見出し画像

「ライターズハイ」になる方法

正直に言います。ライターの仕事は苦しい。書けない時は本当に泣きそうになるし、無を有にする作業って想像以上の辛さがある。

でもね、苦しみから一転、なぜかスルスルと言葉が湧き出て、キーボードを叩く手が追いつかないくらい「ノッている」ときもある。

ライター界ではこう呼ぶ。ランナーズハイならぬ「ライターズハイ」と。

そもそも、「ランナーズハイ」とは何なのか調べてみると、こんな記述がありました。

ランナーズハイとは、走った後に短時間訪れる強い幸福感のこと。
この感覚は、穏やかな気持ちをもたらし、高負荷のワークアウトをした後よりもさらに落ち着いた状態になる。

NIKEサイトより抜粋

ランナーズハイとは「多幸感」なのだ。高揚感、開放感が訪れる……そんな夢心地でポジティブな感覚(イメージは麻薬に近い……⁉)。

NIKEのサイトによると、さまざまなエクササイズが引き金になると、「エンドルフィン」という幸福感を生む化学物質が放出されるらしい。そのほかにもドーパミンやらエンドカンなんちゃらも作用して「幸せ~!」状態になれる。

残念ながら、ランナーズハイを引き起こすにはどうすれば良いか、化学的に解明されていないそうだ。でも、私がライターズハイになれるときは、一定の条件がそろったからだと感じている。

・書き始めて15分以上経っている
・リサーチせずとも書くべき内容が頭の中にある
・ゴールまでの道筋が見えている

まず、書き始めて15分以上経っていること。よし書こうと気合いを入れても書き始めはどうしても筆が進まない。集中力が高まりノッてくるまでには、ある程度の時間がかかる。助走を経ることで、心地よい走りができると感じています。

そして、リサーチせずとも書くべき内容が頭に入ってること。これもライターズハイには欠かせない。なぜなら、執筆中に「あの情報なんだっけ?」「この表現で合ってる?」と調べ始めると、執筆モードからリサーチモードに代わる。その途端、執筆モードの集中力がガタンと落ちる。執筆とリサーチのいったりきたりはすこぶる効率が悪い。頭の中に書くべき内容があれば、スルスルと文字化していけば良いのだ。

最後に、ゴールまでの道筋が見えていること。記事を書くことは、納得感のあるフィニッシュに向かう脚本を書くことと似ている。そのストーリーを感じながら、辿りつくべき終着点をめざすのは、長距離ランナーがゴールテープをめざすのとも似ている。ゴールがあればそれに向かうだけ。目標が明確だと集中力が爆発的に上がる。

こう書いていて感じたのだが、ライターズハイは極限的に集中力が高まった状態なのかもしれない。脳のノイズを排除し、記事がめざすゴールに向けてひたすらに走る。書くのが辛いなら、そこには集中力を阻害する何かしらの問題点がある。それを改善できるのなら、ライターズハイになるのは案外簡単なのかもしれない。


いいなと思ったら応援しよう!

渡辺まりこ|取材ライター養成講師
ライター仕事に関する情報を発信しています😊kindle本発売中!少しでもあなたの役に立てたらうれしいです。

この記事が参加している募集