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【現代詩】それでも生きてゆくしかない僕たちのために

街にはべったりと嫌なことがこびりついていて
隙間をぬうように歩けば僕らは薄汚れてゆく

自分の意志で電車に運ばれて
見つめる景色を変えられず
空をのがし続けている日々

それでも生きてゆくしかない僕たちのために

何者かであろうとして
自分を削ぎ落としてゆく人たち
自分であるということだけではだめなのだという

でも
世界にさんざん嫌われてきた何かを
僕も嫌いになれるとは
誰もが嫌いになれるとは限らないから

それでも生きてゆくしかない僕たちのために

見切りをつけるのを少し待とう
自分と
明日に



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