[母子家庭統合失調症の母との生活]11歳 その1 東京から迎えにくる
夏休みのある日、親戚が祖父の家に遊びに来るということで、僕たちも祖父の家にお邪魔することにした。
が、母親は「東京から迎えにきてくれて、東京行ってくる」と聞かず、一人家に残ることになった。
今思うとありえない話なんだが、当時の僕はあまり深く考えていなかったのか、さっさと祖父の家で親戚と遊びたかったのか「ふーん、そうなんだ」くらいの感じだった。半分くらいはほんとに誰か来るのかなとか思っていたと思う。
午前中、親戚が迎えにきて、僕と妹は祖父の家へ。
しかし、しばらくして忘れ物か何かで、一度家に戻ることになった。
昼食を食べて親戚の車で家に向かう。
家には母親の車が停まっていて、電気は消えているようだった。
(この時も僕は母親は出かけていて、家にいないとなんとなく思っていて、家を見てもなんとも思っていなかった。)
親戚が母親から預かった鍵で家に入る。後ろから僕と妹がついていく。
「誰かいる!」
突然親戚が声をあげた。
「ああ、お姉ちゃん(母のこと)か、、」
どうやら母親が暗い部屋の中で一人で立っていたらしい。(想像するとホラーだ…)
結局東京から迎えなんて来るはずもなく、その後母親も一緒に祖父の家へ行った。
というか、子供だった僕たちはともかく、親戚とかは母親が東京から迎えに来てもらうとかって話はどう考えていたんだろうかと非常に気になる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?