【シない二人】#10 一周年
今日は結婚記念日ディナー
奮発して有名シェフの高級イタリアンを予約した
いつもよりドレスアップしてロマンチックな空間
料理だって1名1万円以上のコースなんだし
今日は終始良い雰囲気で過ごしたい
重い難しい話はしないつもり
「乾杯ー♪」
シャンパンのグラスを合わせて
久々にデート気分❤️
「初めて来たけど素敵だね」
「うん、前菜すでに旨すぎ!」
毎日日常会話はよくしているけど
ムードのある音楽なども相まって
いつもと違う会話が展開されていた
「だって出会った時の健次郎って
胡散臭い印象しかなかったんだもんw」
「そんな胡散臭い男とよく仲良くなったなぁ」
「ねー何でだろ?
初対面から格段に話しやすかったからかな」
「俺が好かれようと必死だったからね」
「そうなの?でも絶対好きにならないと思った」
「いや、それ口にしてたよ…直接何度も…
その度にどれだけ打ちのめされたか…」
二人で顔を見合わせて笑う
長年のたくさんの思い出話でお酒も進み、
久々に二人でずっと笑いながら食事を満喫できた
嬉しい
幸せだ
家に帰宅して
ほろ酔いの良い気分♪
今日は…シたいな…
だってあんなに楽しかったし
いつもより綺麗な格好で
雰囲気も環境も違ったし
なんか既に気持ち良いし(酔ってるからね)
絶対良い夜になりそうじゃん!
先にシャワーを浴びていた私は
彼がバスルームに入った隙に
あの出番を待ちわびているセクシーランジェリーを着けちゃおう!
フワフワした気分でベッドに入った
かくれんぼで上手く隠れられた時のような
ワクワクとドキドキな気持ち
シャワーを浴び終えた健次郎が来たのが分かった
「もう寝た?」
…やっぱり彼もその気なんだ!
よーし、ちょっとだけ寝たふりしちゃおう
「・・・・・」
「奈々、結構飲んでたからな」
(^ー^* )フフ♪
じゃあそろそろ起きて…
「…良かった、寝てて」
・・・・・・え?
さっきまでの高揚感が
嫌な動悸に変わっていく
「どういう意味?」
思わずガバッと飛び起きて
健次郎に詰め寄った
…どうやら今夜も
このランジェリーの出番はなさそうだ
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