「ジョン・ウィック コンセクエンス」 キアヌ・リーブス ガンフーここに極まれり
キアヌ・リーブス主演の大ヒットシリーズの第4弾がこのほど日本でもついに封切られた。
裏社会を引退した男が、亡くなった妻との思い出の愛犬を殺されたことに端を発した復讐劇は、シリーズを重ねるごとにそのスケールを巨大化させ、ついに全世界を股にかけた史上最高のキリング・アクションへと変貌を遂げた。
ネタバレは避けて言わせていただきますが、いやほんと毎回思うんだけど、ジョンは全編通して何人殺してんだよって思う。
特に今回の4作目はシリーズ史上最長となる185分という大ボリューム。
4作目にしてこの超長尺。それにこれは全シリーズに言えることだが、アクションシーンの長さがこの作品の魅力。
それが今回は3時間の中で本当に最初から最後までほとんどの時間を世界中いろんな所でジョンが暴れ回っている。
もちろんシリーズ史上最多の殺傷数だろう。「一体何人敵出てくんだっw」って、ちょっと笑いそうになったくらいw。
マジでめちゃくちゃ殺しまくります。
でも、全編通してこんなに大ボリュームなアクションシーンのてんこ盛りなのに、全く飽きさせないのが本作の物凄いところ。
ガン・アクションとカンフーを掛け合わせた新しい格闘術「ガンフー」がこの作品のアクションの大半を占め、この斬新な手法を生み出したことがこの作品の成功の全てを担っていると言っても過言ではない。
どんなものかは、スタイリッシュすぎて言葉で表現不可能なのでぜひ劇場で確かめてもらいたいところ。
そんなお洒落で独特なアクションなのだが、出てくる敵ほとんど全員防弾スーツ(本当言葉通りのスーツ!)着ているので、一発じゃ死なない。一発目、二発目でバランス崩して、三発目で脳天撃ち抜くっていう手法なんだけど、もうガンフーは殺し方全部一緒なのもまた独特なところw。
一発じゃ死なないし、敵もめっちゃ多いので弾の消費量もハンパじゃないはずなんだけど、その銃どんだけ弾打てんのっていうくらい発射される。ツッコミどころではあるけど、まあ映画だからいいっか。
でもこれが実は一番のミソなのかも知れない。
いちいち現実に即して補充してたらアクションの流れ的にも悪くなるだろう。
時にはこういう嘘をつくのも大事。
というかこの嘘があるおかげで、今作のアクションはこれだけスタイリッシュで観るものを退屈させないシーンに仕上がっているわけだ。
まあ、こういった純粋なエンターテイメント作品では往々にしてこういう嘘や作り物が存在し、作品を盛り上げているわけだが。
特にこのジョン・ウィックシリーズは、ジョンの戦う理由が何だ、妻との記憶がどうしたこうしたなどという人間模様も多少はあるが、基本的にはアクション命。
観るものの度肝を抜くアクションというのが本シリーズの醍醐味であることは間違いない。
主演のキアヌ・リーブスをはじめ、製作者たちの恐ろしいほどの意気込みがこっちにまで伝わってくるのは確かだ。
もう一つ今作について述べておきたいことがある。
今回は舞台の一つに日本の大阪が登場する。裏社会の情報の集積場であるコンチネンタルホテルの一つが大阪にあるという設定だ。
その大阪コンチネンタルホテルの支配人役で登場するのが真田広之である。
もはや完全にハリウッドの人というイメージが強い真田氏であるが、今作では見事な殺陣を披露してくれている。
もしかしたらスタントも入っているかも知れないが、本当に見事なアクションであった。
しかし、それよりも何より、真田氏の圧倒的なまでの存在感には驚かされた。
ジョンの昔馴染みという役どころで、キアヌとの会話シーンもあるのだが、いやこれがほんとにキアヌと並んでも全く見劣りしない圧迫感がある。
もちろん真田氏がこれまで積み上げてこられた経験に裏打ちされる役者としてのテクニックもあるのだろう。
ハリウッド映画に日本人が出ると、拙い英語になってしまうので何だかそこだけ浮いちゃって変な感じになってしまうことは往々にしてあることだろう。そのためかセリフが極端に少ない役であることも多い。
だが、今作での真田氏の英語による演技はどうだろう。いやほんと上から目線みたいになってしまうが、本当に堂々とした立ち振る舞いで素晴らしい。
英語力もほぼほぼネイティブに近いものがあるので違和感なくすっと入ってくる。
なんていうか、安心して見ていられるのだ。
ほんといつの間にこんな本当の意味でのハリウッド俳優になったんだろう。
いや〜本当にすごかった。
逆に一言だけキアヌが日本語で喋るシーンがあるんだけど、あれは違和感MAXだったからあれはマジで要らなかったと思うw w。
そんな真田広之だが、だいぶ序盤で出番が終了したのが残念だった。できればもっと見たかったのが正直な所。
真田氏は今作でもそうだし、今までもハリウッド作品では、日本を舞台にした日本を背負った役どころが多かった。
だが、今作での演技を見せられた後では、もっと人間味のある役柄を海外作品で見てみたいと思わされた。
シリーズ最長の巨大ボリュームで届けられたジョン・ウィックチャプター4であったが、まさにジェットコースタームービーと言うに相応しい最高のエンターテイメントであった。
タイトルにもあるコンセクエンス=報い。一体どんな報いを受けるのか。これは劇場で感じて欲しいと思う。
また、エンドロール後にも続きがあるのお見逃しなく。
あれ、これどういうことなんだろうと思わせる象徴的な終わり方になっているのでぜひ最後までご覧いただきたい。
最後は何だか宣伝みたいになってしまいましたが、今日もお時間となりました。
読んでいただいてありがとうございます。