見出し画像

 ハルノノゲシ  【詩】

空の青さが深まって
野原が
薄暮うすぐれに沈んでくると
ハルノノゲシの綿毛わたげ
白く丸い明かりになって
いくつも いくつも
ともります

小さい明かりのもとで
豆粒まめつぶほどの
本と帳面ちょうめんを開いて
ここは虫たちの夜間学校やかんがっこう

夕闇ゆうやみの空に
星がひとつふたつあらわれる頃
始まりを知らせる小さなチャイムが
聞こえてくるかもしれません



ハルノノゲシの花。別名はノゲシ(野芥子)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?