20%弱まで感染率が急騰する。
これは私の勝手な推測だが、この感染率の高さは漁師の数と関連していると考えている。
日本でもそうだが、毎日命がけで仕事をしているせいか漁師には、酒好きで気性が粗々しい人が多い(と勝手に思っている)。
私自身、神戸の瀬戸内海沿いの下町に生まれ育ったが、その様な人が漁師には多かった。仕事で10年間住んだ北陸でも、漁師町に営業に行くときは酒と魚がセットでついてきた。
その様な性格の人たちが多いので、所謂「家族計画」はあってないようなものだ。
他エリアから来た隊員さん達が口をそろえて言うのは「ソリは子供が多い(そして人懐っこい)。」ということだ。
早朝から漁に出て、午前中に帰宅し酒を飲んで酔っぱらい、日中は子作りに励んでいるのだろう(ものすごい偏見)。
ソリの仲間たち
そんな、活気にあふれた街ソリにはたくさんの動物が街中を闊歩している。
ウシ
ブタ
鳥
ヤギ
ロバ
そして、子供たち。
様々の動物が共生するダイバーシティに富んだ街だ。
だが、残念なことに動物たちが多いが故に彼らが交通事故にあうことも多い。よく、道路でかわいそうな犬が車にひかれて死んでしまっているのを目にする。
先日は、また犬がひかれて死んでしまっているかわいそうに、と横を通りすぎようとすると
ブタであったことがあった。
帰路、同じ道を通ると何もなくなっていたので、彼は美味しく調理されたのだと思う。
ケニアの西成と言われる所以
ある先輩隊員曰く「ソリは大阪の西成(ドヤ街)に似ている」ということだ。
たしかに、思い当たる節はある。
通勤途中、
「あ!人が倒れている!?助けなくては!!」
と近づいて声をかけてみると
天気がいいので寝ているだけだったり。
雨上がりの帰宅途中、急に近寄ってきて何事かと思い挨拶すると
なぜか、雨が乾ききらない泥だらけの道路の上を前転して、
そのまま立ち去っていく人がいたり。
チャック全開で、何やら空中に向かって話かけている人がいたり。
道端で何の肉かわからない謎肉が売られていたり。
と、西成近辺で良く見かける風景が、ここソリにもあるのは確かである。
しかし、今はどうかわからないが、私が日本滞在時に西成を訪れた時は、
鳩をお手製の銃で捕えようとしている人がいた。
ソリでは、そこら中に家畜がいるが、誰もそれを殺して食べようとする人はいない。
極めて安全で、アットホームな街である。
そんなソリのケニアの他の街では見られない一番の自慢は、ヴィクトリア湖に沈む夕日だ。この夕日を見るたびに、ソリに来て良かったと心から思う。
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