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落書きなんやけどね。

今自分は47歳。
ちょうど4月の誕生日の翌日から、なぜか絵を描きたくなって小さなスケッチブックとペンを持って出かけることにした。これまで絵なんて電話での打ち合わせ中にメモに書く何かわからないものや、中高生の時に教科書とかに書いた好きな子の顔や想像上のおっぱいとかギターとかバッシュくらい。それなのに何故か無性に描きたくなったものだから「さてはやることなくなってとうとうアーティスト気取りでも始めるのか?」と自分をなじったものの、どうもそうではないみたい。

命を燃やすようなお仕事から離れて、ふと心に空いたスペースができたからかもしれない。バンドを始めた(ほぼ何もしてないが)り、バイクが欲しくなった(免許もない)りというのも、そのせいだろう。で、次は絵だった。

これまで、本当に他人に興味が湧かなかった。
人のことはよく見る方だと思う。でもそれはどちらかと言うとビジネススキルに近いものだったかもしれない。どう交渉すればいいか。どう伝えたらいいか。結局はエゴだった。

ふと町を歩いてて、これまで気にならなかったたくさんのことが目に飛び込むようになってきた。あの人の歩き方は子どもの頃からの癖かな。大きな荷物はなんだろう。あの人の忙しさは楽しそう。このボタンの配列素敵だな。。いろいろ。

虫も、車も、あばあちゃんも、全部が面白くてとにかく観察するようになった。すると、時間がものすごくゆっくりになってきて、描いてみたい。その時のことを描いて留めることができるようになりたい。そう思ったんだと思う。

宮脇書店に行ってスケッチブックを買って、適当なペンを持ってみた。たまたま高速艇を降りたところで花にカメラを向けてる人がいた。そのおじさんはモンシロチョウが止まったり飛んだりする姿に、膝をついてシャッターを切ってた。カワイイな。どんな姿を撮りたいんだろう。花?チョウ?どっちが好き?どんどん気になって、目に焼き付けてその場で描いた。

「すみません。絵描きでもないんですけど、勝手に描かせてください。」って言えなかったけど。

これがキッカケで、それからは事あるごとにいっぱい描いていった。うまく描けないけど、気持ちはニューヨークの人を描き続けたジェイソンポラン。ああ、最高。


ただ、見て、ただ、描くだけ。
うまくなりたいなぁって思うけど、それほど強い気持ちではなくて。

昨日、先週を振り返ろうと描いた時に気づいたことがあって。ずっと見ていると、ある部分だけ強調されて見える時があって。指だったり、髪やワンピース、例えばその人が年老いた姿とか。そんな姿とかが自分的に(あくまで自分的に)表現できた時、なんとも言えない満足感が溢れてくることがわかって。。

例えば、下の絵のおじさん。実際はもう少し若いポーランド人。早期リタイアしたので老後のために喫茶店を始めたくて場所探しの旅だという。このメガネのズレ方からして、なんとなくこんな感じになるかな?下の家族の絵は見たまんまだけど、なんかうまく描けた気がしたり。下手な落書きだけど、こんなお金にならない小さなことが楽しくて楽しくて、、あこがれのポランさんみたいに英語いれてしまう厨二ぶり。

ジェイソンポランと同じペンを買った。
日本では販売してないuni-ballのVISION ELITE。オバマさんもサインに使ってたアレ。

百均の小ぶりのスケッチブックとポランのペン。もっと町のいろんなものを勝手に落書きしよう。楽しくて仕方がない。

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