wacana

40代会社員。最近大きな出来事があって自分を変えるべく奮闘中。文章書くのはずっと好きだから心を整えるために書いてみよう、と。

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マガジン

  • 【エッセイ小説】シない二人

最近の記事

【MLMの世界】エピローグ 〜その後〜

それからメグミ先輩とは 一度も連絡を取っていない 彼女との縁は完全に切れてしまった… 正直残念すぎる 飲み仲間であり相談相手でもあった 自分の話をしなかった彼女が ようやく深い話をしてくれるようになってきていたのに それも全て ネットワークビジネスの為だったの…? これまでちょっとずつ積み上げてきた友情や信頼がその言葉によって全て崩される ビジネスのやり方として 間違ってないのかもしれない 簡単にいえば 『良いものをヒトに紹介して気に入れば買ってもらう』だけ

    • 【MLMの世界】#18 崩壊

      あの4時間の攻防後 私はメグミ先輩からのあらゆる誘いを断った 彼女もあの日から 私への誘いは義務的で頻度も減っていたし 断っても別に気にしてない風だった 断る回数に比例して 飲みの誘いもなくなり ついにはどちらの誘いもなくなった そう、私達の友達付き合いはなくなったのだ やっぱり こうなると思った だから嫌だったんだ だから無関係であってくれと願ったのに 当初このシステムについて ネットワークビジネスの紹介手数料と YouTubeの広告料と何が違うの? 先入観

      • 【MLMの世界】#17 解放

        メグミ先輩が このビジネスを手掛ける上で こちら側から考えると良くないところ それは純粋にMLMに心酔してるところ 本気で良いもの 本当に貴方の為になるもの 絶対に貴方を幸せにする仕組み 事実私はイケている存在 紹介でお金が入る仕組みも含め これが良くないモデルとは思っていない だから私の興味のなさや 『高い』なんて価値観を伝えたら 信じられない…!という表情をするのだ それがまた心を抉る 罪悪感すら覚える しっかりしなくては… 「このパウダーが仕上げ用として優

        • 【MLMの世界】#16 義理で買う

          ⑴キッパリ断る ⑵ダラダラ断る ⑶義理で渋々買う ⑷賞賛してガッツリ買う ⑸メンバーになっちゃう(なんでや) 数秒の間に5つの選択肢が頭に浮かぶ これを更に数秒の間に判別して選ぶ まず⑴ やはり義理人情を重んじるの日本人な私にはハードルが高め… ⑵は時間かけた挙げ句に断るなんて彼女も印象悪いし、私も疲れるだけ ⑷⑸は心情と真逆なので論外 残るは⑶ これしかないかな これが最初で最後、持ってけドロボー!の精神でやるしか…(泥棒って) 実際ネイルや整体の紹介とか 色々と世話

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        • 【エッセイ小説】シない二人
          24本

        記事

          【MLMの世界】#15 ついに連行

          ジェイミーから勇気をもらったものの やはり何もできないまま日々過ぎていく ネットワークビジネスをやっていると告白をされてドン引きな私ではあるが 別に勧誘されたわけでもない なのに付き合い方を「ウェイムとは別で友達続けましょう!」って言うのもおかしいよね… メグミ先輩からは相変わらず色んな誘いが続く 心なしか以前より多くなっているような… しかし幸か不幸かぎっくり腰になったことを理由になるべく不参加で乗り切っていた しかし 今日のお誘いは告られる前から予定してて 実際私も

          【MLMの世界】#15 ついに連行

          【MLMの世界】#14 今日の英単語“Cut it off!”

          『それからというもの 美味しいケーキ屋さんは 一人のお客様からの紹介により大変繁盛しました テレビやメディアにも引っ張りだこ ケーキ屋さんはそのお客様に感謝し、御礼を渡すと共にこれからはメンバーの一人として ここを宣伝をしてほしいとお願いしました これによってメンバーもケーキ屋さんも 皆が幸せになりましたとさ めでたしめでたし』 ・・・というわけで ケーキ屋さん話は全員ハッピーエンドで終わりました…(そりゃあね…笑) あの後メグミ先輩は何事もなかったかのように 最近あった

          【MLMの世界】#14 今日の英単語“Cut it off!”

          【MLMの世界】#13 ケーキ屋さん

          「ね、想像してみて? 内山さんが街を歩いてて、たまたま迷い込んだ小さな路地裏に看板を掲げてないお店を見つけたとするじゃない?」 ここからがメグミ先輩の真骨頂だった 予想通りの告白からの 突然見つけたケーキ屋さんの話 嫌でも興味を引く 「中を覗くとオシャレなケーキ屋さんなの お店に入ってカラフルなたくさんの種類のケーキから好きなのを選んで、家に帰って食べたらビックリするほど美味しいの 『やった!素敵なケーキ屋さん見つけた!』て思うじゃない?」 「はぁ…」 「そしたら内

          【MLMの世界】#13 ケーキ屋さん

          【MLMの世界】#12 ついに告白

          「私も実は結構肌荒れしてて悩んでてね そんな時に勧められた肌診断と化粧水が完全に自分にマッチしたみたいでどんどん美白になっていったの! 元々商品自体は興味あったんだけど 美容カウンセリングからの試用って本当大事! それを使うとみるみる肌が白くなって…」 何この 怒涛のテレビショッピング的トーク… 顔の美白からの入り方… スゴイの一言 「あ、それでね、まあ別に隠してたわけじゃないんだけど…私の副業ってウェイムって会社のオーナーって感じのビジネスなの。 私の美容グッズも全部そ

