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詩集

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現代詩をいくつかまとめた詩集です。どんな人にも届くように軽めでわかりやすいものを集めたつもりです。週に数回更新されます。
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2024年6月の記事一覧

【現代詩】覚悟と共に選べばいい

【現代詩】覚悟と共に選べばいい

何かを変えたいと思う時
方法は二通りある
わかりやすい一つは日々を変えること
何かを変えるためには何かを起こすという考え方

もう一つは日々を続けること
何かが変わるまで
何かに期待しすぎずに
涙をこらえるように日々を過ごすこと

新しいことが足りていないのか
積み上げるものが足りていないのか
見極めは難しいけれど
どちらを選ぶにしても
覚悟と共にゆけばいい

【現代詩】この世にしなければならないことなんてひとつもない

【現代詩】この世にしなければならないことなんてひとつもない

どんなに理由をひねろうとも
この世にしなければならないことなんてひとつもない
したほうがいいかなと思うことは
ただの思い込みだ

それらを全て差し置いて
したいと思うことだけをやればいい
基準は自分が知っている
やらずにいられないことをやればいい

【現代詩】全ての命に微笑みを

【現代詩】全ての命に微笑みを

産まれた全ての命を慈しむ
それができないような社会を作る

この星の生き物の中で
人間だけが
当たり前を忘れて生きている

せめてもの償いに
限りなく微力ながら
全ての命に
ようこそと
微笑みかけよう

【現代詩】原稿用紙を日々で埋めて

【現代詩】原稿用紙を日々で埋めて

日々の中で
取り立ててこれがということは
そう多くはない
日常に人生が巻き取られているような錯覚
いつのまにかカレンダーは何枚もめくられている

そこには涙の素になることもある
涙を外へあふれさせまいと
原稿用紙のマスを埋めるように
自ら決めたことを
日々の時間に落とし込んでゆく

傍目にはつまらなく映るかもしれないけれど
そういう日々を懸命に生きることは
きっと尊い
その価値は自分の明日が知って

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【現代詩】置き去りにしている自分を

【現代詩】置き去りにしている自分を

偶然の邂逅により
自分の好きのルーツをたどると
あのころの熱がふっと
胸によみがえる

熱病に浮かされたように
日常を踏み外しかけながら
下手な乗り方の自転車で
追いかけていた

思い出すあの日々を
思い出すあの日の自分を
そして思いだせ
置いてきた自分を
置き去りにしている自分を

【現代詩】とりあえず とりあえず

【現代詩】とりあえず とりあえず

前向きな気持ちになんて
なれないときもある
そんなときに役立つ言葉は
とりあえず

前向きになることなんて
とりあえず忘れてしまおう
それがいくら正しかろうと
できないときはできないのだから

そしてそのうち
とりあえずという感じで
横に置いた前向きさは
いつのまにか
当たり前の顔をして
君の肩に乗っているだろう

【現代詩】歩いた道こそ愛おしい

【現代詩】歩いた道こそ愛おしい

幸せを目指すなら
その過程も幸せなほうがいい
苦しみだけを感じていては
見失ってしまうものがあるから

憧れに向かって歩くなら
その一歩一歩が
結果に関わらず自分に残るように
歩いていたい

結果はほんの刹那の出来事
続くのは日常
日々を大切に感じていれば
どんな結果も輝きを放つ

【現代詩】この世はいつも新しい

【現代詩】この世はいつも新しい

スポーツをする側から
見る側に立ち位置を移すように
対象のとらえ方を変えれば
世界の解釈は無限に近づいていく

飽きるなんて感覚は
だた一つの視点にこだわり
意固地にすらなっているがゆえなのかも

この世はいつも新しい
未来も
過去すらも

【現代詩】二人の辞書

【現代詩】二人の辞書

二人だけの間で通じる言葉
それを集めたら辞書になる

ひとつひとつの言葉は
幼げだったり
深刻だったり
色々だけど

まとめられた一冊の存在は
照れくさくも
愛おしい

言葉になりきらないことも含め
二人の歴史が
互いにしか見せない笑顔のように
輝いている

【現代詩】大切な人にだけ見せる姿がある

【現代詩】大切な人にだけ見せる姿がある

甘えていいよ
自分でそれを選ばないと
相手から甘えていいよとは言ってくれないから

甘えすぎはいけないけど
甘える姿を見せないのも
大切な人には心配させてしまうから

あなたも誰かの甘えの対象になれる
それはきっと嬉しいことだろう

【現代詩】私のことばも息づいているかな

【現代詩】私のことばも息づいているかな

天候の変化に合わせて
鉢植えの花を
そっと光のあたるところへ動かす

日々の中でははっきりとはわからないけど
ふと気づけば葉を広げ
花をつけたりと成長している

そんなふうに
そんなふうに
私のことばも息づいているかな

【現代詩】冷たくて四角い風が吹く季節

【現代詩】冷たくて四角い風が吹く季節

街角の自動ドアから
冷たくて四角い風が
今年も吹き始めた

古の人は知らない化学の風
けれど今では当たり前に
季節の一部を担っている

全ては移ろう時代とともに
これぞ風物詩というところか

【現代詩】色のない笑い

あの日 あのとき みんなで笑った
あの日の笑いは透き通っていた
どこまでも透き通っていた

忙しい日々に
ふと
かえりみれば
色のついた笑いが僕の顔にこびりついてた
黒色 白色 あきらめ色

無理に笑顔を作っているから
不自然な色に縛られて
笑顔は空へ向かえない

【現代詩】今日だって今だって

【現代詩】今日だって今だって

何度も同じことを繰り返す
否定的な意味にとらえた場合
浮かぶ評価もネガティブなものばかり

だけれど
細かく見れば
どれ一つだって同じ状況はなく
同じ行動もない

少なくとも回数は前より一つ増えている
経験だって積み重なってる
それに目を向けないでただ否定することが
一番のネガティブさなのだ

大丈夫
君は十分に変われている
そして
もっともっと変われるさ