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40代会社員。最近大きな出来事があって自分を変えるべく奮闘中。文章書くのはずっと好きだ…

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40代会社員。最近大きな出来事があって自分を変えるべく奮闘中。文章書くのはずっと好きだから心を整えるために書いてみよう、と。

マガジン

  • 【エッセイ小説】シない二人

最近の記事

【MLMの世界】#12 ついに告白

「私も実は結構肌荒れしてて悩んでてね そんな時に勧められた肌診断と化粧水が完全に自分にマッチしたみたいでどんどん美白になっていったの! 元々商品自体は興味あったんだけど 美容カウンセリングからの試用って本当大事! それを使うとみるみる肌が白くなって…」 何この 怒涛のテレビショッピング的トーク… 顔の美白からの入り方… スゴイの一言 「あ、それでね、まあ別に隠してたわけじゃないんだけど…私の副業ってウェイムって会社のオーナーって感じのビジネスなの。 私の美容グッズも全部そ

    • 【MLMの世界】#11 美白トリガー

      「今度専用機器を使った肌年齢診断するんだよ、 来れる?」 いつもの通りメグミ先輩からお誘いがかかった 復活した懐疑心は消えてないけど でも彼女が私に何かしたわけではない もしかしたら 本当に背景とは関係なく 私とは仲良くしていきたいのかも… そんな淡い期待もあった 「はい、行けます!」 二つ返事でオッケーしたところ 「予約時間より少し早く来れる? 私もその時間空いてるから久々にお茶しようよ! 最近二人で話せてないし」 ほらね やっぱりメグミ先輩は本当の友達と思ってく

      • 【MLMの世界】#10 常套手段

        噂や推測で人を判断しない 穿った目でメグミ先輩を見ないことを決意し 特に態度を変えることなく彼女と付き合っていた 例のマンション一室にもネイルやマッサージ等 変わらずサービスも受けていた あれ以来、林さんと遭遇することがなくなったのは不思議だったが、まあ私が少し頻度を減らしたからかもしれない メグミ先輩も私に対して変わらない 常に楽しいお酒の席を演出してくれるし 色んな人脈を紹介してくれる 気づけば仲良くなってから半年 私の中のわずかに残っていた疑念は消えていた ・・

        • 【MLMの世界】#9 メリットのある方は?

          双方の話が違う… メグミ先輩は確かこう言ってた 林さんが、近づいてきた 林さんが、誘ってきた 林さんが、会合に毎回来たがる 林さんとは2人でご飯とか行っていない 林さんサイドの言い分、 ほとんど真逆じゃなかった? 本来であれば仲が良いのはメグミ先輩の方だし 林さんの言ってることを 鵜呑みすべきじゃないんだけど… 元々の消えてなかった違和感と 仲良くなった経緯の既視感が どちらを信じるべきか判断を鈍らせていた 「嘘ついてメリットがある方はどっち?」 1人ではまとま

        【MLMの世界】#12 ついに告白

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        • 【エッセイ小説】シない二人
          24本

        記事

          【MLMの世界】#8 既視感

          12:00pm お昼 今日は仕事が落ち着いているから ランチゆっくり取れそう 「内山さん!ランチ行きませんか?」 ちょうど昼のことを考えていたら 珍しく林さんから声をかけられた 私は基本外回りだし女子と群れるのも苦手 だから最近は一人ランチが多いんだけど 以前はわりと数名の女子と同席していた そう、メグミ先輩がいた時 取り巻き女子達に囲まれる彼女に誘われて仕方なく、といった感じで笑 メグミ先輩がいなくなってから 個別に声がかかることなんてなかったのに でも断るよう

          【MLMの世界】#8 既視感

          【MLMの世界】#7 いつも通り

          「今日もありがとうございました! あ、林さんもまた会社で」 「あ~内山さん、お疲れ様です~ 私もう少しいますね~また会社で!」 ほぼスッピン状態で色んな美容用品を試す林さんと挨拶をして部屋を出ようとすると 「あ、内山さん!今度飲みに行こう、連絡する」 とメグミ先輩に声をかけられ笑顔でマンションを後にする 肌チェック後にカウンセリングをしてもらい 色んなアドバイスをしてもらい 普通に終わった うん、いつも通りだったんだよ メグミ先輩もいつも通りだった 普段となんら変わら

          【MLMの世界】#7 いつも通り

          【MLMの世界】#6 違和感

          『次の集まりは今週土曜日で 肌のコンディションチェックができるよ!』 『ありがとうございます!もちろん行きます』 私は順調にメグミ先輩との親交を深めていた 彼女は月2~3回は声をかけてくれたが 先約がない限りほとんど参加するようにしていた 「最近会合行き過ぎじゃない?」 次の土曜日 出発の準備をしていると 渋い顔の健次郎から声をかけられた 「え、そうかな?」 「だってここ3カ月、土曜日ほぼ出かけてない? あんなにネットワークビジネスかも、って疑ってたじゃん、大丈夫

          【MLMの世界】#6 違和感

          【MLMの世界】#5 崇拝?

