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詩集

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現代詩をいくつかまとめた詩集です。どんな人にも届くように軽めでわかりやすいものを集めたつもりです。週に数回更新されます。
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#シロクマ文芸部

【現代詩】流れ星の音|#シロクマ文芸部

【現代詩】流れ星の音|#シロクマ文芸部

流れ星に気付く時
そこにありえないはずの音が聞こえる

映像作品や舞台芸術の記憶が紐づいた
擬態語とかオノマトペなのだろうか
キラリ
シャラーン
紅茶に溶ける砂糖のように
儚く崩れてゆく天空の光

私の心の中だけに響く調べ
それだけで特別
それだけで十分
願い事は
またいつかこの音を聞けますようにと
流れ終わってから願う
#シロクマ文芸部

#シロクマ文芸部|夏の雲

#シロクマ文芸部|夏の雲

夏の雲は
大きな日傘
気まぐれで移り気だけど
ほっと一息つかせてくれる

夏の雲の本来の役割
本当に
バケツをひっくり返してる人は
あんまり見たことがないけれど
夕立ちという様は
じっと軒先で味わいたい

夏の雲を思えば
思い出の中でも
いつまでも溶けない
そびえるあの姿
光に包まれたあの日々
#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部|水と砂糖と着色料

シロクマ文芸部|水と砂糖と着色料

かき氷
もとは水と砂糖と着色料
それがあれよと心踊らす

所変われば品変わる
ひときわ暑いこの夜に
キンとくる痛みと共に
魔法の一杯召し上がれ

ほうっておけば流れゆき
果ては水と砂糖と着色料となる
せめてひととき戯れよう
染まった舌は夏の思い出
#シロクマ文芸部

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シロクマ文芸部|【現代詩】夏は夜が濃くなる

シロクマ文芸部|【現代詩】夏は夜が濃くなる

夏は夜が濃くなる
過ごし辛い時間を
優しく埋めるように
空間が賑やかになる

部屋の中には
顔のそばの団扇
蚊取り線香の煙
西瓜とかき氷

外を歩けば
空の花火
熱いアスファルト
虫の声

胸が焼けるような熱気
それを冷やす飲み物
冬とは真逆の空気に
何故か生きていることを
生かされていることを
ひしひしと感じる

冬には身勝手に
この熱を懐かしむだろう私よ
この光景を
空気と共に覚えておけ

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名付けられない雨(シロクマ文芸部)

名付けられない雨(シロクマ文芸部)

雨を聴く
何かを待ちながら
あるいは何の期待もせずに
その音を聴いている

音と共に描かれる
傘の表面の雨粒の群れとその軌跡
雨があるから
描き出されるその音色と景色

雨に濡れるのと
水道水に濡れるのでは
何かか違う
そんな感傷を持ち出せば
名付けられない雨になる