こだまの淵 【詩】
心の深い淵から
こだまが 鳴り響く
怖れ
哀しみ
孤独
鳴りやまぬ過去のこだま
ときに激しく轟き
鼓膜をゆるがす音
どこへ逃げようと
追いかけてくる
のがれられない響き
だから埋めようと思った
深い淵を
あのこだまから逃れるために
その時から
ずっと探し求めている
深い淵を埋める手段を
世界を旅して人々に尋ね
文献をあさり
自らも試み
長い年月をかけて
しかしその方法は
なかなか見つからない
それを知る人はどこにもいない
あらゆる文献をたどっても
思いつく限りの方法を試しても
それでも探し続けた
心の淵を埋めない限り
過去のこだまが
鳴りやむことは無いから
だから探し続けている 今も
見つかる日まで
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?