          ”メグミ先輩とは本当の友達な気がする…” 彼女からの様々な誘いが多くなるにつれ そんな錯覚を覚えるほどになっていた だって紹介されるサービス等はクオリティ高いし 適正価格よりも安いし 終われば少し談笑して帰るんだけ 最初怪しんでいたマンションの一室も 新しくできたイケてる仲間との交流の場として 馴染みのある素晴らしい場所になっていく “素敵なコミュニティの仲間入りできた♪” そんな風にすら思い始めていた そんな中、いよいよメグミ先輩の退職日がきた 最後の夕礼で彼女が挨

          【MLMの世界】#5 崇拝?

          【MLMの世界】#4 紹介案件

          疑惑は深まりつつも 彼女との友情も深まっていく…笑 いつ告られるのかとドキドキしながらも 基本的には飲んで楽しい相手 お互い警戒心もなくなっていき それなりに本音も言い合える仲にはなっていった 「ネイルいつも綺麗ですねー」 「うん、ずっと同じ人にやってもらってて 本当綺麗に仕上げてくれるんだよね」 「へーいいなぁ」 「良かったら紹介しようか?」 「最近腰が凝りまくってて身体が痛いんです」 「知り合いに腕の良い整体師いるよ、 良かったら紹介してあげようか?」 「ファッシ

          【MLMの世界】#4 紹介案件

          【MLMの世界】#3 過去の経験

          ちなみに言うと私は過去一度 ネットワークビジネスに勧誘されたことがある そこそこ仲良かった大学時代の友人Oが 卒業後しばらくして久しぶりに連絡してきた 「旅行好きのあなたに本当お勧めなの! 成功しているハイクラスの人たちと 交流できるイベントだよ 話聞くだけでも貴重じゃない? ラグジュアリーな旅に行ったり 余裕をもって生活を楽しんでる人達と知り合えて すごく経験豊かな体験談とか聞けるから 絶対あなたの為になると思うよ!」 ちょうど大学卒業後 自分の進むべき道が分からなく

          【MLMの世界】#3 過去の経験

          【MLMの世界】#2 正解?

          「それネットワークビジネスなんじゃないの?」 唐揚げを食べながら健次郎がさくっと言った 「え!?」 メグミ先輩にはどんな謎があるのだろう…と ある意味謎解きを楽しもうとしている矢先に あっさりネタバレされた感じだ 「えー…えー…いや、違うでしょ…いや?」 あっさり正解を出された気がして一瞬否定したが 考えてみるとしっくり当てはまるではないか 「ネットワークビジネスMLM…そうかも…」 考えれば考えるほどそんな気がしてくる 「確かに!!」 「うわ、ビックリした」

          【MLMの世界】#2 正解?

          【MLMの世界】#1 先輩の謎

          現職場の3年先輩で私より3歳上のメグミ先輩 彼女の退職に伴って引継同行した帰り 初めて2人で飲みに行くことになった お酒好きという共通点だけでなく 意外にも深い話ができたことで かなり意気投合した それ以降 彼女の私に対する態度が 劇的にフレンドリーになり 何度か飲みに誘われるようになった 凛とした見た目に反して 話すと気さくでフレンドリー そのギャップの魅力もあり 彼女は職場でも営業先でも慕われている 姉御的存在 私もカッコイイなーと遠目に見ていたが 彼女の取り巻き

          【MLMの世界】#1 先輩の謎

          【MLMの世界】プロローグ

          レス問題対策の一環として 奈々が仕事を始めてから既に2年が経っていた さすがに仕事内容には慣れてきているが 少しだけ物足りなさを感じていた 「東京時代の職場は人が良かったなぁ」 そう、問題は人間関係だった 東京での仕事が楽しかったのは 同僚と良い関係を築けていたからだ 東京の人は冷たい、何考えているか分からない、 表と裏の顔が違いすぎる…怖い! 奈々も住み始めた当初はそう思っていたが 職場はフレンドリーで和気あいあいとしていた 同僚の中には 一緒に旅行に行くような

          【MLMの世界】プロローグ

          【シない二人】が完結しました!ありがとうございました♪ 次回は全くカラーの違う新シリーズを展開します☆ 宜しければまた見に来てください

          【シない二人】が完結しました!ありがとうございました♪ 次回は全くカラーの違う新シリーズを展開します☆ 宜しければまた見に来てください

          【シない二人】エピローグ

          「いってらっしゃい」 今朝もいつも通り 健次郎に声をかけつつ自身も仕事の準備をする 「今日は忙しいかもなー」 職場で飲むコーヒーをカバンに入れながら 今日のスケジュールを思い返していた あの日から既に1年が経っていた レス歴で言うと既に4年目 私たちは仲良く暮らしている 生活する上での問題があれば話し合い 思ってることを我慢することも 曖昧にすることもない 健次郎は相変わらず忙しいままで この1年見てても 特に性欲が回復しているような様子はない ちなみにこの話題は

          【シない二人】エピローグ

          【シない二人】#21 決断(後編)

          ”何だろう、霧が晴れたような感じ” 奈々はこの結論に至ってからそんな気分だった 『友達に戻ろう』 健次郎は明らかに困惑していたが 奈々は全く意に介さない ”だって彼もこの先何のプレッシャーも感じずに 穏やかに過ごせるんだからいいじゃん” そんな風に思っていた だからこそこれは提案でなく結論なのだ 覆す気はない 「ちなみにさ、そもそもだけど 健次郎も別れたくないんだよね?」 「そりゃそうだよ!」 「だよね、良かった、じゃあこれでいこ」 「何その夕飯カレーにしよ、みたいな

          【シない二人】#21 決断(後編)