          【MLMの世界】#12 ついに告白

          【MLMの世界】#11 美白トリガー

          「今度専用機器を使った肌年齢診断するんだよ、 来れる?」 いつもの通りメグミ先輩からお誘いがかかった 復活した懐疑心は消えてないけど でも彼女が私に何かしたわけではない もしかしたら 本当に背景とは関係なく 私とは仲良くしていきたいのかも… そんな淡い期待もあった 「はい、行けます!」 二つ返事でオッケーしたところ 「予約時間より少し早く来れる? 私もその時間空いてるから久々にお茶しようよ! 最近二人で話せてないし」 ほらね やっぱりメグミ先輩は本当の友達と思ってく

          【MLMの世界】#11 美白トリガー

          【MLMの世界】#10 常套手段

          噂や推測で人を判断しない 穿った目でメグミ先輩を見ないことを決意し 特に態度を変えることなく彼女と付き合っていた 例のマンション一室にもネイルやマッサージ等 変わらずサービスも受けていた あれ以来、林さんと遭遇することがなくなったのは不思議だったが、まあ私が少し頻度を減らしたからかもしれない メグミ先輩も私に対して変わらない 常に楽しいお酒の席を演出してくれるし 色んな人脈を紹介してくれる 気づけば仲良くなってから半年 私の中のわずかに残っていた疑念は消えていた ・・

          【MLMの世界】#10 常套手段

          【MLMの世界】#9 メリットのある方は?

          双方の話が違う… メグミ先輩は確かこう言ってた 林さんが、近づいてきた 林さんが、誘ってきた 林さんが、会合に毎回来たがる 林さんとは2人でご飯とか行っていない 林さんサイドの言い分、 ほとんど真逆じゃなかった? 本来であれば仲が良いのはメグミ先輩の方だし 林さんの言ってることを 鵜呑みすべきじゃないんだけど… 元々の消えてなかった違和感と 仲良くなった経緯の既視感が どちらを信じるべきか判断を鈍らせていた 「嘘ついてメリットがある方はどっち?」 1人ではまとま

          【MLMの世界】#9 メリットのある方は?

          【MLMの世界】#8 既視感

          12:00pm お昼 今日は仕事が落ち着いているから ランチゆっくり取れそう 「内山さん!ランチ行きませんか?」 ちょうど昼のことを考えていたら 珍しく林さんから声をかけられた 私は基本外回りだし女子と群れるのも苦手 だから最近は一人ランチが多いんだけど 以前はわりと数名の女子と同席していた そう、メグミ先輩がいた時 取り巻き女子達に囲まれる彼女に誘われて仕方なく、といった感じで笑 メグミ先輩がいなくなってから 個別に声がかかることなんてなかったのに でも断るよう

          【MLMの世界】#8 既視感

          【MLMの世界】#7 いつも通り

          「今日もありがとうございました! あ、林さんもまた会社で」 「あ~内山さん、お疲れ様です~ 私もう少しいますね~また会社で!」 ほぼスッピン状態で色んな美容用品を試す林さんと挨拶をして部屋を出ようとすると 「あ、内山さん!今度飲みに行こう、連絡する」 とメグミ先輩に声をかけられ笑顔でマンションを後にする 肌チェック後にカウンセリングをしてもらい 色んなアドバイスをしてもらい 普通に終わった うん、いつも通りだったんだよ メグミ先輩もいつも通りだった 普段となんら変わら

          【MLMの世界】#7 いつも通り

          【MLMの世界】#6 違和感

          『次の集まりは今週土曜日で 肌のコンディションチェックができるよ!』 『ありがとうございます!もちろん行きます』 私は順調にメグミ先輩との親交を深めていた 彼女は月2~3回は声をかけてくれたが 先約がない限りほとんど参加するようにしていた 「最近会合行き過ぎじゃない?」 次の土曜日 出発の準備をしていると 渋い顔の健次郎から声をかけられた 「え、そうかな?」 「だってここ3カ月、土曜日ほぼ出かけてない? あんなにネットワークビジネスかも、って疑ってたじゃん、大丈夫

          【MLMの世界】#6 違和感

          【MLMの世界】#5 崇拝?

          ”メグミ先輩とは本当の友達な気がする…” 彼女からの様々な誘いが多くなるにつれ そんな錯覚を覚えるほどになっていた だって紹介されるサービス等はクオリティ高いし 適正価格よりも安いし 終われば少し談笑して帰るんだけ 最初怪しんでいたマンションの一室も 新しくできたイケてる仲間との交流の場として 馴染みのある素晴らしい場所になっていく “素敵なコミュニティの仲間入りできた♪” そんな風にすら思い始めていた そんな中、いよいよメグミ先輩の退職日がきた 最後の夕礼で彼女が挨

          【MLMの世界】#5 崇拝?

          【MLMの世界】#4 紹介案件

          疑惑は深まりつつも 彼女との友情も深まっていく…笑 いつ告られるのかとドキドキしながらも 基本的には飲んで楽しい相手 お互い警戒心もなくなっていき それなりに本音も言い合える仲にはなっていった 「ネイルいつも綺麗ですねー」 「うん、ずっと同じ人にやってもらってて 本当綺麗に仕上げてくれるんだよね」 「へーいいなぁ」 「良かったら紹介しようか?」 「最近腰が凝りまくってて身体が痛いんです」 「知り合いに腕の良い整体師いるよ、 良かったら紹介してあげようか?」 「ファッシ

          【MLMの世界】#4 紹介案件